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小説 2人の道の向こうに

見下されてる? 彼に言われたほめ言葉が心に引っかかって

ビールがカラになるころになって、
要さんがハッとしたように言った。
「ごめん、愚痴になっちゃった。
今度は、明莉さんの話を聞かせてよ」
うながされるままに、照明の新規プロジェクトの話をした。
「へえ、明莉さんって、かわいいだけじゃなくて、
仕事もデキるんだね」

かわいいとほめられたことに浮かれつつも、
なんとなく見下されたような気がして、
少し不快な気持ちがわきあがった。
仕事ができない女に見られていたのかな。
それとも、私自身、仕事に自信がないから
そう受け取ってしまうだけなのかな。

串揚げはおいしかった。
「お腹がいっぱいになったら、ストップをかけてください」
と言われていたけれど、言い出しにくくて最後まで食べた。
最後は少し無理をしたせいか、
店を出るころには気持ち悪くなってしまった。
だから、帰り道で要さんが話しかけてくれても、
気の利いた受け答えができなかったように思う。
要さんが気を悪くしていないといいけど……。
JRと地下鉄の間で「じゃあ、また」と別れたとき、
要さんはあきらかにつくり笑いをしていた。

要さんに会うのがあんなに楽しみだったのに、
お土産をもらってすごく嬉しかったのに、
電車でひとりになると、泣きたいくらい寂しくなった。

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