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「参りました」の3つの意味とは? 正しい敬語の使い方

Ricca

「参りました」の意味を説明できますか? 使い方や使う相手を間違えてしまうと、とても失礼な印象を与えてしまうので注意が必要な言葉。今回は、「参りました」における正しい敬語の使い方や類義語について詳しく解説します。

日常会話でよく耳にする「参りました」は、実はビジネスシーンで大活躍する言葉。しかし、正確な意味をきちんと理解できていない状態で使っているという人も多いかもしれません。

この記事では「参りました」の意味や正しい使い方を解説。使う際に注意したいポイントも併せて紹介するので、最後までチェックしてください!

間違う人続出? 「参りました」の3つの意味

「参りました」とは、動詞の「参る」に丁寧語の「ます」の過去形「ました」がついた言葉で、次の3つの意味があります。

(1)高貴な所や目上の人の元へ行く

「参りました」は、「行く・来る」の謙譲語。

行く先を敬って、自分が行ったり来たりする行動をへりくだった表現です。「参りました」と聞いて、多くの人が想像するのがこの意味でしょう。

例文

・ご一緒に参ります

・貴宅へは電車で参ります

(2)弱っている・困っている

「参りました」は、自分が精神的にも身体的にも弱っている状態や困っている状態を表すこともできます。

自分の力ではどうにもこうにもいかない状態を表現する言葉として、さまざまなシーンで使われています。

例文

・今回の騒動には大分参りました

(3)降参する

ゲームや勝負ごとで立ち行かなくなり降参する際にも「参りました」が使われます。

例えば将棋の対戦の際は、敗者が勝者に対して「参りました」と伝えますよね。このように対戦相手に負けを認める際に使う言葉でもあります。

例文

・彼女の知識量には参りました

「参りました」の語源とは?

「参りました」のベースとなる「参る」という言葉は、「まゐいる」と表現されていましたが、それが短縮され「まゐる」という言葉になりました。

この「まゐる」とは、神社など神聖かつ高貴な場所に出向くという意味を持ち、「いる」はその場所の中に入るという意味があります。

現在でも「神社にお参りする」という表現方法で使われていますよね。

行き来を表す「参りました」の使い方とは?

ここからは、最も頻繁に使われるであろう意味、行き来の謙譲表現「参りました」の使い方について見ていきましょう。

「参りました」が使える場面

「参りました」が実際に使える場面を具体的にピックアップしていきましょう!

上司に呼び出された際や到着した際

上司に呼び出され、無事に到着したことを伝える際に使える表現です。

・遅くなり申し訳ありません。ただいま参りました

「ただいま参りました」はフレーズとして覚えておくと便利。

また、前置きに「遅くなり申し訳ありません」と添えおくことで急いで来たことが伝わり、相手に好印象を与えられるでしょう。

・お迎えのタクシーが参りました

「参りました」は人の行き来だけでなく、タクシーなどの交通手段にも使うことができます。その他にも「お車が参りました」など応用できる表現方法なので覚えておくとこちらも便利です。

・ただいま係のものが参りますのでお待ちください。

「参りました」は、自分や相手以外の第三者に対しても使うことができます。しかし注意しなくてはならないのが、自分の身内の人間に対して使うということです。

相手の同行者などに対して使うことは大変失礼な表現になるので、気をつけましょう。

自己紹介をする際

「参りました」は人の行き来だけでなく、自己紹介をする際にも使える言葉です。

どこから来たかという出所を伝える際に使用します。例えば、住まいなどの地域や所属している会社名をつけ加えて、次のように使います。

・はじめまして。〜会社から参りました○○と申します。

・神奈川県から参りました○○と申します。

「参りました」を使う際の注意点

知っていると、とても便利な言葉である「参りました」ですが、使用する際に注意すべきポイントについても押さえておきましょう。

目上の人との会話で使う表現

「参りました」は謙譲語といって、自分の言動をへりくだって相手を立てる言葉です。そのため、使用するシーンは、自分よりも目上の人との会話であると覚えておきましょう。

上司に対して「来ました」や「行きました」と表現するのは、あまり良い印象を与えませんよね。そんな時にぜひ「参りました」を使ってみましょう!

相手の行動に対して使ってはいけない

謙譲語である「参りました」は、基本的に自分の行動に対して使います。そのため、相手の行動に対して使用してはいけないことを覚えておきましょう。へりくだった表現のため、失礼にあたります。

しかし、例外として「自分の身近な人や身内」や「物事」に対しては使うことが許されます。

・タクシーや車
→お車が参りました

・(顧客に対して)同僚の行動
→ただいま別の者が参ります

「参りました」と「伺いました」の違いは?

「参りました」と同じような意味を持つ言葉として「伺いました」があります。

「伺いました」は「聞く」「尋ねる」「問う」「訪問する」の謙譲語。つまり、「訪問する・参上する」の意味で、「参りました」と似たニュアンスで使用できる言葉だと言えます。こちらも覚えておきましょう。

「参りました」の類義語

多くの人が違いに迷う「伺いました」について前述しましたが、「参りました」の類義語は他にもあります。こちらも併せて覚えておくと表現の幅が広がるでしょう。

参上しました

「参上」するとは、目上の人のところへ行くことを表す謙譲語。そのため、「参りました」と同じような使い方ができる類義語です。

具体的には「参上いたしました」や「明日の会議には弊社○○と共に資料を持参の上参上します」のように使います。

お目にかかりました

「お目にかかる」は、目上の人に会うことを意味する表現方法です。

仕事のアポの前に「お目にかかるのを楽しみにしています」などとつけ加えて連絡を入れると、相手に好印象を与えられるでしょう。

相手が「行く・来る」ことを表す敬語表現とは?

「参りました」は、謙譲語のため自分の行動に対して使う言葉であることが分かりました。

では、相手の行動を敬って表現したい際はどのような言葉を使えば良いのでしょうか? そのような場面では、これから紹介する「行く・来る」の尊敬語を活用するといいでましょう。

いらっしゃいました

目上の人の「行く・来る」といった行動を表す尊敬語です。とてもシンプルで使いやすい言葉なので、さまざまなシーンで使えて便利。

「○○様がいらっしゃいました」といったように名前と一緒に使うようにすると分かりやすいでしょう。

お越しになりました

「お越しになる」は「来る」の尊敬語です。

ちなみに「お越しになられました」というフレーズがありますが、これは二重敬語となるため好ましくない表現方法です。使用する際は気をつけましょう。

おいでになりました

「おいでになる」は「行く・来る」の尊敬語。

よく使われる表現として「ようこそおいでになりました」という言葉があります。相手を歓迎しているという気持ちを表現できるフレーズとして活用ください。

「参りました」は英語でどのように表現する?

「参りました」は、謙譲語という日本語独特の表現方法でしたが、英語でどのように表現するのでしょうか?

英語には敬語という概念がないため、次のように表現します。

come

「来る」という意味を持つ「come」は「参りました」と同じような意味で使える単語です。

・I have come to this office several times.(このオフィスには何度か参りました

go

「行く・向かう」という意味を持つ「go」も「参りました」と同じ意味合いで使える単語です。

・I went to Nagasaki last year.(昨年長崎に参りました

from

「〜から」という意味を持つ「from」は、自分の出身地や所属先を表現する際に使える英単語です。

「〜から参りました」と表現したい時は次のように使いましょう。

・I am Takahashi, from Yokohama.(横浜から参りました高橋です)

「参りました」を活用して仕事ができる人になろう!

「参りました」の意味や、正しい使い方について紹介しました。

謙譲語という敬語であるため、使い方や使うシーンに気をつけなければならない言葉ということが分かったでしょう。ビジネスシーンで大活躍する表現のため、使用例を今一度チェックして、実生活でぜひ活用してくださいね!

(Ricca)

※画像はイメージです

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