日本人が働きすぎる理由とは? 海外と比較した日本の労働時間
「日本人は働きすぎ」といわれるのはなぜ? その理由・原因をキャリアコンサルタントの沖圭祐さんが解説。平均就業時間のデータをもとに海外との差を比較し、今後私たちの働き方がどう変化していくのか分析します。
「日本人は働きすぎ」このような話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。また昨今では、ブラック企業やパワハラのニュースをよく耳にしますよね。
日本人の働き方の特徴や海外と比較した日本の労働時間とは? 今後の働き方を考えるひとつのきっかけとして、一緒にそれらのデータを見ていきましょう。
日本人が働きすぎとされる理由
「日本人は働きすぎ」「日本人は勤勉でまじめだ」などとよくいわれます。このようにいわれる理由はどこにあるのでしょうか。
日本人が働きすぎといわれる理由には主に2つあります。
(1)日本人の勤勉さ
1960年代の日本の急激な経済成長を高度経済成長といいますが、このような成長を遂げた国はほかに例がありませんでした。
人口の多さ、教育水準の高さ、戦争による特需など高度経済成長の要因はいくつか挙げられますが、なかでも注目されたのが日本人の勤勉さ。「日本人は働きすぎ」というイメージの背景には世界に驚きを与えた高度経済成長があると考えられます。
(2)日本企業に多い悪しき習慣
日本人の労働時間は長くなりがちですが、その背景には日本企業の悪しき習慣も影響すると考えられます。
仕事こそが人生で一番大切であるという価値観
仕事に対する価値観は多様化していますが、仕事は人生で一番大切であるという認識を持っている会社はまだまだたくさんあります。
「みな仕事が一番大事なはず」という思い込みがあると、社員、従業員に求めるハードルも上がりがち。働きすぎやパワハラなどにもつながりかねません。
「仕事は苦しくて当たり前」という認識
「仕事は苦しくて当たり前」という認識を持つ人は年齢が上がれば上がるほど多くなる傾向にあります。
「苦しくて当たり前だから、我慢しろ」という認識を上司が持っていれば、まわりの社員はどうしてもそれに合わせるような働き方になってしまいます。
個人よりも組織重視
協調性はもちろん重要ですが、個人の尊重あってチームは初めて成り立つのではないでしょうか。
「組織に合わせることが絶対」という風潮は、自分の意思を表明することを妨げるので、働きすぎにつながるといえます。
【豆知識】「過労死」という日本発祥の言葉
ちなみに過労死は近年社会問題化しており、海外からも注目されています。過労死は海外でも「KAROSHI」という言葉で知られており、「日本人は働きすぎ」というイメージにつながっていると考えられます。