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未婚は「当然」……? 『未婚当然時代』著者に聞く! “縁なき時代”の絆の作り方

恋愛や結婚について取材、執筆活動をしている作家のにらさわあきこさんによる著書『未婚当然時代~シングルたちの“絆”のゆくえ~』が4月1日、発売されました。同書の帯には「半分シングル時代がやってくる!?」というキャッチコピーとともに「30代後半の未婚率は男性35.6%、女性23.1%」という2010年の国勢調査のデータも掲載されています。にらさわさんに執筆した経緯や未婚の男女のゆくさきなどについて聞きました。

未婚は「当然」……?

『未婚当然時代』は、ウェブサイト「Wedge Infinity(ウェッジ・インフィニティ)」で好評 を博した連載に、大幅に加筆し追加取材したものを書籍化。生涯未婚率が年々上がり、結婚しないことが「当然」となりつつある社会において、結婚するためにはどんなことを行えばよいのか、また結婚に縛られない絆にはどのようなものがありうるかなどのヒントを、未婚の男女へのインタビューを通じて探ってゆきます。

「未婚の男女の絆」をテーマに執筆しようと思ったきっかけは、10年間、婚活や恋愛に関するコラムや本の執筆活動をしていたにらさわさんが「いつかは結婚すると思っていたけれど、結果的に5年10年シングルライフを続けているという“ふわっとした層”が増えている」と実感したことがきっかけと言います。「結婚をしないかもしれない人が助け合える部分がまだできていないと感じられる中、何かあったときに生活保護や国の政策がうんぬんというハードの面ではなくて、心の絆の部分で助け合ったり支え合ったりする部分を考えておいたほうがよいのかなと思いました」と続けました。

「憧れの女性像」が完璧すぎて……

未婚の男女への取材を通じて「誰かと繋がっていたい、安心がほしい」という声を数多く聞いたというにらさわさん。「ひとりでいる人、結婚していない人の数が増えているだけでなく、非正規の人も増えているし、正社員であっても、会社が寄る辺になっていない人たちが増えています。転職組も多く、正社員の人であっても、ずっと同じ会社で働くわけではなく、明日どうなるかわからないと不安に思っている人たちは予想以上に多いと感じます」と結婚というつながりだけでなく、地縁や社縁という従来あったつながりが薄くなり、寄る辺もなく不安に感じている人が増えていると指摘します。

さらに「特に女の人にはロールモデルや相談できる年長者がいなく、縦のつながりが足りないのかな。今の憧れの女性像って仕事も結婚も両立して子育てもがんばっていて、しかもきれいな人たちなわけですが、完璧な女性すぎて実際に目指せる感じがなかったりする。ちょうどよいモデルが見つからないんです」と現代を生きる女性の生きにくさについても指摘しました。

「不安定さ」の原因は……?

女性に求められるものも多く、気がつくと八方塞がりの状態にも見えますが、そんな女性たちへの処方箋はあるのでしょうか。

にらさわさんは「結婚だけにこだわる必要もないと思います。自分が居心地よい場所だったり、自分が興味があってつながれる人たちとの時間を持っていくことがフィードバックされて充実感につながるのではないでしょうか。不安定に感じる理由は自分が興味を持てることを思い切りやれていないから。『これをやらなきゃ』と追われるように暮らす人は多いですが、実はやるべきことなんてそんなにはないんです。もっと自由にしたいことをしていいし、そうしたほうが充実感をもって時間を過ごせると思います」とキッパリ。

また、「自分が居心地がよい場所」を求めるのは「婚活においても同じ」とも。婚活の話題になると、しばしば「市場価値」や「スペック」という言葉でジャッジされ「自分はもう若くはない」という現実に打ちのめされるアラサー女性も少なくありませんが、にらさわさんは「たくさんの人と会っていけば、この人は自分に合う、合わないというのがわかってくる。自分のライフスタイルや価値観を知っていくのが婚活。決して婚活は選別されるということではない」と言い切ります。

「絆」のカタチはいろいろ

「30歳まで生き抜いたということは、個性もサバイバル能力も才能もちゃんとあるということなんです。自分に自信を持って大丈夫。本のタイトルにもある通り、今や未婚が当然の時代。卑屈に思う必要はないです」とアラサー女性にエールを送りました。

「何が“絆”かは好み。絆の種類ってどうでもよくて、自分がその瞬間に興味が持てて楽しいと思う何かに精力を注げれば何らかの絆ができあがって、自分が居心地よいなと感じられる時間ができていくものだと思う。愛につながって恋愛や結婚につながる場合もあるし、そうではないつながりもある」と自分が興味を持てることにエネルギーを注ぐことの大切さを繰り返すにらさわさん。「婚活やらなきゃ、勉強やなきゃってとらわれないで、自分が楽しいって思うことを1時間でもやってそれを積み重ねていけば道は開けてくると思います」と力を込めました。

にらさわあきこさんプロフィール

NHKディレクターとして海外紀行番組や人気スタジオ番組などを多数手がけた後、フリーに。女性の幸せな生き方を追求し、恋愛・結婚・美容などの分野で取材・執筆活動を行う。著書に『必ず結婚できる45のルール』『婚活に疲れたあなたへ』(共にマガジンハウス)、『婚活難民』(光文社)などがある。

■『未婚当然時代~シングルたちの“絆”のゆくえ~』

出版社:ポプラ社
著者:にらさわあきこ
定価:842円(本体780円+税)
発売中 

 

 

https://www.poplar.co.jp/korekara/shinsho/010327.html

 

 

(堀池沙知子/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2016年04月06日に公開されたものです

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