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もし一生「おひとりさま」の場合、どれくらい備えておけば安心?

ヨダヒロコ/六識

風呂内 亜矢

編集部 しぃさんは現在、月4万円ずつ貯蓄しています。年間48万円貯蓄できるとして、社会人になった22歳から定年の60歳まで続けられたら、48万円×38年間=1,824万円貯められる計算になるので、ひとつの安心材料になるかもしれません。それとは別に「おひとりさま」対策となりうる貯蓄もするべきですか?

風呂内 ひとつあるとすれば、お葬式代でしょうか。お葬式代は200万~300万円ほどかかると言われていますので、自分になにかあった場合に親や兄弟・姉妹に迷惑をかけたくないのであれば、確保しておきたいですね。すでに貯められているなら問題はありませんが、何も準備していないのであれば、200万~300万円程度の死亡保障が付いた保険に入るのも一案です。

編集部 今、「保険」という言葉が出てきましたが、「おひとりさま」が、貯蓄以外で意識しておきたいポイントがあれば教えてください。

風呂内 将来への不安から複数の保険に入る人もいますが、実は、かけすぎてしまっているケースのほうが多いんです。しぃさんのように正社員の未婚女性は、貯蓄に重きを置くことをオススメします。先ほどの死亡保障という観点で探すなら、将来、年金も受け取れる個人年金にひとつ入ってもいいかもしれません。1年間の保険料が8万円までが所得控除の上限額なので、その範囲内で探すようにしましょう。

編集部 しぃさんは資産を形成するうえで「投資」も気になっている様子です。それについてはいかがでしょうか。

風呂内 今は仕事をしていて毎月コンスタントに収入のある生活が送れていますが、退職すれば“取り崩し”の生活に変わります。貯蓄がどんどん減っていくのが怖いと思う人は多いので、そういう意味では、投資をするのは大いにアリです。しぃさんはまだ28歳で、これからも長く働く可能性がありますので、多少目減りしたとしてもリカバリーしやすいメリットがあります。長く投資をしていればコツもわかってきますから、まずは少額からチャレンジしてみても。

また、定年して収入がなくなる怖さをカバーしたいなら、60歳以降も何かしら収入を得られるような術を模索しても。IT関係に強ければアフィリエイトを試してみるとか、手先が器用ならアクセサリーを売ってみるとか、あくまで本業を疎かにしない前提で、そういったスキルをあげていくという選択肢もありますよ。

編集部 ちなみに、おひとりさまを意識したときに知っておきたい国の制度などはありますか?

風呂内 会社員であれば「傷病手当金」(連続する3日間を含み4日以上会社を休んだ場合、標準報酬日額の2/3が最長1年6カ月支給される制度)が健康保険から支給されますし、ケガや病気などで万が一就労できない状態になってしまった場合は、公的年金から「障害年金」を受け取ることができます。ただし、それらだけで「おひとりさま」の生活をすべてまかなえるかはやや不安なので、やはり貯蓄だけはしっかりしておきたいですね。そして何より、健康に留意すること。これに尽きます。同じお金を使うのでも、治療に達する前の段階=予防に比重をおくようにしましょう。

◆今回のおさらい
・健康がいちばん! ということを前提に暮らしつつ、投資や保険に目を向けてみても
「おひとりさま」にとって怖いのは、ケガや病気で収入が途絶えること。まずは健康でいることに気をつけながら、老後に必要なお金を着実に貯めていきましょう。また、もし一生「おひとりさま」になった場合でも十分な生活を送るため、家計は現状維持をキープしたいものです。そのうえで、定年を迎えても収入のある生活を望むなら、リカバリーしやすい投資を今からはじめたり、年齢を重ねてもできそうな副業への道筋を見つけたりするのも手です。さらに「おひとりさま」対策として、お葬式代の確保も課題のひとつ。余分に貯蓄するのが困難であれば、死亡保障のある保険を探すなどして、安心を手に入れても。

(取材・文:ヨダヒロコ/六識)

※この記事は2015年08月26日に公開されたものです

ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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風呂内 亜矢

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディア実績も多数。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた! 自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』、『その節約はキケンです』がある。
●公式サイト:http://www.furouchi.com/

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