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【働き方ラボ Part4】女性も男性も働きやすい労働環境のために! 有給取得率アップの工夫とは

永島朱紗

女性と仕事との関わりは十人十色。私らしい働き方、私らしい生き方を模索するイマドキ女性たちに、識者の見解や企業の取り組みを通して、女性を取り巻く社会環境を読み解きます。

「『くるみんマーク』は、ママをサポートしようという目的だけのものではありません。今の日本は少子化の問題に直面していて、次世代を担う子どもが減っている。社会全体でそういった社会問題を考えていかなくてはならないということは、企業だってその社会問題に対する責任を背負うということですよね。だからママたちの待遇をよくするだけではなく、男性社員や子育てをしない社員に対しても同じように働きやすい労働環境を提供していかなくてはならないと思っています。労働環境をよくしていくことは企業価値を高めることで、『くるみんマーク』取得はその過程のひとつです」(永島さん)

「くるみん」認定証を持つ人事総務部の永島朱紗さん

女性が出産によってキャリアを中断されてしまう背景のひとつには、長時間労働の常態化があると指摘されている。日本には昔から残業が美徳という風潮があったが、労働時間が短くなり、能力で評価されることが当たり前になれば、復帰後に時短勤務となる場合が多い女性たちが肩身の狭い思いをしなくてすむ。

ホテル日航東京が取り組んでいるのは、有給休暇取得率の向上だ。ホテル業界はお客様の都合が第一というサービス柄、全体的に有休取得率が低くなる傾向があるという。ホテル日航東京が、男性の育休取得率アップとともに目指しているのは有休取得率の向上だ。

しかし、「有給を取得しよう」とかけ声をかけても、なかなか取れないのが日本人ビジネスパーソン。休みを取ってもらうために、全社員の休暇計画表をリスト化することをはじめた。昨年4月からは3日間の「アニバーサリー休暇」付与も決めた。取り組みをはじめてから、休暇日数の平均は増加したという。

「会社がどういう目標を掲げているか、どうしてその目標を掲げているかを社員に伝え続けたからこそ、休暇の取得率もアップしたと思います。育休を取得する社員を受け入れる側も、どんどん意識が変わって、それに連れて育休からの復職者もまた増えていくと思います」(永島さん)

単に「ママにやさしく」ではなく、会社全体で「働きやすさ」を追求すること。それがこれからの働き方のために、大切なことなのだろう。

【最初から読む】ホテル日航東京の取り組み、復職を目指すママにマニュアルと個別面談で対応

(マイナビウーマン編集部)

※この記事は2015年09月19日に公開されたものです

永島朱紗

2002年、株式会社東京ヒューマニアエンタプライズ(ホテル日航東京)入社。料飲部、婚礼営業部を経て、2010年より人事総務部にて勤務。主担当である労務管理をベースに、スタッフの健康管理支援、 ワークライフバランス推進業務に従事。※ホテル日航東京は2015年10月1日(木)より「ヒルトン東京お台場」に生まれ変わります。

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