お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【弁護士が解説】「婚約破棄の慰謝料」の相場と請求方法とは?

刈谷龍太(弁護士)

「婚約破棄の慰謝料」の相場

coins-948603_640

「正当な理由」がない婚約破棄の場合は、結婚式場のキャンセル費用や結納金の返金などのほか、「結婚を不当に破棄されたことに対する慰謝料」を請求できる場合があります。

慰謝料は、婚約破棄されたことに対する精神的苦痛をお金で賠償してもらおう、というもの。精神的苦痛は目に見えない損害なので、金銭に評価する場合はそれぞれの事情に即して検討する必要があります。そのため、具体的な相場金額というものはありません。

そして、裁判所の考える慰謝料の算定要素は、婚姻成立に向けた具体的行為(結納、親族や友人への紹介など)に着目したもの、破棄の帰責事由となるもの(暴力、他の異性との交際など)、その他(交際期間、同居期間、妊娠、中絶、出産、破棄当時の年齢など)など多種多様なものがあります。

これまでの婚約破棄の慰謝料を請求する訴訟を参考にしてみると、慰謝料として認められる金額相場はおよそ50万円から、高くても200万円程度です。もっとも、前述した通りケースバイケースなので、50万円を下回る事案も、200万円を超える事案もあり得るのです。

この点、慰謝料額が低額となるケースについては、婚約が成立し、破棄した側に正当な理由はないものの、破棄を決意させる原因が他方に認められるなど、破棄された側に相当程度の落ち度がある場合という事例が多いです。

一方で、慰謝料額が高額になるケースについては、破棄した側が暴力をふるっていた、破棄された側に落ち度もないのにほかの異性と交際していたなど、破棄する側の責任が重大である場合が多くなっています。

次ページ:「婚約破棄の慰謝料」の正しい請求方法

SHARE