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症状別・貧血の原因と効果的な漢方薬

鉄欠乏性貧血以外にも貧血の種類がある!?

病院へ行くほどではないけれど、たびたび貧血の症状に悩まされているという人は多いのではないでしょうか。貧血にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは鉄欠乏性貧血。しかし、このタイプにあてはまらない人もいます。その場合は? 霞が関ビル診療所の丸山綾先生にお話を聞きました。

まず、鉄欠乏性貧血について。血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが減少することで起こるもの。鉄分が不足するとヘモグロビンがつくれず、ヘモグロビンが少ないと十分な量の酸素を運べなくなってしまいます。ですから鉄欠乏性貧血の場合、鉄分の錠剤などを処方されることが多いのです。しかし、なかには鉄欠乏性貧血ではない人も。

「血液を調べたときにHb(ヘモグロビン)の量が正常だと、それ以上鉄分を摂取しても意味がないため『処置なし』と言われてしまうことがあります。西洋医学の場合、こういう症状だと処置できないことが多いのです」(丸山先生)

そこで漢方薬の出番。東洋医学で貧血は「血虚(けっきょ)」という症状です。

「慢性的に血液や栄養分が足りないのが血虚です。血虚になりやすい体質の人は、爪が割れやすい、もともと爪が薄い、手足が乾燥しやすい、切れ毛や白髪が多い、といった特徴がある場合が多いです」(丸山先生)

症状別・貧血に効果的な漢方薬

それでは血虚に用いる漢方薬とは? 代表的なものも含め、3種類を紹介していただきました。

四物湯(しもつとう)

……血虚に用いる代表的な漢方薬。貧血のほか、月経不順や冷え症、肌のシミなどの症状に用いられる。

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

……血虚の中でも、出血を伴う症状(不正性器出血、痔出血、過多月経)があるときに用いる。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

……婦人科三大処方と言われる漢方薬の一つで、女性に起こりやすい症状によく処方される。血虚の中でも水毒(むくみなどの症状)が見られるときに使う。

これらの漢方薬に共通するのは補血剤であること。字の通り、血を補う漢方薬なのです。冷え症の場合は血の巡りが悪いことが考えられますが、貧血はそもそも血が足りない状況。ですから、補血することが重要です。

貧血におすすめの食事

「また、貧血の際には黒と赤の食材を食べるといいと言われています」と丸山先生。

たとえば、黒ゴマ、黒豆、ひじき、黒きくらげ、ドライフルーツ、プルーン、レバー、赤身肉、ナツメなど。足りていないかも、と思ったら積極的に補うようにしましょう。

「ツラいけど、病院へ行くほどではないかも」「健康診断で『貧血気味』と言われたけど、鉄分不足ではないみたい……」という人は、一度漢方外来を訪れてみてはいかがでしょうか。

(取材協力:丸山綾、文:マイナビウーマン編集部)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年08月03日に公開されたものです

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