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ちゃんと敬語使えてる? プロが指摘! 働く女性のおかしな言葉11

森川ほしの/OFFICE-SANGA

「言葉の乱れ」が嘆かれる現代日本。「言葉は時代とともに変化していくもの」という考え方もありますが、それでも「さすがに、これはおかしいでしょ!」とツッコみたくなるようなセリフが聞こえてくることも……。特にビジネス上での敬語の間違いは、気になってしまいますよね。

そこで、働く女性たちがこれまでに出会った「おかしな敬語」について聞いてみました。話し方講師・栗原君枝先生の意見・アドバイスとともに、紹介したいと思います。

コンビニなどでよく耳にする、こんな言葉……

・「会計の金額を言うときに『○○円になります』。金額で『なります』っていいのかと思いながらも言っていた」(32歳/その他/クリエイティブ職)

・「『こちらでよろしかったでしょうか』。なぜ過去形?」(32歳/医療・福祉/専門職)

・「『~のほう』」(30歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

・「レジで『~円からお預かりします』と言われること。『~円から』が気になる!」(31歳/医療・福祉/事務系専門職)

街のいたる所で耳にする「バイト敬語」。「もう、アリでしょ」という空気も漂っていますが……やはり違和感はありますよね。栗原先生も、「いわゆる『バイト敬語』と呼ばれるような言葉は、やはり正しい敬語とは言えません」といいます。

「たとえば「なる」というのは、「信号が赤になる」のように状態の変化を表す言葉。「○○円になります」と、金額に使うのは違和感があります。無理に難しい敬語を使おうとすると、こういった不自然な表現になりがちなので、できるだけシンプルな言葉遣いを心がけましょう」(栗原先生)

へりくだりすぎてむしろイヤミ!?

・「『お会いさせていただいた』と芸能人が言っているのを聞いて、あっているの? と疑問に思っている」(32歳/金融・証券/営業職)

・「『お名前頂戴できますか?』という言葉。名前はあげられない」(28歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

「いただく」というのはとても便利な謙譲語ですが、「使いすぎると不自然だったり、かえって嫌味な印象を与えてしまったりすることもあります」と栗原先生。この「いただく」には相手から受けた恩恵に対して感謝するという意味が含まれているとのこと。

「『会ってもらえて、そのことに感謝している』と考えると、『お会いさせていただいた』は間違いとは言い切れません。しかし、聞いた人が違和感を覚えることも多いようですし、『お会いした』の方がスッキリしていていいかもしれませんね」(栗原先生)

「させていただきます」の連発は、意識して避けた方がいいかも?

敬語のつもり? オンタイムはNG

・「『◯◯っすよね~』と、ちいさい『っ』が入るのはおかしいと思う。きちんと『です、ます』を使うべき」(31歳/医療・福祉/秘書・アシスタント職)

・「『~ますです』。不思議な敬語だった」(30歳/医療・福祉/専門職)

・「『なるほどですね』と言われたときには、『ん?』となった」(32歳/その他)

「◯◯すよね~」は、正しい敬語とは言えませんね。筆者は、「あざ~っす!」も非常に気になりますが、「やはり、そこはきちんと『です』『ます』と言うべきところ」と、栗原先生も指摘します。

「また、『あたし』や『あっち、そっち、どっち』なども、敬語が必要な場面にはふさわしくありません。『わたし』、『あちら・そちら・どちら』と言えるように心がけましょう」(栗原先生)

もはや意味不明……

・「主語が自分でも『おっしゃる』って使う人がいた」(33歳/医療・福祉/専門職)

・「何に対しても『御(お)』をつければ丁寧になり、敬語になると思っている後輩」(32歳/医療・福祉/専門職)

・「『○○でございますでしょうか』。意味がわからないと思った」(28歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

謙譲語や尊敬語、さらに丁寧語が入り乱れて、なんだかもう、ワケがわからなくなっている人をたまに見かけますね。

さらに、「『お茶』や『ご飯』など、単語の頭に『お』や『ご』をつけて美化語としますが、何にでもつけてしまうと、かえって下品な印象になります」と栗原先生。特に「おビール」や「おソース」のように外来語につけると不自然な場合が多いため、要注意です。

正直なところ、筆者も本当に正しい敬語が身についているかどうかあやしいものです。せめて、「アイツの敬語はおかしい」と言われない程度には、きちんと勉強してマスターしておきたいと思います。

(森川ほしの/OFFICE-SANGA)

※『マイナビウーマン』にて2015年9月にWebアンケート。有効回答数132件(22~34歳の働く女性)
※画像は本文と関係ありません

※この記事は2015年10月07日に公開されたものです

森川ほしの/OFFICE-SANGA

大学で美学を学び、「美とは何ぞや」生涯この問いと向き合っていくことを決意。言葉、人、恋愛、社会など、さまざまものの中にある「美」を求め、フリーライターの道へ。マイナビウーマンで恋愛、マナー、話し方などに関するコラムを担当。

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