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【愛の作法】恋人だってひとりの人間。遠距離を“免罪符”に責めるのはNG

川崎貴子

朝井麻由美

せっかくお付き合いをするのなら、短命恋愛ではなく長続きする関係を築きたいものですよね。では、今付き合っている彼との関係をよくしていくには? 女性の裏と表を知り尽くし、これまで1万人以上の女性をフォローしてきた、「女性マネージメントのプロ」の異名をとる川崎貴子さんが、世の女性のお悩みを一刀両断!

恋愛は、はじめるよりも続けるほうが難しいとはよく言ったもの。彼氏ができるまで以上に、彼氏ができてからのほうが悩みは尽きないかもしれません。そこで、彼と付き合っていくうちに出てくるお悩みの中から、多くの女性が経験するテーマをピックアップ。第3回目は、「彼と遠距離恋愛で不安がいっぱい」というお悩み。会えなくて寂しいと、彼から愛されているのか自信がなくなってしまいそうです。長くお付き合いを続けるには、どうすればいい? 婚活アドバイザーとしてあらゆるメディアに引っ張りだこの川崎貴子さんが、ズバッと回答します!

■悲劇のヒロインになるべからず

遠距離恋愛の何が恐ろしいって、彼と会えない、不安、寂しい、その気持ちが膨れ上がって「悲劇のヒロイン」が誕生してしまいやすいことなんです。恋愛中の、本来ならば幸せな高揚感に包まれる時期に、疑心暗鬼になったり、彼と無駄に喧嘩してしまったり。「私ってかわいそう」という前提で繰り広げられる恋愛は、彼も自分自身も消耗させます。

まずは前提から再確認していきましょう。遠距離恋愛は、誰かに無理強いされてやっているものではないですよね。遠距離恋愛という選択をしたのは、ほかでもない2人なわけです。そして、その道を選んだことの責任は自分自身にあります。責任、と言ってしまうと大げさかもしれませんが、事実として、遠距離恋愛をしなければならないとわかった時点で付き合わない、別れる、の選択肢もありますよね。それでも付き合うことを選んだんです。まずは、これが大前提であると意識して下さい。この大前提が崩れてしまうと、冒頭でお話しした「悲劇のヒロイン」になって消耗してしまうんですよ。悲劇のヒロインになると、遠距離恋愛で生じる不安を、ついつい誰かや何かのせいにしてしまいます。「“彼が”こんなに私を寂しくさせる」、「“仕事が”あるせいで全然彼と会えない」とかね。

今のこの状況は、彼のせいでも、仕事のせいでもなく、自分の選択。こうやってほかの何かのせいにしてしまうことが、遠距離恋愛でのNG行動に繋がり、ひいては2人の関係を破綻に向かわせる大きな要因にもなり得るんです。

■遠距離を免罪符にしてはいけません

恋愛はとても強い感情を生むものだから、普段じゃやらないようなことまでできてしまったりします。ただ、いくら恋人関係といえど、基本は人と人との人間関係。このことを恋愛中はスポーンと忘れ去ってしまいがち。遠距離恋愛は舞台設定的にそれにターボがかかりやすいのです。遠距離というのを免罪符に、突然彼の家に押しかけたり、真夜中に突然来いと言ったり、ずっと電話越しで泣いていたり。それを、「だって私、寂しいんだもん!」、「だって遠距離なんだから!」、「だってあなたが寂しくさせるから!」と正当化しはじめると危険な兆候です。寂しくてかわいそうな私には、こういうことをする当然の権利がある、という免罪符を得ると関係性はお互いしんどいものなります。

■刹那的な恋愛を楽しむのもひとつの形

会いたい、寂しい気持ちを一切伝えたらダメというわけではありません。けれど、無理してでも来てくれるのが愛だの、相手の予定も考えずに押しかけるのが恋だの、そういうのはちがいますよね。結婚したいわけではなく、刹那的に今この恋愛に全力投球してのめり込みたいんだ! と思っているのでしたら、好きなだけドラマティックに、ロミオとジュリエットばりの情熱でぶつかり合っちゃって下さい(笑)。それだとなかなか結婚には至れないかとは思いますが、それはそれで恋愛のひとつの形であり、醍醐味だと思います。

■未来に向けて問題解決をせよ

結婚を目標としているのならば、悲観的にならず、もっと未来に向けての話をしていくのがいいかもしれません。「2年後にこういうところに住みたいね」とか、「私もあなたのいる地域で転職できるように今、資格を取ろうと思っているんだ」とか。遠距離は、彼だって不安なのは同じ。そんな彼が結婚したい人はどんな女性だと思いますか? 私は、一緒に寂しさを共有している上で共に未来に向かって前向きに生きられる女性だと思うんですよ。人生のパートナーになる人ですからね、問題を前にして不安で泣き崩れている人よりも、どうしたら解決できるかを一緒に考えられる人、問題解決能力の高い人だと思うんです。

■モヤモヤの正体は「過度な期待」

どうしても不安がたまってモヤモヤしてしまったときのルールはただひとつ。メールなど、伝わりづらいツールでモヤモヤを投げるのはご法度。これだけ守るようにしましょう。彼にしてみれば、会えないわ、遠距離先で泣かれてるわ、長文のメールが届くわ、その長文メールの結論もよくわからないわ、イライラがつのる一方。それで、こっちはこっちで返信メールを見たら、あんなに長いメールを書いたのに、返信がたったの2行!? とショックを受けて、誰も得しません。男の人は、結論や要求のない「女心を綴った文章」に対しての読解力はありません。何十行もメールでつらつら書かれても、「一体何が言いたいの?」と混乱して、「そうだね、おやすみ」としか言えないんです。モヤモヤの正体は「過度な期待」。人は、自分が期待した以上のことが返ってこないときにモヤモヤする生き物なのです。

■遠距離恋愛はどうしても向き不向きがあります

ただ実は、ここまで努力しても、実は遠距離は無理な人は無理なんですよね。遠距離恋愛はどうしても、楽観的で細かいことを気にしないような気質が求められます。不安は見つけようと思えばいくらでも見つけだせてしまうから。もしもうまくいかなかったとしても、自分は遠距離恋愛はできない人、とわかるだけでも収穫。そうしたら、次回以降の恋愛では、転勤になっちゃったらお別れしよう、とか、すぐについていくことを検討するのもいいですよね。

恋愛とは、自分を知ること。今後の人生で、自分に向いていることと向いていないことがわかれば、幸せな方向に迷わずに舵取りができるようになります。

<「遠距離恋愛が不安な」女性への愛の作法>

(1)「悲劇のヒロイン」は恋愛を壊す原因

「遠距離だから寂しいもん!」と、私ってかわいそうモードになるのはNG。このモードに入ると、やっていいことと悪いことの判断がつかなくなります。

(2)現在が不安なら、未来に目を向ける

今現在、遠距離であることは変えようがありません。それよりも、今の遠距離という問題を踏まえて、この先どうしていきたいのか具体的に考えてみましょう。

(3)遠距離恋愛に向いているかどうかの自己分析を

どうやっても向き不向きがある遠距離恋愛。自分は果たして向いているのか、彼と会えない時間をたっぷり使って自己分析してみると、先に繋がります。

監修:川崎貴子(かわさき・たかこ
人材コンサルティング会社 ジョヤンテ代表取締役。婚活アドバイザー。女性誌での連載、執筆多数。自身の離婚、再婚、子育て経験を通した説得力のあるアドバイスに、ファンも多い。『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)ほか著書多数。

★次回の更新は、4月8日(金)です。お楽しみに!

(取材・文/朝井麻由美 イラスト/藤本けいこ)

※この記事は2016年04月01日に公開されたものです

川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(KKベストセラーズ)、『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は2万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳の娘を持つワーキングマザーでもある。

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朝井麻由美

ライター・編集者。著書に『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』。
Twitter:@moyomoyomoyo

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