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【新連載】元彼と友人の結婚式。懐かしいあのころの思い出が蘇ってきて……

Story3 ★罪と罰則

わたしは、恨まれて当然とあきらめていた。
当時は、樹が好きで仕方なかったのだ。
この人といっしょにいるためなら、
友だちを裏切ってもいいと思うくらいに。

それでも……宏太が響子のことを、
時間かけ、誠意を持ってなぐさめるうちに、
いつの間にか響子と宏太は、
おたがいのことを好きになったらしい。

今でもおぼえている。
響子が宏太と付き合うことが決まった日。
「彩乃のことは、しかたないから許してあげる」
とメールで笑顔の絵文字が送られてきたのを。
わたしは泣いた。
悪いってわかっていたし、許されなくて当然、
と思っていたけれど、
やっぱり許してほしかったんだ。
響子が大好きだったんだと思い知らされた。

それから豊かで濃く楽しい時間が駆け抜け、
わたしたちは就職のために毎日駆けずり回り、
大学を卒業して、社会人になった。

すると不思議にもあれほど好きだった樹が、
会うたびに色あせて見えるようになった。

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