「お会いできるのを楽しみにしております」の意味や使い方とは? 言い換え表現も紹介
「お会いできるのを楽しみにしております」という言葉は、目上の相手に会いたい気持ちを丁寧に伝えることができるフレーズです。今回は、ビジネスシーンでの正しい使い方や言い換え表現、例文を紹介します。
「お会いできるのを楽しみにしております」という言葉は、目上の人に対して好意を表すことのできる定型文です。
社交辞令として使われる場面もあるかもしれませんが、言われた人は悪い気がしないものでしょう。
今回は、「お会いできるのを楽しみにしております」の正しい使い方を解説。また、例文を交えながら、言い換え表現や注意点も詳しく紹介していきます。
「お会いできるのを楽しみにしております」の意味とは
まずは、「お会いできるのを楽しみにしております」の言葉の成り立ちを押さえておきましょう。
「お会いできるのを」の部分は、「会う」の謙譲語である「お会いする」が使われています。また、後半の「楽しみにしております」の部分は、「いる」の謙譲語の「おる」に丁寧語の「ます」が付いたもの。
「お会いできるのを楽しみにしております」は正しい敬語?
謙譲語とは、自分の行動をへりくだることで相手を高める敬語ですので、「お会いできるのを楽しみにしております」は、目上の立場である上司や取引先の人に使っても問題ない、正しい敬語といえるでしょう。
ビジネスメールや案内文などの書き言葉でも、話し言葉としても使え、覚えておくと便利なフレーズでしょう。
「お会いできるのを楽しみにしております」の使い方と例文
ここからは、「お会いできるのを楽しみにしております」の使い方を、例文を用いて紹介していきます。
社交辞令と思われるとそれまでですが、このフレーズを上手に使うことができれば、ビジネス上のやり取りをスムーズに進める助けになるはずです。
(1)実際に会ったことのない相手に対して使う場合
ビジネスシーンでは、メールのみでやり取りをしている、またはオンラインの打ち合わせ時にしか会話をしたことがないという相手も少なくないでしょう。
実際に会ったことのない相手に対して使う場合は、初めて会うことが決まった時に「お会いできるのを楽しみにしております」と一言添えるのがおすすめです。
また、対面したことはあるけれど、久しぶりに会う予定ができたという場合にも、この言葉を伝えておいて損はありません。
以下のような形で日程が決まった後のメールに一文加えると、相手への好意を自然に伝えることができますよ。
例文
「来週、〇〇様にお会いできるのを楽しみにしております」
「〇月の展覧会にて、お会いできるのを楽しみにしております」
(2)実際に会った後に使う場合
相手と実際に会った後に使う場合は、文頭に「また」を付け加えて、「またお会いできるのを楽しみにしております」という表現を使うのが適当です。
相手に足を運んでもらった場合はその感謝を込め、「本日はお越しいただきありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしております」と伝えてみてください。別れ際のあいさつに添えると、相手に良い印象を残せるでしょう。
また、直接会った後にお礼のメールをする際にも、結びの言葉として使うことができます。
例文は以下の通りです。
例文
「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。〇〇様にまたお会いできるのを楽しみにしております」
「本日はお越しいただきありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしております」
「お会いできるのを楽しみにしております」を使う時の注意点
「お会いできるのを楽しみにしております」は、相手に好印象を与えるポジティブなフレーズですが、使う際には2つ注意点があります。
(1)多用するのは避ける
この言葉は、初対面や交流の浅い相手に対しては効果を発揮しますが、毎度のように別れ際やメールで伝えるのは逆効果になってしまうかもしれません。捉え方によっては、「誰に対しても言っているのかも」「真実味に欠ける」と思われてしまうことも。
定型文だと思われないよう、同じ相手に多用するのはできるだけ避けた方が良いでしょう。
(2)メールで使用する時は「お会いできることを楽しみにしております」
「お会いできるのを楽しみにしております」の「のを」の部分は「ことを」の口語的な表現となっています。
ですので、メールなど書き言葉で使用する時には、「お会いできることを楽しみにしております」とした方がよりきちんとした印象になるでしょう。
ただし、堅い印象を与えてしまう可能性もあるので、相手との関係性に応じて使い分けるのがおすすめです。
「お会いできるのを楽しみにしております」の言い換え表現
「お会いできるのを楽しみにしております」というフレーズは、いくつかの言葉で言い換えることができます。使う相手や関係性、シーンに応じて使い分けましょう。
(1)「お目にかかるのを楽しみにしております」
「お会いできるのを楽しみにしております」の言い換え表現に「お目にかかるのを楽しみにしております」があります。
「お目にかかる」は「会う」の謙譲語です。「お会いする」も「会う」の謙譲語ですが、比較すると、「お目にかかる」のほうがより丁寧でへりくだった表現にできます。
とはいえ、敬語は丁寧にすればするほど良いというものではなく、相手との関係性に応じて適切な言葉を選ぶことが大切です。
「お目にかかる」は、日頃あまり交流のない目上の人に絞って使用することをおすすめします。比較的近しい距離の相手には、「お会いする」を使うのが良いでしょう。
(2)「お会いできるのを心待ちにしております」
より心を込めた言い回しにしたいなら、「お会いできるのを心待ちにしております」に言い換えてみてください。
この言い回しは、ビジネスメールやあいさつ文などの結びに使われることも多く、会いたい気持ちをストレートに伝えられるでしょう。
「お会いできるのを楽しみにしております」は会いたい気持ちを丁寧に伝える敬語
「お会いできるのを楽しみにしております」は、目上の人に対して、会うことを楽しみにしていると伝えるフレーズです。
話し言葉でも書き言葉でも使える上に、かしこまりすぎず、相手を立てることのできる謙譲表現ですので、覚えておくと便利でしょう。
ただし、会う度に使っているようでは真実味に欠けますので、多用しすぎないように気を付けてくださいね。オンラインでやり取りしていた相手と初めて会う時などに使うのがおすすめですよ。
(にほんご倶楽部)
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