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天才の陰には、未完成のまま終わった恋がある

(C) 2013「利休にたずねよ」製作委員会

妻としての魅力は、相手に負担を
かけない、気働きの大切さ

 

宗恩の魅力は細やかな気働き、という中谷さん。

「それも相手に負担をかけずに気働きができるというのは、ある意味、すべてのサービス業に従事する方のお手本のような女性だとも思うんです。私自身はまだまだ未熟で、宗恩さんのように達観することもなく、自分自身もがいている最中です。ですので、宗恩さんのお気持ちを表現するというより、体の中から心の中から、表情からにじみ出るようにというのは常に心がけてきたつもりです」

海老蔵さんが演じられた利休の魅力について、中谷さんは「難しいですね」と言いつつ、「わき目もふらずお茶、そして己自身の心と向き合っている」と表します。

「とはいえ、その利休さんというのははたして450年後の今、私たちが考えているような茶聖としてまつられる方ではなく、本当は大きな矛盾を心に抱えていたのではないでしょうか。苦しみや悲しみ、怒り、そういったものを全部マグマのように抱えていらしたんじゃないかなって……。私の個人的な見解ですけれども。決して聖人君子ではない、人間らしさ。それも利休さんの魅力なのかな、なんて思います。ひょっとするとこの作品の中に、利休さんの生き方の中に、私たちの未来への答えがひそんでいるかもしれません」


映画『利休にたずねよ』
(配給:東映)


織田信長、豊臣秀吉に仕え、絶対的な美を追究し続けた希代の茶人・千利休(市川海老蔵)。時の権力者たちも畏敬の念を抱いた利休だが、天下一の茶聖として名声を得ていくなかで、太閤・秀吉(大森南朋)の不興を買い、次第に追いつめられ、自ら命を絶つことを余儀なくされる。死を目前にした夫に対して、長年連れ添った妻・宗恩(中谷美紀)は「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは」と語りかける。その言葉に、利休は胸の奥底にしまい込んでいた記憶を甦らせる。美意識を共有し合った信長(伊勢谷友介)との交流、師匠である茶人・武野紹鷗(市川團十郎)との出会い、彼に美というものを教えた若き日の情熱的な恋。走馬灯のように流れていく利休の記憶の旅を通して、日本の美の本質に迫る。

●2013年12月7日(土)より、全国東映系ロードショー

▼『利休にたずねよ』公式サイト
http://www.rikyu-movie.jp/

※この記事は2013年11月25日に公開されたものです

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