腹が据わるとモヤモヤしなくなる!? 心と体の不調をリセットする呼吸法
2)便秘を改善する呼吸
「便秘は“ふんづまり”状態ということ。カラダに良くないのはもちろんですが、見えないからと言ってカラダの中の美しさを意識しないのは品格においてもよくありません。」便秘解消のポイントとなるのが“腸を動かす”ことです。たくさん腸を動かすには、先ほど紹介した「丹田でする呼吸」を早くする次の方法が有効です。
1.パッ、パッ、パッと早く吐く
2.100回を目標に
3)肩こりや頭痛を改善する呼吸
肩こりは、肩の筋肉がこわばっている状態です。呼吸で改善するよりも肩甲骨を動かすほうが手っ取り早い。その方法がこちら。
1.右の肩甲骨を意識する
2.右の肩甲骨を上下に動かす
3.右の肩甲骨を前後に動かす
4.右の肩甲骨を右回し、左回しする
右が終わったら左も同じように動かします。動きはゆっくりやさしくです。
また、頭痛は“頭痛の種”という言葉があるように、苦労や悩みが原因だといいます。気持ちよく息を吐いて、頭の中をすっきりさせるのが大切です。
「気の世界では、息を吐くことを呼気(こき)、吸うことを吸気(きゅうき)といいます。呼吸の神髄は、“気”という生命エネルギーを分量多く取り入れて、からだの中を循環させて、からだの中に溜まっている邪気を吐く息に乗せて外に出すことです。気というエネルギーは、収まるところに収まっていないと身体に悪さをします。頭痛は、頭に気が上がって頭の中に停滞している状態です。丹田で気持ちよく息を吐いて、気を下に下げましょう。」
いかがでしたか? 人は無意識に呼吸していますが、呼吸に意識を向け「意識して吐く」本当にそれだけで、心も身体も変わるのが実感できる。お金も場所も道具も必要なく、誰でも今すぐできるのが「呼吸法」のいいところです。
これを読み終えたらさっそく「お腹から吐く」を実践してみてくださいね。
■加藤俊朗(かとう・としろう)さん
1946 年、広島生まれ。国際フェルデンクライス連盟認定公認講師。厚生労働省認定ヘルスケア・トレーナー。産業カウンセラー。横河電機グループや医療法人などを通して、加藤メソッドのレッスンを全国各地で開催。著書に『呼吸が〈こころ〉と〈からだ〉をひらく―加藤メソッドでラクに生きる』(春秋社)『呼吸の本』(谷川俊太郎氏共著、サンガ)、『呼吸の本2』(サンガ)、『恋愛呼吸』(服部みれい氏共著、中央公論新社)、などがある。日本を代表する詩人の谷川俊太郎氏に10年以上にわたり呼吸法指導をしている。『呼吸の教科書』(中経出版)9月21日発売。
http://katotoshiro.com
※この記事は2013年09月25日に公開されたものです