素直さと冷静さの「ときめきキャリ」。PR TIMES 渡邉梨夏子さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:瑞姫
撮影:洞澤佐智子
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
ピチレモン、ラブベリー、ハナチュー、ニコラ……。小学校高学年から中学生の女子を対象としたファッション雑誌の名前に、聞き覚えがあるアラサー女性も多いのではないでしょうか?
当時から、雑誌は今のSNSと同じように、かわいくなりたい女の子のための情報の宝庫。現代の女子中学生が憧れや理想を抱きながら、SNSの画面をスクロールするように、雑誌のページを捲りながら同じことを考えていた女子は多かったはず。
そんなティーンズの人気雑誌『ラブベリー』のモデルとして、6年間活躍していた渡邉梨夏子さんは、現在PR TIMESでPRパートナーとして、企業へのPR企画提案、実施、広報活動を行っています。
モデルとして自分を表現するのではなく、一人の会社員として、商品や事業の魅力を最大限表現する仕事へとフィールドを変えた渡邉さん。そこにはどんなきっかけや思いがあったのでしょうか?
大きな決断や日々の小さな決断。選択肢の中から自分に一番“ときめきとわくわく”をくれる道を選ぶという渡邉さんに、迷ってしまいがちなキャリアの築き方について聞きました。
モデル活動中からあった“つくる側”への興味
大学卒業後はベビー服・子供服メーカーに入社し、絵本の企画制作などを実施する出版部を含めて3年間働いていました。
絵本に関わるイベント企画や運営から店舗のディスプレイ、在庫管理まで色々させていただいてすごく楽しかったのですが、新しい書籍をつくるスピード感や影響範囲、コミュニケーション領域が限定的だったということもあって、もっと多くの社会や視点を取り入れて接点を持ちたいと思い、2018年に縁があったPR TIMESに入社しました。
モデルをやっていた頃から制作側には興味があったんです。モデルを始めたのもスカウトされたことがきっかけで、元々はどちらかというとあまり目立ちたくないタイプ。
ただ、小学生の頃から漫画が大好きだったので、出版社さんや漫画家の方と繋がりたいなとぼんやりと思っていて、当時、自分の名前が誌面に載ることがうれしいのもあって、お便りやアンケートを送っていたんです。
そんな時に当時読んでいた少女まんが雑誌『りぼん』で、読者モデルの募集があるのを見つけて、その活動が「漫画家さんに会ってインタビューしてみよう」「イベントに行ってレポートしてみよう」というものだったので、応募をしたら合格して。
小学校5年生から6年生までの1年間は“りぼんガール”として活動していたんですが、そこで紙面作りに関わって、編集部の人たちが企画を考えている姿がとても楽しそうだなと思ったのが最初のきっかけといえるかもしれません。
そうですね。“りぼんガール”として1年間の活動を終えた後は、地元である名古屋でスカウトされたことがきっかけで、東京の事務所に所属して『ラブベリー』のモデルとして6年間活動したのですが、そこで自分の連載を持たせていただいた時の経験も大きかったと思います。
「この月何やろう?」と企画から考えたり、ロゴを作ったり、出身地である名古屋を紹介するコンテンツを考えたりするのが楽しくて。もっと雑誌に踏み込むことができた感じがしてうれしかったです。
PRの仕事に大切なコミュニケーション
年次や経歴問わず、みんながお互いに良い距離感を保ちながらコミュニケーションできている感じですね。
プランニングをするPRパートナーはチームで動いているのですが、プロフェッショナルな人が多いんです。それぞれが過去にやってきたことや好きなことを活かせるのはもちろんですが、やりたいことにチャレンジする人を応援するような環境も好きです。
PRはコミュニケーションのお仕事だと思うので、そこは強みになっている部分かなと思います。
例えば、前職でお世話になった人や一緒にお仕事していた人に「これってどう思う?」と実際に相談することができるのもそうですし、メディアに出る側だった自分が持っている視点で、お客様とキャスティングした方の間でいい塩梅のチューニングができるのもこれまでの経験が活きているのではないでしょうか。
それでいうと、社内のコミュニケーションにおいてネガティブに感じたことってほぼ無いんですよね。言葉の選び方やレスポンスの仕方とか、すごく気持ちのいいコミュニケーションをしてくれる人が多い会社です。
友達のような仲の良さというよりは、言いたいことを丁寧に汲み取って動いてくれるような、お互いにできることを補い合っている感覚です。
大事な決断こそ、心の動きに目を向ける
ずっとご機嫌でいることですかね。生きていれば色々あるとは思うのですが、コントロールはなるべくできるようにしようとは思っています。
全部楽しむ姿勢を持ちたいですし、良いところを見つけて、そこを育てるようなコミュニケーションをしたいですね。
最近の自分のテーマが「期待を超える行動をする」ことなんです。それは、自分に対してもそうですし相手に対しても。いい意味で想像を超えてくることって、すごくうれしいし楽しいことじゃないですか。
ずっと同じだったら楽だけど、ちょっとつまらないから、チャレンジしたり、自分にちょっと負荷をかけたりするぐらいがちょうどいいのではと思っています。
昨年の5月からチームに新たなメンバーがジョインしてメンターとしての役割も担っているのですが、いままでも自分のなかで大切にしてきたことではあるものの、より意識しているのが「ポジティブな言葉を使う」「自分なりの提案をする」「まず感謝する」「何かしらのリアクションをする」の4つ。
そのマイルールを守ること、そしてメンバーにわかるように示すことを意識して、行動を重ねています。
簡単だし、当たり前のことだけれど、自分のルールですし、メンバーにも守ってもらいたいという気持ちで。ポジティブに動き続けるために大事にしていることです。
直感やときめき、わくわくする気持ちですね。あとは「なぜ?」を探求すること。お客様への提案などの仕事でも、プライベートでの選択もそうですが、自分の心の動きを意外と冷静に判断することが多いです。
自分の心がポジティブに動きだすかということがまずひとつ。もうひとつは、「なぜやるのか?」を自分なりに消化して説明できるかどうかということです。これがそろって動き出していれば、失敗することはあっても、きっと後悔はしないかなと思っています。