投資をはじめたいけれど損はイヤ。新制度NISAってお得?
花輪 証券会社のサイトなどを見ても、ほとんどのところがまだ詳細を発表していません。取扱銘柄などがわかり、納得してから申し込んでも遅くないと思いますよ。
編集部 各所で「申し込み募集中!」と聞くと、つい急いで申し込まなければいけないように感じることもありますが、焦りは禁物なのですね!
花輪 そうですね。実は、NISA口座以外にも、売買益や配当金に税金がかからなかったり、所得税の優遇を受けられたりするなど、節税メリットのある投資方法はあります。たとえば、確定拠出年金では、所得税の控除を受けることができます。加入者が拠出する場合、拠出掛金は全額所得控除の対象になるのです。また、財形貯蓄も種類によっては利子が非課税扱いになりますし、外資系企業などでは自社株をディスカウント価格で買えることも。
編集部 ほかにも、お得な制度はたくさんあるんですね。
花輪 あくまで一例ですが、こういった節税効果が高い投資方法を選ぶことで、通常であれば20%の税金がかかるところを払わずにすませることができれば、その分利益をあげたのと同じ意味になります。“安く買って高く売る”というのは、投資のベテランでもなかなか毎回はうまくはいかないものですから、初心者なら尚更。大きく勝とうとすると、かえって損を呼び込みやすくなってしまいます。節税メリットを上手に活用するなど、“負けない努力”が結局はリターンにつながると考えて。
編集部 ではもし、もちもっちーさんのような「損をしたくない」タイプの人が投資をはじめるとしたら、いくらぐらいからスタートするのがいいのでしょうか。
花輪 積立資金の考え方は、その人の性格によります。「絶対に損はしたくない」という人には投資はオススメできません。定期預金など元本が保証されているもので、コツコツ積み立てていくのがいいでしょう。「元本割れリスクはあるけれど、育つ可能性もある」という点に魅力を感じる人は、比較的、損するリスクが少ない投資信託で5,000円~1万円程度の少額からスタートしてみるのがオススメです。
いきなり全力投球は禁物。数カ月かけて投資のペースをつかんで
「まとまったお金ができたら、投資をしてみたい」という相談を受けることがあります。余裕資金を投資にまわすという考え方は◎。ただし、いきなり全額を投資するのは大失敗のもとです。「どれくらいの値下がりに耐えられるか」は資金力はもちろん、性格によっても異なります。少額から始めて、数カ月かけて様子を見ながら少しずつ増額するくらいのペースで考えると、あまりストレスを感じずに投資を楽しめますよ。(花輪陽子)
※この記事は2013年08月27日に公開されたものです