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上司に使ってもOK? 「お手すきの際に」の正しい使い方

Kaoru Sawa

「お手すきの際に」の正しい使い方

「お手すきの際に」を上手に使えると、相手に対して配慮する気持ちを示すことができ、気持ちのよいコミュニケーションをとることができます。では、具体的にはどのようなときに使うのがいいのでしょうか。また、逆にまちがえて使うと誤解を招く場合はどのようなときなのかもあわせてご紹介します。相手に好印象を与えられる「お手すきの際に」の使い方をみていきましょう。

どんな場面で使える言葉?

急ぎではないが、上司に書類を確認してほしいとき

(例文)

「お手数をおかけいたしますが、お手すきの際にお目通しいただけますでしょうか」
「お忙しいとは存じますが、お手すきの際に、ご確認いただけますでしょうか」

上司に資料や書類を確認してほしいとき、緊急でなければ「お手すきの際に」という言葉が有効です。「お手すきの際に」のひと言を加えることで、忙しい相手の心理的負担を軽くすることができるでしょう。さらに「お手すきの際に」という言葉の前に、「お手数をおかけいたしますが」「お忙しいとは存じますが」などといった「クッション言葉」を添えていることもポイントです。「クッション言葉」とは、ストレートに伝えにくいことを言うときに、その名の通り衝撃をやわらげてくれる役割を持つ言葉のこと。「クッション言葉」を使って相手を思いやると同時に、最後は「~でしょうか」と疑問形で締めるようにすると、相手の立場に立った感じのよい 話し方になりますよ。

メールや文書での内容確認、返事をお願いしたいとき

(例文)

「恐縮ですが、添付の資料につきまして、お手すきの際にご確認いただけますでしょうか」
「恐れ入りますが、お手すきの際に上記確認事項のチェックをお願いできますでしょうか」
「お忙しいところ恐縮ですが、○○につきまして、お手すきの際にご返事いただけましたら幸いに存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます」

「お手すきの際に」という表現は対面での会話だけでなく、メールや文書などでも使うことができます。メールや文書で使用する場合は、何について確認や返事をしてもらいたいのか用件を明確に伝えた後で、文末のまとめの言葉として使うとよいでしょう。

電話で、目的の相手が不在で伝言をお願いするとき

(例文)

「恐れ入りますが、お手すきの際にご連絡くださいますよう、お伝えいただけますでしょうか」

取引先などへの電話をする際、話したい相手が不在の場合はこちらから再度かけ直すことが基本です。しかし、何度かけても不在であったり、相手の都合でこちらにかけてもらったりする場面などでは、相手に折り返し連絡をもらうようお願いすることもあります。その際は「お手すきの際に」というひと言を添えてお願いすると丁寧な印象になるでしょう。

上司に使ってもOK?

「お手すきの際に」という言葉は、上司に使っても失礼にあたりません。「お手すき」とは「相手の手が空いていること」を指す尊敬語。「時間のあるときや手が空いたとき、都合のいいときで構いません」という配慮を伝えることができるため、上司などの目上の方に使っても問題ないのです。日々忙しくしている上司に対し、「相手の時間的負担を少なくしたい」という気持ちが込められた、配慮ある表現といえるでしょう。

失礼かも? まちがった「お手すきの際に」の使い方

自分に対して使う

「お手すきの際に」という言葉は、相手に対して使う尊敬語。したがって、自分に対しては使うのは誤りです。たとえば「お手すきの際にこちらからご連絡させていただきます」などという使い方はできません。改めて連絡することを伝える際には「後ほど改めて、ご連絡させていただきます」「それでは15時にご連絡いたします」などと伝えるようにしましょう。

急ぎの用件のときに使う

「お手すきの際に」は、相手の「時間があるとき」「都合のいいとき」のことであり、「相手の都合」が優先です。したがって、明確な期限がありその期限が差し迫っている場合に使うと、遅れや混乱を招く可能性があります。

たとえば「お手すきの際で結構ですので、明日の会議で使う資料のチェックをお願いできますでしょうか」などという使い方は好ましくありません。その場合は「○○課長、ただ今お時間よろしいでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。明日の会議で使う資料のチェックをお願いいたします。会議は明日15時からですので、明日午前中までにお目通しいただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします」などと、ほかの表現で配慮を示しつつ、明確な期限を伝えるのが正解。

気を使いすぎる、不必要な遠慮をすることは、ビジネスにおいてはマイナスになることもあります。明確な期限があるとき、緊急の用件のときなどは、ビジネスマナーを守った丁寧な表現で、納期や日程などの伝えなければならないことははっきりとわかりやすく伝えることが大切です。「お手すきの際に」という表現は、あくまでも時間的な余裕があるときに使う言葉と心得ましょう。

深夜や早朝などのメールで使う

「お手すきの際に」とは、緊急の連絡ではないということ。深夜や早朝、休日などに送る緊急時の連絡に使うのは不適切です。また、本当に「お手すきの際に」でいい内容のメールであれば、翌日の営業時間内に送るなどの配慮も必要ですね。メールは電話とは異なり、自分の都合で見ることができるため、送る時間はあまり気にしなくてもいいという考え方もあります。しかし、最近ではPCメールをスマホに転送するように設定している人も多くいるため、送信する曜日や時間帯にも配慮したいところです。

「お手すきの際に」を使った好印象な気使い って?

相手に気使いを示す

「○○さん、ただ今お時間よろしいでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。△△のパンフレットですが、お手すきの際にお目通しいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします」

上の例文には、好印象を与えるポイントがいくつかあります。まず、相手の名前を呼び、「ただ今お時間よろしいでしょうか」と相手の都合を伺っている点。「お忙しいところ申し訳ありません」という「クッション言葉」を使って相手を思いやりつつ、「△△のパンフレットですが」「お目通しいただけますでしょうか」と何をどうしてほしいかという用件を明確に伝えます。「~でしょうか」と疑問形でお願いするところもポイント。最後に「よろしくお願いいたします」と内容に合った結びの言葉で締めくくります。これらのポイントをおさえながら、「お手すきの際に」を使うと好印象を与えられるでしょう。

自分が「お手すきの際に」と言われたら

「お手すきの際に」と自分に対して言われたときは、できるだけ早く対応するように心がけましょう。すぐに取りかかれないときは、いつごろできるかなど大まかな日程を提示するとよいですね。そうすることで相手に安心感を与え、信頼関係を築くことができます。

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