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仲直りする方法は? 大人の親子喧嘩の原因と対処法

熊谷佐知恵(心理カウンセラー)

はらきよか

大人の親子喧嘩の原因

では具体的に、大人の親子喧嘩にはどのような原因が考えられるでしょうか。感情的な要因と、経済的な要因にわけて説明します。

感情的な要因

先に述べたように、大人の親子喧嘩の原因の多くは、過去から続く「○○してほしい」という思いが満たされないことにあります。「わかってほしい」「助けてほしい」「認めてほしい」「愛してほしい」。その思いに応じてもらえないことに対する、長年抱えてきた不満や文句があります。

加えて、親子関係が強い癒着や共依存の関係になっていると、深刻なまでにこじれてしまうこともあります。

「これだけ長いこと一緒にいるんだから、少しはわかっていてくれてもいいはずなのに」「きっと相手はこう思っているにちがいない」といった期待や幻想。親子間に心理的な癒着があると、自分が想像したことが、現実であるような気がしてしまうのです。その結果、思い込みを強化してしまうこともあります。期待や思い込みが強化されればされるだけ、相手に対して変わることを要求したり、期待を押し付けたりしてしまい、それが原因となって親子喧嘩に発展します。

親と子が、お互いに言い分を持ち合わせていますし、それぞれが自分の主張は正当だと思っています。そのため、喧嘩がはじまると、お互いに引きづらい状況になることも。またこのような親子喧嘩では、親と子どもそれぞれが、「○○してほしい」という感情を押しつけ合っている可能性があります。しかも、そのことを揃って自覚していないことも多いのです。ですから、本来の喧嘩の目的さえわからないまま、自分を守るためだけの攻防が続いてしまっている、ということもあります。

また、大人の親子喧嘩の原因には、子どもが年齢的に大人であったとしても、大人になることへの抵抗、大人としての責任回避、という意図が隠れていることもあります。

経済的な要因

親または子どものどちらかが、経済的な自立ができていない、あるいはお金の管理ができていない場合、お金が原因で喧嘩になることも考えられます。経済的自立ができていない人は、仕事やお金のことを言われるたびに罪悪感を刺激されます。それに反応してイライラしたり、反論したりすることで喧嘩が始まるのです。

【まとめ】「依存」に由来する問題が原因

感情的な要因、経済的な要因ともに、自己管理能力に関するなんらかの課題が残されていて、そのことが不満や文句につながっています。大人になってからの親子喧嘩の原因には、「依存」に由来する問題が含まれている可能性が高いといえるでしょう。

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