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親の対応しだいで、ぐずり・かんしゃくが悪化? 子供の感情表現力を上げる5ステップとは?

“魔の2歳”を迎えるころ、感情をうまく表現できずにグズる、大泣きする、癇癪を起こす我が子に戸惑う親は多いでしょう。その後も「感情を口に出せない」「表現すること自体に尻込みする」と悩むことは少なくありません。

自分の感情を表現できない子供は、感情の認識やコントロールもうまくいかないもの。自分の気持ちがわからなかったり、突発的な行動を起こしてしまうことさえもあります。教育カウンセラーの東ちひろさんに、子供の感情表現力が上げるために親ができることについて伺いました。

1:肯定的に話を聞こう

「聞き流すというより認めるように、肯定的に話を聞きましょう。言っていることを肯定すると、その子そのものの存在を認めることになり、子供の心が落ち着きます」

心の安定なくして素直に感情を表現できないのは、大人も子供も同じ。まずは子どもの話をよく聞きましょう。

とはいえ親も忙しく、つい子どもの意見を聞かずに「~しなさい」「~しないならそれ捨てちゃうよ」と命令して終わり。なんてことも少なくないですよね。

「聞いてもらうことで自信をつけるのが子どもです。親が言って終わりでは、親の自信にはなりますが、子どもは聞き役になってしまい自信にはなりません。また、脅かしたり見捨てるような言葉では、子どもは萎縮したり、すねたり、何も変わらないまま。

一方で話をきちんと聞き、例えば『一緒に片付けよう』などの表現をすれば、子どもの動きも良くなります」

親としての自信をつけるのではなく、「子どもの自信をつけてあげること」に視点を変え、話を聞いてあげましょう。

2:認めることで「関心サイン」を

「『ほめる』と似ていますが、『認める』こと。これは何かできたときにほめるより、当たり前のことを認めることです。『よく食べたね』などよいことだけでなく、『眠そうだね』『今日は疲れてるね』などもです。目に見えていることを言うだけで、その子に関心を持っていることが伝わり、認めたことになります」

ありのままのことを言葉にすることで、関心があるサインになるのですね。

3:スキンシップで安心感を

「抱っこ、手をつなぐ、頭をなでる、添い寝をする……子どもは肌に触れるだけで心が安定し、安心感が出てきます。そうすると、ほかの人からの接触にも物怖じせず、慣れて対応できます」

毎日のスキンシップなら、いつもやっているのでは? 忙しいママにもできるアドバイスですね。

4:じゃれあい遊びで感情の表出を

「表現よりは先に、プラスでもマイナスでも感情自体を出せるようになること。これが特に小学校にあがるくらいまでは大切です。感情を出せなければ、いくら表現しようと思ってもできません。

そのために子どもはくすぐりっこ、お馬さんごっこ、お布団でのりまきを作るなど、体に触れ合いながら遊びましょう。子どもがキャッキャと喜び、感情が表出します。じゃれあい遊びは、実際に感情、思考、自発性などをつかさどる前頭葉も発達します」

泣く、怒るなどマイナスの感情も、まずは十分に表出させてあげること。表出して認識し、十分に感じることで、はじめてコントロールできるようになるのです。

5:話し方を教える

「感情が表出できたら、話し方(言葉の使い方)を教えてあげましょう。例えばオモチャをお友達にとられて泣いていたら、『何で嫌って言えなかったの!』と怒るのではなく、『嫌だったね』と共感し、『どんな言い方があるかな?』『やめてって言えばいいんだよ』と声をかけましょう。言い方をかっこ書きできちんと教えてあげることです」

まだ人生経験の少ない子どもは、言うべき言葉さもわかりません。大人が具体的に教えてあげましょう。

まとめ

こうしてみると、実は親の関わり方のせいで子どものかんしゃくやぐずりを悪化させているとも言えます。けれど、この5つのポイントを押さえれば、「子どもの本来持っている力やメンタルヘルスがアップし、自己肯定感が上がります。そうすると言えば分かるようになりますし、あれもこれも良くなりますよ」と東さん。

もちろん手間ひまはかかりますが、長い目で見れば子どものためにも、親のためにもなります。まずはスキンシップやじゃれあい遊びから、はじめてみませんか?

東ちひろ
幼稚園・小学校教員、中学校カウンセラー、教育委員会勤務を経て、現在は「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。上級教育カウンセラー、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、生涯学習開発財団認定コーチ。
心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で、小学生・幼稚園児の母親と先生のための電話相談をおこない、これまでに1万件以上の実績がある。相談を受けた93%の子どもが状況の改善を行い、不登校児童・生徒の75%が完全に学校復帰。講演会・執 筆活動にも精力的に取り組み、ホームページ( http://www.kosodate-up.com/ )、メールマガジンでは母親と先生に役立つ情報を発信し続けている。
ブログ( http://ameblo.jp/kyouikucoaching/ )

(OFFICE-SANGA 宮野茉莉子)

※この記事は2013年10月08日に公開されたものです

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