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専門家 デート・カップル

【男女のマネートラブル】第3回 婚約を破棄したら慰謝料は払わなきゃダメ?

堀井亜生

「彼氏がお金を返してくれない」「婚約破棄された」「不倫の慰謝料」。世の中の男女の問題にはお金がつきもの。そんな男女のマネートラブルの悩みに、多くの離婚・男女問題を解決してきた弁護士・堀井亜生先生が答えます! 法律面のアドバイスだけでなく、これまでの事例に基づく恋愛アドバイスももらえるので必見。 悩める子羊たち、門を叩きましょう!

【今回の相談】

2年ほど付き合った彼氏と婚約して結納も済ませて、式場の予約までしましたが、別の人を好きになってしまいました。その人とはまだ付き合ったりしていないのですが、もう彼氏とは結婚する気がなくなってしまったので、結婚は破談にしたいです。結婚式まではあと3カ月です(籍はそのときに入れる予定でした)。式場のキャンセル料は私が払うつもりですが、慰謝料を請求されたら払わなければいけませんか? 今になって思うと、あまり結婚したい気持ちが強くはなかったので、流れに任せて婚約してしまったことを後悔しています。(ともも・27歳/医療・福祉/事務系専門職)

■堀井亜生先生の法律アドバイス

式場のキャンセル料は払うつもりとはいえ、「慰謝料を請求されたら払わなければいけませんか?」という疑問が出てくるということは、とももさんは、「まだ入籍していないのだから、式場のキャンセル料だけ払えば結婚をやめられるかもしれない」とお考えなのかもしれません。

●婚約破棄は「正当な理由」がないと慰謝料を払う可能性もあり

確かに、まだ入籍していない状態で結婚を取りやめるだけと考えると、結婚している夫婦が離婚する時に比べれば、慰謝料を払う必要はあまりないように思えるかもしれません。
しかし、婚約というのは「将来結婚する」ということを約束する一種の契約にあたります。したがって、カップルの片方が婚約を破棄するということはその契約を破棄することになるので、正当な理由がない場合には、婚約破棄によって生じる損害を賠償しなければいけません

どういう場合に婚約が認められるかは、法律に定められていませんが、結納を行ったり、婚約指輪を贈ったりした場合は、婚約が成立したことの一事情になります。とももさんの場合は、結納を済ませていて、式場の予約も行っていますから、婚約が成立していると評価される可能性が高いです。

●婚約破棄できる「正当な理由」とは

「正当な理由」は、婚約後に相手が不貞行為をしたり、暴力や暴言を行ったり、経済事情の急変といった理由により結婚するのが難しくなったりした場合などに認められます
とももさんが婚約を破棄したい理由は「別の人を好きになったから」ということなので、正当な理由があるとは認められません。したがって、彼氏との婚約を破棄する場合には、彼氏から損害賠償を請求されたら支払う義務が生じます。

●婚約破棄による損害賠償とは

損害賠償には慰謝料も含まれます。慰謝料の相場は、事情によりけりですが、おおむね数十万円から300万円ほどです。これに式場のキャンセル料など、彼氏の側に発生する損害があれば、それを合わせた金額を支払うことになります。また、結納金も返還する必要があります

■堀井亜生先生の恋愛アドバイス

このように、正当な理由なく婚約を破棄する場合には、慰謝料を含む損害賠償を支払う義務が生じます。
婚約は法律上保護される契約で、破棄する場合にはまとまった金額を支払わなければいけなくなるのですから、とももさんのようにあまり気が進まない状態で婚約することはおすすめできません。

逆に言えば、慰謝料と、式場のキャンセル料などの損害賠償を支払えば、とももさんは婚約を破棄することができます。
ただし、もし経済的に余裕があってこれらのお金を払うことが可能であっても、婚約破棄をする前に、「2年付き合った彼氏との結婚直前に別の人を好きになった」という気持ちの底には何があるのかをよく考えてみる必要があるでしょう。

それなりの金額を払って婚約破棄をしたいと考えるほど、その別の人のことが好きなのでしょうか?
もしかしたら、「このまま彼氏と結婚していいのかな」という迷いから、ほかの人がよく見えるようになっているという可能性もあるかもしれません。
だとしたら、今の彼氏との婚約を破棄したとしても、次にほかの人と結婚することになった時に、同じように迷いが生まれてまた婚約破棄をしたくなってしまうことも考えられます。
「今になって思うと、あまり結婚したい気持ちが強くはなかった」という考え方自体、結婚を迷っている今の気持ちを遡らせて、「本当は最初から嫌だったのに」と思っているだけという可能性もあります。本当に結婚したくなかったら、2年も付き合うことはできないし、結納や式場の予約をする段階まで行くことはなかなかできません。別の人のことを考える前に、彼氏との2年間を振り返ってみて、自分の気持ちとよく向き合ってみましょう

(監修・文:堀井亜生)

★次回の『男女のマネートラブル』は12月13日(火)公開予定です。お楽しみに!

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