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【弁護士が解説】「婚約破棄の慰謝料」の相場と請求方法とは?

刈谷龍太(弁護士)

婚約破棄されて、慰謝料が請求できないケース・請求できるケースとは?

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婚約破棄された場合、慰謝料が請求できるケースと請求できないケースがあります。それは、「婚約破棄の原因が自分にあるか相手にあるか」によって判断されます。

そもそも、「婚約破棄」自体は、裁判所の判決などを必要とせず、お互いが合意すればできます。しかし、正当な理由がないにも関わらず一方的に破棄することは違法という判断になり、損害賠償責任を負います。

以下のような理由が婚約破棄の「正当な理由」です。自分がこれらの行為をしていた場合、相手に婚約破棄をされても慰謝料請求はできません。

・婚約後に、ほかの異性と浮気をした

・婚約後の失業など、大幅に経済的事情が変化した

・婚約後に重度の精神病などに罹患した

・婚約後に、前科などが発覚した

・合理的な理由なく、婚姻を先延ばしにした

・婚約後に、虐待や暴行暴言を行った
※東京高判昭和48.4.26判例時報706-29

・婚約後に、社会的常識を逸脱した異様な言動をした
※福岡地裁小倉支部昭和48.2.26判例時報713-108

・結婚式直前に、無断で出奔(行方不明)した
※大阪地判昭和41.1.18判例時報462-40

一方、「正当な理由」とは判断されない婚約破棄の理由の代表的なものは以下です。これらの理由で相手から「婚約破棄」をされた場合は、正当な理由とはならず違法とされるので、慰謝料を請求することができます。

・婚約相手が自分のことを好きじゃなくなった

・自分と性格や価値観が合わなかった

・親族に結婚を反対された

「慰謝料はいらないから結婚してほしい」と思う人もいるかもしれませんが、法的に2人を強制的に結婚させるといった手続きは、残念ながらありません。

次ページ:「婚約破棄の慰謝料」の相場

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