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「お知らせください」は正しい敬語? 意味や言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「お知らせください」とは、相手から連絡が欲しい時などに使う敬語表現です。正しい敬語ではありますが、上司や目上の人には上から目線では? と不安になる人もいるでしょう。今回は「お知らせください」のビジネスにおける使い方や言い換え表現を解説します。

相手に「知らせてほしい」というお願いをする時に「お知らせください」という言葉を使うことがあります。しかし何だか命令しているような感じがして、目上の人に使って良いのか不安になる時はありませんか?

結論から言うと、「お知らせください」は目上の人に対しても使える正しい表現です。しかし同時に、使い方には注意が必要な言葉にもなるのです。

この記事では「お知らせください」の意味や言い換え表現、使う際の注意点について解説していきます。ぜひ参考にしてくださいね。

「お知らせください」の意味とは

「お知らせください」は「お知らせ」と「ください」という言葉から成り立っています。

「お知らせください」の正しい意味を理解するために、まずは「お知らせ」と「ください」それぞれの意味について見ていきます。

しらせ【知らせ/▽報せ】
読み方:しらせ
1 知らせること。また、その内容。通知。「合格の―を待つ」「悪い―が届く」
2 何か事が起こるような兆し。前兆。「不吉な―」「虫の―」
3 歌舞伎で、幕開きや舞台転換などのとき、その合図に打つ拍子木。

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

「知らせ」とは、知らせることや通知のこと、その他には伝えるという意味もあります。「知らせ」に接頭辞の「お」をつけて「お知らせ」とした、丁寧な表現です。

そして「ください」とは「くれ」の尊敬語。相手に何かをお願いする時に使う表現です。

つまり「お知らせください」とは、「ある事を知らせてほしい」「ある事を通知してほしい」を意味する丁寧な表現です。

「お知らせください」は目上の人にも使える敬語表現?

「お知らせください」のように「お~ください」となる謙譲語は、正しい敬語表現。そのため、上司や取引先など目上の人に対しても使える言葉です。

「お知らせください」以外では、「お召し上がりください」や「お座りください」といった表現をすることもありますね。

ただし「ください」は「くれ」の命令形を丁寧にした表現でもあることから、場合によっては上から目線に感じられてしまうことも。やや注意が必要な表現なので、使う相手を選ぶ必要があるでしょう。

「お知らせください」の使い方(例文付)

「お知らせください」は、「ある事柄を知らせてほしい、教えてほしい」という時に使う表現です。

ビジネスシーンでは、会話やメールなどで使用します。

例文


・「何か変更等ございましたら、私までお知らせください」

・「ご来店される時には、前もって到着時間をお知らせください」

・「商品の発送準備が整いましたので、送り先をお知らせください」

・「スケジュールの件で、何か不都合がございましたらお知らせください」

ビジネスシーンではよく使う言葉になるので、会話やメールなどの文書を送る時の例文を参考に活用してみてください。

「お知らせください」を使う時の注意点

「お知らせください」は、上司や取引先、お客様など目上の人に対して使える正しい表現です。しかし使う上ではいくつか注意点があるので紹介します。

(1)「ください」が命令に聞こえる場合がある

「お知らせください」は、基本的には「知らせてほしい」「教えてほしい」というお願いする時の表現として使います。

しかし「ください」は動詞「くださる」の命令形でもあるため、命令されているように感じる人もいるかもしれません。

上司や取引先でも親しい間柄の方に対しては使用しても問題ないかもしれませんが、関係性によっては他の言葉に言い換えた方が良いでしょう。

(2)「お知らせ下さい」と表記しない

ひらがなの「ください」と漢字の「下さい」は、意味や用法によって使い分ける必要があります。

「下さい」と漢字を使うのは、「電話を下さい」「返事を下さい」など、動詞として用いる場合。

一方で文化庁が定める公用文のルールでは、「お知らせください」や「お伝えください」のように補助動詞として用いられる場合には、ひらがなで表記することになっています。

メールや文書で使用する場合には、間違いのないように注意しましょう。

「お知らせください」の言い換え表現

「お知らせください」は丁寧な表現であるものの、場合によっては相手が不快に感じるかもしれません。

相手を不快にさせないために言い換え表現を覚えて、シーンに合せた正しい言葉を使えるようにしておきましょう。

(1)「お知らせくださいませ」

「お知らせくださいませ」の「ませ」は、「ます」の命令形です。しかし「ませ」には、「丁寧な気持ちを込める」という意味合いがあるため、ビジネスシーンで使用して問題ありません。

「お知らせください」の語尾に「ませ」をつけることで柔らかい印象になりますね。

(2)「お知らせいただきたく存じます」

「存じます」は「思う」の謙譲語です。「お知らせいただきたく存じます」という言葉を使うことで命令の要素が少なくなり、押しつけがましくない丁寧な表現になります。

ただし「存じます」は、親密な相手に使うとかしこまりすぎて距離を感じられてしまうので注意が必要です。

(3)「お知らせいただければ幸いです」

「お知らせいただければ幸いです」には、「知らせてもらえればうれしい」という意味があります。

相手への敬意を込めた丁寧な表現なので、目上の人に対しても使うことができるでしょう。

「お知らせください」を正しく使おう

「お知らせください」とは、「ある事を知らせてほしい」「ある事を通知してほしい」を意味しています。正しい敬語表現なので上司や取引先、お客様など目上の人に対して使うことができます。

しかし「ください」が命令口調に感じられ、不快に思う人もいるかもしれないので注意が必要です。不快に思われないためには、言い換え表現などを覚えて、シーンによって使い分けることが大切です。

「お知らせください」はビジネスシーンで頻繁に使う言葉。注意点を理解し、正しく使えるようにしましょう。

(#にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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