お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

もしもUFOに乗ったら「100mを毎秒1往復ジグザグに移動すると10トン近い力を受ける」

アメリカ中央情報局(CIA)が、エリア51の存在を認めた。エイリアンやUFOの研究がなされているという噂の決着には至らなかったものの、長年の謎が明かされる第一歩と言えるだろう。

【もしもセメントを浴びてしまったら「絶対水を浴びてはいけない」】

もしもUFOに乗ったらどうなるのか? 定番のジグザグ飛行が実現できたら、強靭(きょうじん)な肉体を持ったパイロットでも失神するハメになりそうだ。

謎の真相・U-2

エリア51はアメリカ・ネバダ州にある空軍基地で、新潟/秋田県に匹敵する12,139平方kmの広大な敷地を誇る。新兵器の開発、UFOや地球外生命体の研究がなされているなど多くの噂があり、これを題材にしたドラマや漫画も数知れない。

CIAが機密指定を解除したのもエリア51という名称の基地が存在することだけで、地図アプリにも表示される基地の公然の秘密が認められたにすぎない。

エリア51にUFO関連の噂が多いのはなぜか? もっとも有力なのは高高度偵察機U-2のテスト飛行だ。U-2は対流圏を超えて18~25kmもの高高度飛行が可能で、たとえ見つかっても通常の飛行機では追いかけることができず、地上からも攻撃されにくい。

離陸するとほぼ垂直に上昇すること、機体の判別ができないほどの高度を飛んでいたことがUFOと勘違いされた理由の定番だ。現在なら機影が分からないほどの旅客機が飛んでいても驚きはしないが、半世紀前に18km以上の高さを飛ぶ航空機など、想像しえなかったのだろう。

UFOの特徴を整理してみよう。未確認飛行物体の略称だけに「これがUFOだ」という資料はないので、映画や通説をもとにすると、

・光る

・空中で静止する

・傾かずに曲がる

・ジグザグに飛ぶ

といったところか。光は照明を積めば良いし、ハリアーやF-35のような垂直離着陸機なら空中静止も可能だ。対して、傾かずに曲がるのは飛行機の構造上困難だし、直線的にジグザグに動くのも不可能だ。

つまり、これらの定説をもとにUFOを作るなら、飛行機ベースではムリだと分かる。

真実はそこにある

UFOを作るなら、ジグザグの動きはぜひとも欲しいところだが、反復横跳びのような動きはどうすれば実現できるのか? まずは空中に静止できるよう、垂直方向の推進力を手に入れる。次期主力機と名高いF-35ライトニングIIのように、たとえ飛行機でもエンジンを下向きにすればその場にとどまることは可能だ。

次に機体の全周に噴射装置を取り付け、どの方向にも移動できるようにする。結果的に円盤型が最適で、これでUFOもどきが完成だ。

高度によって見える大きさが異なるので、すぐに自分の何倍移動できるかで考えることにしよう。F-35の全幅をもとに直径10mとし、自体の10倍の幅100mをジグザグ運動すれば、きっとUFOだと気付いてくれるに違いない。

100mを毎秒1往復と仮定し、まず0.5秒で右に100m移動しよう。そのためにはさらに半分の0.25秒間加速し0.25秒で減速し静止すると、加減速度G値は163.2Gとなり、体重60kgの人なら10トン近い力を受けることになる。

移動しはじめの速度を高め0.5秒すべてを減速に使うと仮定しても81.6Gとなるし、初速度は800m/秒でロケット噴射でも間に合わない。大砲のように火薬を使えば何とかなるかもしれないが、マッハ2.4で動き始めて0.5秒後に停止では、パイロットは全身ムチ打ち確定だ。

離れた場所でも識別できるように1,000m幅を往復するなら、初速度マッハ23.5、片道で受けるGは815.8Gなので、人間はおろか機体がもたない。

これがUFOだ!とジグザグに動くたびに衝撃波が発生する。騒音問題に発展しかねないので、続きはネバダの砂漠でおこなうのが良さそうだ。

まとめ

100m幅を毎秒1往復するだけでも衝撃波が生じることが分かった。マッハ・コーンも生まれ、あたりは雲だらけになるに違いない。

宇宙の95%は解明されていない暗黒物質/エネルギーが占める。これが宇宙を膨張させる斥(せき)力で、UFOの動力との話も聞くが、大気も退けて衝撃波を生まないのか、ぜひとも試してみたい。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年01月31日に公開されたものです

SHARE