「自意識過剰」と「自己顕示欲が強い」と「承認欲求」の悪循環が悲劇を生む
自意識過剰で、自己顕示欲が強いっていうと、なんとなく自分本位の自信満々な人を想像しませんか? 反対に承認欲求が強いっていうと、なんとなく「自分がない」弱い人を想像しますよね。ところが承認欲求が強い理由は、自意識過剰で、自己顕示欲が強いから……なんてこともあるんです。
実は、この3つがそろうとストレスが増え、幸せになりにくい悲劇の悪循環を生み出します。そして簡単には抜け出せません。まずは悪循環の仕組みを知り、今すぐ断ち切る方法をお伝えしましょう。
1)「自意識過剰」から「自己顕示欲が強い」へ
他人から自分はどう見られるのか? いいも悪いも気になるものです。多少気になるくらいなら問題ないのですが、過剰に気になるとストレスになります。自分を好きすぎるもの、自分を嫌いすぎるのも結局は自意識過剰。自分のことばかり考える時間が増えてしまいます。
他人とかかわることよりも、他人が自分をどう見るかに興味があります。要するに興味の対象は自分だけです。実際に他人とかかわれば自分が他人からどのように見られ扱われるのかを知ることができます。他人が自分をどのように扱うのかをいくら想像してもわかるはずがありません。何しろ他人とはたったひとりの人ではなくていろいろな人がいるのですから。いろいろな人とかかわることを妨げてしまう自意識過剰が、自己顕示欲を強めていきます。
自己顕示欲とは「認められたい」という気持ち。あなたは自己顕示欲が強い人? そのレベルを10の質問から診断します。
2) 「自己顕示欲が強い」から「承認欲求」へ
人前に出て目立ちたいと思っているわけではないですが、それでも自分の存在をもう少し誰かに知らせたいと思います。この気持ちは誰にでもあります。でもそう思ったからといって思うように行動できるわけではありません。
残念なことに目立ちたい気持ちがあればあるほど、目立てない自分はダメだと誤解します。自意識過剰で自分への興味が強い分、他人とかかわることに消極的です。もしかすると自分から他人とのかかわりを避けている場合もあります。なので目立つ存在になるはずがないのです。自分から目立てないので相手への期待が増します。受け身の感情になります。それがまわりの人に承認されたいという欲求につながっていくのです。
3) 「承認欲求」から悪循環へ
自分で自己顕示欲を満たす行動ができないので、他人からの承認をひっそりと期待します。これまでに他人とかかわる経験が少ないので、わかりやすい言葉や態度で示されないと、承認されていると思えません。実際は一人ひとり言葉や態度の表現方法は変わります。時と場合に応じてもかなりちがうはずです。
仮にわかりやすい表現をされたからといって、それは特別すばらしいからではなく、そう表現する人だっただけ…ということもあります。でもそれらの見極めも他人とかかわる経験が少なければわからないのも当然です。
承認されていたとしてもそれがわからなかったり、特に承認されたわけでもないのにありがたがったり。また自分だけに向けられた承認でなかったと思うと、裏切られた、傷つけられたと思ってしまいます。こうしてさらに自分が他人からどのように見られるのかということに強い関心が向きます。
4) 悪循環から抜け出すためにはまずはここから
結局一巡して自意識過剰をさらに強めるに過ぎません。このような悪循環を抜け出すためには、自分にばかり目を向ける考え方や行動から抜け出し、他人とのかかわりにも興味・関心を持ってみる必要があります。そこでまずはあなたが誰かの承認欲求を満たしてみましょう。そのためにも、ほんの少し勇気を出してまわりの人とかかわってみましょう。相手を知っていこうとすることがポイントです。興味を持って話を聞いたり、見たりしていることで、相手の考え方や行動がわかります。具体的な事柄を挙げ、共感したり、賞賛したりしてみましょう。
羽林由鶴からのメッセージ
承認欲求が強い人には、まわりの人の承認欲求を満たしてあげることをおススメします。あなたによって承認欲求を満たされた人は、今度はあなたの承認欲求も満たしてくれますよ。
(羽林由鶴)
※この記事は2014年03月06日に公開されたものです