「あなたのため」と口癖にしている人の心理とは?「現実逃避」
「あなたのために思ってやっているのよ!」「あなたのためなら何だってできる!」などといったように「あなたのため」という表現を用いた言葉は比較的よく聞くもの。しかしこれがあまりにも多いようなら、相手は少々おせっかいに感じてしまう可能性もあります。そこで今回は「あなたのため」が口癖になっている人の心理状態に迫ってみましょう。
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「同一視」であなたの考えはお見通し!?
精神分析の用語のひとつに「同一視」というものがあります。これは憧れを持つ相手などに対して自分を重ね、あたかもその相手が自分であるかのような振る舞いや行動をとり、本来の自分の性格そのものを相手の性格に置き換えてしまうことを言います。相手となるのは友人や恋人、子供といった身近な存在もあれば有名人、架空のキャラクターであることもあります。
「同一視」が頻繁に行われると自分本来の性格が失われてしまい、複数の相手の性格が入りまじった状態になります。劣等感のある本来の性格を憧れの性格でうめつくすことで、自身の精神状態を正常に保とうとしているのです。ただしこれは相手の表向きの性格をまねているだけに過ぎず、本来の相手の性格とはまったく異なるもの。よってお互いの考え方や価値観に違いが生じることで、相手にはおせっかいだと思われてしまうのです。
私はあなた! 思い込みによる「防衛機制」
「防衛機制」とは自分を守るためにとる行動であり「同一視」もそのひとつといわれています。例えば日常的にストレスにさらされている人が架空のキャラクターに自分を重ねることで現実逃避する、恋人にもっと愛されたいと思っている人が恋人に自分を重ねる、といった具合です。もちろん多少のことであれば多くの人が同じような経験をしたことがあるかもしれませんが「あなたのため」が口癖になるということはその言葉自体が「防衛機制」であり、自分の精神状態を保とうとしているのです。
価値観を押し付けようとするがあまり、トラブルになることも
「あなたのため」で精神状態を保っていた人が、その相手から否定されるようなことを言われた場合は激しく動揺してしまうはず。自分の価値観=相手の価値観と思い込んでしまっているため、自分の考えに不安を感じて精神状態が不安定になるのです。場合によっては激しく泣いたり怒ったりと手がつけられなくなる可能性も。
たまに言われるのならつい嬉しくなってしまう言葉も、あまりに多すぎれば不快に感じてしまう場合もあります。もしあなたに「同一視」の傾向があるようなら、自分の好きなことや楽しみを他に見つけ、他人にたより過ぎない行動を心がけるようにしてみましょう。
※この記事は2013年11月29日に公開されたものです