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小説 2人の道の向こうに

嘘……! 海外出張の最中、私を気にかけてくれていたの?

要さんのあとに続いてのれんをくぐった。
串揚げと聞いてテンションが下がったけど、店内が恵比寿らしい
シックでおしゃれな雰囲気だったことにホッとする。
カウンターに並んで座り、ビールを2つ注文した。
「おまかせでいいかな」
「あ、はい」
「それと、これ、忘れないうちに」
要さんがくれたのは、包装紙のない箱だった。
チョコレートらしい写真がプリントされている。
「トルコのお土産」
嘘……! 嬉しい。
忙しい海外出張の最中に、私のことを気にかけてくれたなんて。

私もピエールマルコリーニのチョコレートを要さんに渡した。
「バレンタイン、だいぶ過ぎちゃいましたけど」
「うわ、嬉しいな。もらえると思ってなかった」
要さんの笑顔を見て、幸せな気持ちになった。
ああ、やっぱり私はこの人のことが好きなんだ。

1本ずつ皿に乗せられていく串揚げを食べながら、
トルコ出張の話を聞いた。
「毎日、取引先との会議で、観光なんて全然できないんだ」
「システムの仕様は折り合いがついてめでたしと思ったら、
そこからの価格交渉が難航して。もううんざりだったよ」
「トルコ料理はおいしいけど、続くと飽きるよ。
トマト味よりしょうゆ味が恋しくてさ」
なんか愚痴っぽい話が多くて、楽しくない。

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