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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠すると痔になりやすいってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

肛門や肛門周辺に起こる「痔」に悩まされている人は、意外と多いもの。特に女性は、「妊娠・出産をきっかけに痔になりやすい」とも聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか? また、痔にならないための予防法などはあるのでしょうか? そこで今回は、そんな痔にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠すると痔になりやすいってホント?

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<読者の声>

・出産ならともかく、妊娠とは関係ないと思います。(23歳/その他/その他)
・特に聞いたことがない。痔になりやすかったら嫌だなと思う。(26歳/医療・福祉/専門職)
・便秘になりやすくなるから、痔にもなりやすいと思う。(29歳/団体・公益法人・官公庁/専門職)
・出産するときに切れたりするとよく聞く。(33歳/不動産/専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ホントです!

妊娠しておなかが大きくなると、心臓に血液を戻す血管(静脈)が圧迫され、骨盤や足などから血液が戻りにくくなり、うっ滞してしまいます。その結果、血管がボコボコと膨らみ、下肢静脈瘤になったり、肛門に「いぼ痔」ができたり、ということが起こります。特に静脈瘤は、妊婦の場合、足だけでなく会陰にもできることがあり、中にはおしりがパンパンに腫れてしまって座れなくなる人もいるほどなんですよ。

また、妊娠中はホルモンの影響で便秘にもなりやすく、固い便を無理やり出そうとして「切れ痔」になってしまう人もけっこう多いですね。

なお、コメントにある「出産するときに切れたりする」というのは、切れ痔とはちがいます。基本的に、出産の際に切れるのは、腟と肛門の間の「会陰」と言われる部分です。ただ、いきむときには肛門にも圧がかかりますので、それによってうっ血し、のちにいぼ痔になりやすくなるという側面はあります。

痔にならないためには、妊娠前からヨーグルトなどの発酵食品を食べたり、運動習慣をつけておいたりと、便秘を解消しておくことが大切です。中でも運動は、腸が動くのはもちろん、血流もよくなるのでオススメです。また、血流が悪くなることが痔の一番の原因ですから、体を冷やさないようにすることも意識したいですね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※次回の更新は2月4日(土)です。お楽しみに!

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年01月28日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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