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「ください」「下さい」の使い分けは? 意味の違いと使い方(例文付)

にほんご倶楽部

ビジネスで資料やメールを作成しているとき、「ください」と「下さい」はどう使い分けるのか悩んだ経験はありませんか? 実は、単なる漢字かひらがなかではない明確な意味の違いがあるんです。今回は両者の違いや使い方について、例文つきで解説します。

「ください」と「下さい」は、平仮名と漢字それぞれで表記される例が見られます。

普段から何気なく使うことの多い表現ですが、実は平仮名で用いる場合と漢字で用いる場合には大きな意味の違いがあります。

この記事では、「ください」と「下さい」の違いや例文、類語表現について解説していきます。

「ください」と「下さい」の違いとは

まずは、「ください」と「下さい」の違いについて考えてみましょう。

「ください(下さい)」という言葉には、次の2つの意味があります。

ください【下さい】
《動詞「くださる」の命令形》
1.「くれ」の尊敬語。相手に物や何かを請求する意を表す。ちょうだいしたい。
「手紙を―」「しばらく時間を―」
2.(補助動詞)「お」を伴った動詞の連用形、「ご(御)」を伴った漢語、また、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えたものなどに付いて、相手に何かを要望・懇願する意を表す。
「お座り―」「ご覧―」「止めて―」
(小学館『デジタル大辞泉』)

「くれ」の尊敬語として用いる例として、「電話を下さい」や「返事を下さい」などが挙げられます。このように動詞として用いる場合は、漢字の「下さい」が正しい表記です。

一方、文化庁が定める公用文のルールでは、「お伝えください」や「ご確認ください」のように補助動詞として用いられる場合は、平仮名で「ください」と表記することになっています。

どちらの「ください(下さい)」も頻繁に用いられる言葉ですが、動詞で用いる場合と補助動詞で用いる場合によって表記のルールが決められています。「ください(下さい)」はビジネスシーンでも使われる言葉であるため、ぜひ正しい表記を理解しておきましょう。

「ください」と「下さい」の使い方(例文)

「ください」と「下さい」は、どちらもビジネスシーンでよく使用される言葉です。

漢字で用いる場合と平仮名で用いる場合でそれぞれ意味が異なるため、下記の例文を参考に正しい使い方を学びましょう。

「ください」の使い方と例文

平仮名の「ください」は、補助動詞として用いる場合に用いられます。「ご確認ください」や「お伝えください」などは、日々何気なく使っている人も多いでしょう。

「ご確認下さい」と漢字で書いても意味は伝わるものの、ビジネスシーンでは正しい表記を用いる方がベターです。

・商品の詳細につきましては、こちらの資料をご確認ください。

・○○さまのご都合がよろしければ、ぜひ懇親会の方にもご参加ください。

・ご予約の際は、代表者さまの電話番号も併せてお伝えくださいませ。

「下さい」の使い方と例文

「くれ」の尊敬語としての「下さい」は、漢字の表記を使用します。

「ご連絡下さい」や「お時間を下さい」といった表現は、ビジネスシーンでも利用することの多い表現です。「欲しい」や「頂戴する」という意味で用いる場合は、漢字で表記するということを覚えておきましょう。

・可能でしたら、ペーパーベースで資料を下さい。

・ご多忙の折恐縮ではございますが、同封の返信用封筒にてお返事を下さいますようお願いいたします。

・○○の件で相談したいことがあります。あとで少しお時間を下さいますか。

「ください」「下さい」の類語・言い換え表現

「ください(下さい)」は、他の言葉にも言い換えができます。

動詞と補助動詞どちらで用いるかによって類語も異なりますので、目的に応じて正しい言葉を使い分けることが大切です。ここからは、パターン別の類語を紹介していきましょう。

「~していただきますようお願いいたします」

「ください」を補助動詞として用いる場合は、「~していただきますようお願いいたします」に言い換えができます。

「ご提出ください」という言い方よりも「ご提出をいただきますようお願いいたします」の方が、より柔らかい印象を受ける表現となります。

上司や取引先など目上の人に用いる場合は、「~していただきますようお願いいたします」という表現に言い換えて使ってみてください。

「頂きたい」

「くれ」の尊敬語として用いる場合は、「頂きたい」に言い換えができます。

「資料を下さい」や「連絡を下さい」という言い方は、時に命令のようなニュアンスを与えてしまうことがあります。ビジネスシーンで用いる場合は、「資料を頂きたい」「連絡を頂きたい」といった表現に言い換える方がよいでしょう。

表記のルールを理解して正しい使い方を心がけよう

「ください(下さい)」は、補助動詞で用いる場合は平仮名、動詞で用いる場合は漢字で表記するルールがあります。

「ご連絡を下さい」や「ご確認ください」など、「ください(下さい)」はビジネスシーンでも頻繁に利用される言葉です。

平仮名と漢字の表記のルールを理解して、正しい使い方を用いるように心がけましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年05月08日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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