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「シャンプーのせい」はまちがい!? 皮膚科専門医に聞く、背中ニキビの原因と対策

背中が開いた服を着ようとしたら、「いつの間にか背中にニキビができていて着られなかった……」なんて残念な経験をしたことがある人もいるのでは? 自分では気づきにくく、顔に比べて治りにくく感じる背中ニキビは厄介な存在といえそう。正しい知識できちんとケアしたいものですね。そこで、銀座スキンクリニックの坪内利江子院長に背中ニキビの原因と対策について聞きました。

ニキビのメカニズム

人間の皮膚は外側から表皮、真皮という構造になっています。そして表皮が新しい細胞に再生するのを繰り返すことをターンオーバーといいますが、ニキビはターンオーバーが正常にできなくなった状態で、表面の角質が厚くなって毛穴詰まりを起こした状態のことをいいます。ニキビ菌は誰でも持っているものなのですが、皮脂と作用して炎症を起こして赤くなったり、かたくなってひどくなったりすると膿ができるものがニキビの症状ですね。

ニキビと似た症状で、毛穴を中心に赤くなるものに毛嚢炎(毛包炎)がありますが、こちらは毛の周辺が炎症を起こすだけのことなので、ニキビとはいいません。

ニキビの原因

■男性ホルモン

背中ニキビの原因としては、まずは男性ホルモンが挙げられます。ニキビができやすいのは皮脂が活発に出ている年齢、男性ホルモンが活発になっている時期です。大人になってもニキビに悩まされている人は10代のころからニキビが出ていたという人が大半ですね。背中の毛穴の数が多かったり、皮脂腺が発達していたり、皮脂腺の機能が強かったりという体質の人はニキビができやすいです。

■活性酸素の増加

背中ニキビに限らないですが、肌の炎症を悪化させてしまう原因としてストレスが多いことや夏に背中を焼いて紫外線を浴びて活性酸素が増えることも挙げられます。また、食事がアンバランスで炭水化物や糖質が多い食事をとってばかりいるとニキビの悪化につながりかねません。

背中ニキビと顔にできるニキビのちがい

背中ニキビの場合、顔にできたニキビとちがうのは傷が治りにくいということ。顔は一般的に血流が豊富で皮脂腺もあるので治りがいいんですが、背中は代謝が遅く、皮膚の構造も厚いので薬の浸透が遅くて治りにくいんです。また、みなさん顔にできたニキビはすぐに気にしてケアをするけれど、背中ニキビは気づくのも遅く、ニキビ跡になっている状態であったり、症状がひどくなったりしてから病院に来るので治りが悪くなるんです。

背中ニキビの対策

■「シャンプーのせい」はまちがい?

普段の生活でできるニキビのケアとしては、入浴の際に体を洗うときに皮膚が傷つくと炎症が長引くので、泡立てて泡で洗うというのを実践して皮膚が傷つかないようにしましょう。入浴後は、ボディクリームを塗ったり、ニキビ用のスキンケアを使ったりするのもよいと思います。

よく背中ニキビができるのはシャンプーのせいともいわれますが、表面的な問題というよりは皮膚の中の根っこの問題なので、シャンプーについてはあまり気にしなくてよいと思います。

■早めに皮膚科を受診して

ニキビができたからといって皮膚科を受診する人はまだまだ少ないのが現状です。背中ニキビができてすぐに病院に来るというよりは、症状が悪化してから来るか、ニキビ跡に悩んで来る人が大半です。早くケアすれば特殊な治療をしなくてよいので、普段から背中を鏡でチェックしてできたらすぐに皮膚科を受診する。そしてまずは作らないようにするのが大原則です。

まとめ

坪内先生によると、背中ニキビで皮膚科を受診する人はごくわずか。ニキビに気づいて病院に行ってもニキビ跡の状態や症状が進行している状態の人も多いとのこと。とにかく早めのケアが肝心ということなので、普段から背中もしっかりチェックして「あれ?」と思ったら自己流で治そうとしないですぐに病院に行くのがよさそうです。

「銀座スキンクリニック」坪内利江子院長・プロフィール

日本医科大学卒業。同大学麻酔科研修後に皮膚科に勤務。フランス・パリのサンルイ病院皮膚科で臨床研修、パリ大学に論文提出。日本医科大学医局長・講師を経て、ハーバード大学皮膚科で3年間レーザーの基礎・臨床研究を行う。帰国後、日本医科大学美容皮膚科外来責任者としてレーザー治療の指導に当たる。2005年銀座スキンクリニック開設、08年移転。開業後も学会での講演や論文発表、各種治験や臨床研究の受託など多数。
医学博士
日本皮膚科学会専門医
日本レーザー医学会認定医
日本抗加齢医学会認定専門医

銀座スキンクリニック
http://www.ginzaskin.com/incho.html

(取材協力:坪内利江子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年04月08日に公開されたものです

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