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【ぐっどうぃる博士×朝井麻由美  彼の不可解な行動5】彼がいつまでも結婚を決めないのはなぜ? 結婚を決めさせる方法はあるの?

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

朝井麻由美

男性と女性では脳に違いがあるために、考え方や行動が異なるとよく言われています。理解不能な彼氏の行動や、好きな男性の態度は、単なる脳の違いによるものなのか、それとも何か隠された事情があるのか? そんなわけで、オトコが本当に考えていることを知るため、おひとり様代表・朝井麻由美さんが恋愛カウンセラーのぐっどうぃる博士に疑問をぶつけます!

今回の相談者:かおりんさん(28歳・商社、専門職、ひとり暮らし)

以前の記事で、博士は「多くの男性は、恋人ときちんと向き合おうとしていないけど、いくつかの要素が揃えば、その覚悟を決める」とおっしゃっていました。いくつかの要素とはなんでしょうか?

男性に結婚を決めさせる7つの条件

朝井麻由美(以下朝井):第2回のディスカッションで、多くの男性は付き合うことから逃げていて、付き合っていても女性をきちんとしたパートナーとして見ていないとおっしゃっていましたね。

ぐっどうぃる博士(以下博士):はい。男性は、辛い現実や退屈な日常から逃げさせてくれる癒しの存在として女性を見ている。だから「現実的なパートナーとして女性と向き合うこと」から逃げている。そう思っています。

朝井:でも、ある条件が揃えば、きちんと向き合う覚悟を決めるのですよね?

博士:ええ、そうです。

朝井:それはなんでしょう?

博士:その前に言っておくと、男性がきちんと女性と向き合う覚悟を決めるというのは、「結婚を覚悟する」とほぼ同じ意味です。

朝井:結婚を覚悟するまでは、ちゃんとしたパートナーとして相手を見ていないということですか?

博士:ええ、そう思います。そして多くの男性は、結婚から逃げ回っています。いつかは結婚するのかもしれないけど、今じゃないと思っています。

でも、ある条件が揃うと突然に結婚を覚悟する。周りが「あの人は結婚しない人」と言っていても、自ら「俺は一生結婚することはない」と断言していても、その言葉に意味はありません。

彼らは、それまでまったく結婚などするつもりもなかったのに、突然に覚悟し、結婚するのです。

朝井:ぜひ、その条件を教えてください。

博士:普段僕はそれを「男性が結婚を覚悟する7つのスイッチ」と呼んでいます。7つのスイッチの多くがオンになることで結婚を覚悟するということです。朝井さんは聞いたことがないようなので、お話ししますね。

朝井:お願いします。

スイッチ1、2:男性から見て彼女の価値が高いかどうか

博士:1つ目のスイッチは、その男性から見て「女性の価値が高いこと」です。「目の前の女性を手放したら、それ以上の女性は得られない」と確信した時に、その女性と向き合おうとするでしょう。

2つ目は「男性の価値が低いこと」です。男性自身が、合コンに行っても相手にされなかったり、花形部署から左遷されたりすると、結婚を考える。1つ目と2つ目のスイッチはお互いに影響し合っています。

スイッチ3:結婚したいほど居心地が良いと感じられるかどうか

朝井:3つ目は?

博士:その女性といて、「結婚したいほど居心地が良いと感じられること」です。その女性と日常を過ごしていて、この人と結婚したらいいだろうなと想像できると、日々の癒しとしてだけでなく、これからもずっと過ごすパートナーとして見るようになります。

朝井:例えば、博士がおっしゃっていたような、女性が彼に「話し合い」を何度も持ちかける、というのは、彼にとって「居心地が悪い」という判定になるでしょうか?

博士:なります。一方で、女性は結婚を決めると、目の前の男性にしっかりしてほしい、普通の大人になってほしいとより思うので、危機的な状況が起きがちです。

朝井:なるほど。お互い正反対の方向を向いていますね。

博士:たとえば同棲をして、彼女に「トイレは便座を下げて座ってしてほしい」とか、「玄関の靴を揃えてほしい」などと口うるさく言われただけでも、逃げ出す男性はいるでしょうね。

朝井:その程度で……。毒を吐いてもいいですか。それはなかなかに精神年齢が低いですね。

博士:それを言えば、けっこう多くの結婚適齢期の男性は子供だと思います。精神年齢の高い大人なんて昔から少数派でしょう。子供が生まれたり、社会的に高い地位について部下を持ったりして、いくつもの理不尽なことに対処しながら、徐々に大人になっていくのではないでしょうか? いや、それでも成長せず、たとえば60歳をすぎても、精神年齢が低いなんて男性人もよくいると思っています。 

スイッチ4:自分がそうありたい自分になっているかどうか

朝井:4つ目のスイッチは?

博士:「夢が叶うか、夢を諦めたとき」です。「こうありたい自分」と「こうである自分」が一致している必要があります。

朝井:どういうことでしょう?

博士:たとえば自分が、「お笑い芸人」でありたいとして、お笑い芸人では食べていけず、居酒屋のバイトが主な収入源だとすると、こうありたい自分と、こうである自分が一致していません。だから「女性と向き合っている場合じゃない」と考えてしまいます。

朝井:夢を追っている人は、恋人と向き合えないということですかね?

博士:そうです。今の自分に自信を持ち、自分が生き残る能力を持っていると確信することが重要となります。

スイッチ5:妻子を養えるだけの収入があるかどうか

朝井:生き残る力というのは、仕事で自立することでもありますか?

博士:そう、それが5つ目のスイッチ。女房子供を食わしていけるだけの収入があり、今後も安定していると確信することは、その女性と向き合う覚悟には必要だと思います。つまり「ある程度収入があり、安定した仕事についていること」です。

朝井:「女房子供を食わしていけるだけの収入があり」というのは、最近はそうでもないのでは? というのも、働いている女性に限りますが、いまどき昔ほど年収を気にしている女性なんていないと思います。

博士:そうでしょうか?

朝井:年収が高いのと低いのでは、それは高いほうがいいに決まっているでしょうけれど、年収が絶対条件ではない、という言い方が近いでしょうか。専業主婦が当たり前だったり、女性の働き口が少なかった昔よりも女性側の年収が上がったため、結婚相手選びの際の年収のプライオリティが下がっている気がします。

博士:たしかに、一理あるかもしれません。ただ、結婚において男性は自分の仕事や年収を気にします。

そういえば、昨年沖縄県で婚活セミナーをしました。ちなみに沖縄は、2013年の総務省の調査で、男性の生涯未婚率が2番目に高い県です。
で、その沖縄でセミナーを主催した結婚相談所の方によると、男性の収入が低く、女性に結婚相手として選ばれない。同時に男性の自信がなくなっていることが、結婚をしようとする男性が少ない理由だと言っていました。

朝井:なるほど。女性の年収が昔より上がっている、というのは、都会に限ることかもしれないですね。

博士:ただ、まあ、たしかに、「女性が男性の年収に、以前より大きな期待をしなくなった」という実感はあります。その一方で男性の年収の格差はさらに広がり、多くの男性の年収が低くなり、安定した仕事に就きにくくなったとも感じます。

朝井:そうなんですか。

博士:一つ言えることは、多くの男性は結婚の時に、女性の人生を背負おうとまで思ってしまう。そうできる自信がないと、その女性と向き合おうとしないということです。最近結婚しない男女が増えたのは、男性の年収が下がり、仕事が不安定になって、未来が見えないということが大きいと思っています。

朝井:それは、共働きでダブルインカムであるから実際は問題ない、などと言う現実的な話ではなく、男性が自分で勝手に「女性の人生を背負わなければ!」と思ってしまう、気持ち的な問題でしょうか?

博士:そうですね。気持ち的な問題は大きいです。と同時に、たとえダブルインカムだとしても、女性はそれなりの収入や仕事を男性に求めていて、それゆえに「女性から結婚相手として選ばれない」と男性が実感していることがあるでしょう。その現実が、さらに彼らの気持ちに影響を与えているのだと思います。

この4つ目と5つ目に関して、昨年、又吉直樹が著した『火花』という小説に、興味深い話が出てきます。主人公徳永が尊敬する先輩芸人神谷は、恋人のような女性を恋人という関係にしていません。一緒に住み、暮らしているのに、恋人じゃないと言い張っているのです。

それは、神谷自身がそれをほのめかすのですが、芸人として売れていないからです。芸人として食べていけず、未来も見えない。だから結婚はおろか、恋人にすらできないわけです。

神谷の心情は理解できます。自分が何者でもないのに、その女性と向き合えない。自分の稼ぎが少ないのに恋人という重荷を背負えないということでしょう。

朝井:ともかく、時代が変わってもなお、「男は女を養うものだ」と思い込んでしまうような、悪しき風習やイメージが男性の心の中に根強く残っているということなんですね。

博士:そして、女性たちの両親にも、未だ、「男は女を養うものだ」という考えがあり、それも影響を与えているかもしれません。女性たちの両親は収入の少ない男性との結婚には反対することが多いと感じます。

スイッチ6:周りが結婚を促す環境になっているかどうか

朝井:6つ目はどういうものでしょう?

博士:「周りが結婚を促す環境になっていること」です。たとえば友だち達がBBQに子供を連れてきたり、会社の同年代の男性の多くが結婚してしまうと、俺もそろそろ結婚かと考えてしまう。人は周りの目を気にする生き物で、日本は特にそれが顕著だと感じます。

朝井:これはなんとなくわかります。ということは、環境によって、結婚しようとする時期が違うってことですよね?

博士:そうです。周りの結婚が遅ければその男性の結婚も遅い。周りが早ければその人も早まる。その人の同僚や友だちを見れば、その人が何歳で結婚するかのヒントになるでしょう。

地方のように、親など周りの目が厳しいところでは、結婚は早まるでしょう。一方で、親から離れ、いろいろな価値観が認められている都会では、結婚する年齢は遅くなる。先ほどの総務省の調査で、生涯未婚率第1位は、東京都です。多分、日本でもっとも「結婚をしなくては!」という環境にない場所だと思います。

スイッチ7:今の恋人に心から惚れているかどうか

朝井:7つ目はなんですか?

博士:恋愛回路と僕が呼んでいるものです。その女性に心から惚れていると、結婚を真剣に考えるようになります。

朝井:それにしても、スイッチが7つって随分多いですね。

博士:このスイッチがすべてがオンになっている必要はありません。

朝井:いくつ以上なら、いいのでしょうか?

博士:それもなんとも言えません。たとえばほかのスイッチが入っていても、失業していたら、それどころじゃなかったりします。一方で、僕が恋愛回路と呼ぶ、強い恋愛感情があれば、ほかすべてのスイッチがオフになっているのに結婚しようとすることもあります。

まあ、たとえば、7つ目のスイッチである恋愛感情がなくても、ほかのスイッチが5つくらいオンになっていれば、「そろそろ年貢の納めどきかな」と感じて、結婚を決めようとすると思います。

目の前の彼と結婚したい場合、あるいは出会った相手と結婚できるかどうかを見積もるのに、このスイッチを知っておくと有利でしょう。また、このスイッチをオンにできれば、その男性との結婚できる可能性は高まります。

朝井:なるほど。女性はどうなのですか?

博士:女性の多くが結婚を覚悟できないのは、「適した相手が見つけられないから」だと思っています。男性は、特定の女性がいるいないに関わらず、まずは「責任が取れるかどうか」を意識し、女性は、結婚はしたいのだけど、「人生を託す相手がいない」のでしない、あるいはできないということです。

朝井:うーん……、「男性に人生を託す」ってほど深刻ではないと思います。

博士:生物学的な話をすると、女性には妊娠、出産、子育ての時期があり、その時期はどうしてもパートナーの助けが必要になる。だから生得的に「優秀な相手に人生を託したい」、そうしないと子供もろとも自分も死んでしまう。だから、託す相手を探していると思っています。まあ、これも僕の仮説ですね。

朝井:なるほど。

7つのスイッチが入っても、実はまだ男性は結婚を覚悟しない!?

博士:あと、この7つのスイッチが入っても、実はまだ男性は結婚を覚悟しなかったりします。

朝井:まだ、覚悟しないんですか? 8つめのスイッチ?

博士:いえ、7つのスイッチは、結婚を覚悟するための土台にすぎず、さらに「イベント」が必要になると考えています。

朝井:イベントとは?

博士:以前も言いましたが、結婚するというのには大きなコストがかかる。しかも結婚後うまくいくかどうかは、大きな賭けともいえます。

だから、条件が揃っても、男性はなかなか重い腰をあげないわけです。

朝井:なるほど。イベント=きっかけ、理由、ということですね。

博士:うーん。男性によってはもっと深刻なものですね。「もうモラトリアムに付き合い続ける期間は終わりました」というアラートですかね。たとえば、女性が直接結婚のプレッシャーをかけることだったり、妊娠だったり、親の重い病気だったり、転勤だったりです。場合によっては、女性が結婚をしてくれない彼に愛想をつかし去って行ったことがイベントになったりもします。また場合によっては、その女性の年齢が高ければ、それがそのままイベントになってしまうことも少なくありません。

朝井:7つのスイッチの多くがオフの時にイベントが起きたらどうなるのでしょうか?

博士:それはそのまま別れに繋がるでしょう。イベントは結婚するか別れるかの選択を男性に迫る出来事ということです。

朝井:大変だ。

博士:スイッチの多くがオンになり、イベントが起きて、「結婚するか」と男性が覚悟しても、まだ本当の意味で女性と向き合う気になっていないことがあります。

朝井:ええ!! いい加減にしてほしいって感じです(笑)

博士:だから結婚というのは、プロポーズをして、高価な指輪をプレゼントし、お互いの両親に挨拶をして、しかもその行程を半年から1年をかけてしていくのです。男性を徐々に追い詰めていくわけです。男性に結婚以外の道を諦め、目の前の女性だけしか選べないようにしていくのです。

朝井:そこまでやったら心情的に後戻りできなくなりますものね。

博士:できちゃった婚とか、とりあえず籍を入れるというのは、結婚の覚悟ができないまま、してしまうので、男性が女性と向き合えず、家庭内別居のような状態になったり、家事や育児を手伝えなかったり、浮気をしたり、離婚をする可能性を高めると僕は思っています。

たくさんのお金を使い、時間と労力を割いて、周りの人たちに「私たちは結婚しました」と伝えることにより、男性にほかの道を断ち、後に引けなくさせ、相手と向き合うことを覚悟させる。そういう儀式が結婚だと思います。

朝井:そうなんですね。

博士:心理学におけるいくつかの実験で次のようなことがわかっています。

その人にとってほかのものを選べる、ほかの選択肢がある状態だと、人は目の前のものを愛せません。一方でほかの選択肢がない、目の前のものしか選べない状況だとわかると、人はその対象に愛着が湧いて、その対象を愛そうと覚悟するということです。

朝井:そうなんですね。

博士:さて、今日はこのテーマについて語り尽くしましたので、これくらいにしましょう。
朝井:いつも、「この続きはまた今度」と先延ばしにするのに珍しい!

【まとめ】
1)男性は次の7つのスイッチの全てではないが、多くが入ると結婚を覚悟する土台ができる
2)1つ目は「女性の価値が高いこと」、2つ目は「男性の価値が低いこと」
3)3つ目は「結婚したいほど居心地が良いと感じられること」
4)4つ目は「夢が叶うか、夢を諦めたとき」
5)5つ目は「ある程度収入があり、安定した仕事についていること」
6)6つ目は「周りが結婚を促す環境になっていること」
7)7つ目は「その女性に心から惚れている」
8)7つのスイッチに加え、「男性の転勤」など、結婚を決めなくてはならない出来事(イベント)が結婚の覚悟に必要
9)イベントが起きた時、多くのスイッチがオンになっていると結婚を決める。オフになっていると別れとなる
10)さらに結婚という長きに渡る儀式を行うことで、女性ときちんと向かいあおうとする

(構成:ぐっどうぃる博士、朝井麻由美)

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※この記事は2016年04月26日に公開されたものです

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

自身の体験と生命科学の視点から確立した、独自の恋愛理論で、多くの女性たちの支持を集める。過去にカウンセリングした女性は延べ11000人以上。恋愛や結婚に悩む女性たちに答える日本最大級の恋愛サイト『恋愛ユニバーシティ(http://u-rennai.jp)』主催。 著書に『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)など。
http://u-rennai.jp/goodwill/

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朝井麻由美

ライター・編集者。著書に『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』。
Twitter:@moyomoyomoyo

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