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コンセプトの意味とは? 正しい使い方と類語との違い【例文付】

Sai

「コンセプト」という言葉の意味を正しく理解できていますか? 今回は、ビジネス系ライターのsaiさんが正しい使い方を例文つきで解説。類語や言い換え表現なども押さえて、言葉を正確に理解しましょう。

会議中や取引先との商談時などによく使われる「コンセプト」という言葉。実際使ったことがあるものの、意味についてはあいまいな覚え方をしているという人も多いでしょう。

そこで今回は「コンセプト」の意味や使い方を例文つきで解説。類語との違いなど、言葉をより深く理解するためのポイントをお伝えします。

「コンセプト」の意味とは? どんな時に使う言葉?

まずは、「コンセプト」の意味やどんな時に使う言葉なのかを詳しく確認してみましょう。

「概念」や「観念」を意味する英単語「concept」が語源

「コンセプト」は、「概念」や「観念」を意味する英単語「concept」を語源とするカタカナ語です。

「心に抱く」という意味の動詞「conceive」を名詞にした形で、「構想」や「発想」などと訳されることもあります。

カタカナ語では「基本的な方向性」を意味する

さまざまな意味を持つ英単語「concept」ですが、カタカナ語の「コンセプト」はとりわけ「基本的な方向性」を意味する言葉として使われています。

物事の大まかな意味・内容を示したり、ベースとなる一貫した考え方を表現したりする言葉で、単なる目的を表す言葉ではないことを覚えておきましょう。

辞書では以下のように説明されています。

コンセプト

①概念。

②企画・広告などで、全体を貫く統一的な視点や考え方。

(『広辞苑 第七版』岩波書店)

「コンセプト」をよく使うシーン

「コンセプト」は基本的にビジネスシーンでよく見聞きする言葉で、辞書での説明にもあった通り、特に企画の立案をする時や、広告・作品などを制作する時に頻繁に使用されます。

具体的には、チームでプロジェクトの方向性について話し合う場面や、広告や作品をどのような考えを基に制作するのかを説明する場面などで「軸となる考え方」を示す目的で使われることが多いです。

「コンセプト」の正しい使い方と例文

企画会議や取引先との商談などで使われることが多い「コンセプト」という言葉。ベースとなる考え方や構想をしっかり説明するためにも、正確な使い方を身につけておくべきでしょう。

ここからは、「コンセプト」の正しい使い方を例文つきで詳しく解説します。

「コンセプト」を単体で使う場合

まずは、「コンセプト」を単体で使う場合の例文を確認してみましょう。

例文

・韓国がコンセプトのレストランは、昨今のK-POPブームの影響でかなりの集客が見込めるだろう。

・田中さんが考えたフレーズが次の展示会のコンセプトに採用された。

コンセプトを具体化しないと、いつまで経ってもプロジェクトの方向性が見えてこない。

「コンセプト」と他の名詞を組み合わせて使う場合

「コンセプト」は単体でも使われる言葉ですが、他の名詞と組み合わせて熟語として使用されることもよくあります。

ここでは、「コンセプト+名詞」または「名詞+コンセプト」の2種類の形を使った例文を紹介します。

例文

コンセプトカフェとは、特定のテーマを取り入れて他のカフェとの差別化を図っているカフェのことを言う。

コンセプトカーの時は良いデザインだと思っていたのに、いざ市販化されると大幅にデザインが悪変されていた。

・求職者の心をつかむには、一貫性のある採用コンセプトを作る必要がある。

・本日からの新入社員研修において、まずは我が社のブランドコンセプトを理解してもらいます。

「コンセプト」を英語で表現する場合

英単語を語源としている「コンセプト」は、英語で会話をする場面でも頻繁に登場する単語です。

海外支社や海外の取引先とのやり取りで困らないように「コンセプト」を使った英語の例文も併せて確認しておきましょう。

例文

・We will propose the concept of next project by the end of this week.(今週中には次のプロジェクトのコンセプトを打ち出す予定です)

・To put it simply, a restaurant concept is the type of restaurant you want to manage.(簡単に言うと、レストランコンセプトとは、あなたがどんなタイプのレストランを運営したいのかということです)

「コンセプト」はなぜ重要なのか

企画の立案や広告・作品などを制作する過程で、頻繁に使われる「コンセプト」という言葉。

ビジネスシーンで正確にコンセプトを使うためには、言葉の意味だけでなく、「コンセプト」がなぜ重要かについても理解しておく必要があるでしょう。

ここからは、ビジネスシーンにおいてコンセプトを定めるメリットを解説します。

(1)ブレが生じなくなる

まず、「コンセプト」作りの最も大きなメリットとして挙げられるのが、「企画や創作を進めるにあたってブレが生じなくなる」という点です。

あらかじめ「終始一貫した考え」を持つことで、途中で何をすれば良いのかが分からなくなってしまったり、知らない間に方向性が変わっていたという事態を避けたりすることができるでしょう。

(2)差別化やビジネス成功の判断につながる

また、考えを明確にすることで、他と差別化できたりビジネスとして成立するのかを確認できたりする点も「コンセプト」を定める大きなメリットです。

レストランの運営や商品開発など、何においても選択肢であふれている昨今のマーケットですが、しっかりと「コンセプト作り」を行うことでユニークなサービスや製品を打ち出せます。

さらに、「コンセプト」を具体化する過程で、ビジネスにおける需要と供給を見極められるため企画や製品が失敗する可能性を低くできるでしょう。

このように、ビジネスとして成立するかどうかをしっかりと判断できる点も「コンセプト」を構築するメリットであると考えられます。

「コンセプト」の類語

「コンセプト」の使い方が難しいと感じる理由の1つに、似たような言葉が多いことが挙げられます。「テーマ」や「理念」などとの違いがよく分からず、使い分けに悩んでしまう人は多いでしょう。

ここからは、類語と意味の違いを紹介します。

「テーマ」と「コンセプト」との違い

「コンセプト」と同じく、英単語を語源とする「テーマ」。同じカタカナ語でニュアンスも似ているため、意味を混同してしまいがちです。

しかし、「テーマ」の意味は「主題」や「中心となる内容」であり、「ベースとなる考え方」を表す「コンセプト」とは意味合いが異なります。

時と場合にもよりますが、「テーマ」はその時主題となっている物事に対してのみ使われる、「コンセプト」は終始一貫した考えや方針に対して使用される、と覚えておくと使い分けがしやすいでしょう。

例文

・今日の会議のテーマは「環境問題への取り組みについて」です。

・ヨーロッパの都市政策に興味があるので、卒業論文のテーマにしようと思う。

「概念」と「コンセプト」との違い

「概念」は、英単語「concept」の日本語訳でもある言葉ですが、カタカナ語の「コンセプト」とは少しニュアンスが異なります。

「コンセプト」が「一貫した考え方」を示すのに対し、「概念」は「物事の性質や大まかな知識・理解」を表す言葉です。

簡単に言うと、「どういう物か」や「どういう考えか」という物事の内容そのものを表す言葉であるため、「コンセプト」とは使用される場面や目的が少し異なります。

例文で詳しく使い方を確認しておきましょう。

例文

・既成概念を打ち破れるかどうかが、この市場で成功する鍵となるだろう。

・いろいろな言葉が議論で飛び交っているので、一度概念を整理しておきましょう。

「理念」と「コンセプト」との違い

「こうあるべきだという根本の考え」という意味の「理念」は、「コンセプト」と非常に意味合いが似ている言葉です。

しかし、どちらかというと「理念」の方が相手に堅い印象を持たせる言葉であり、理想とする考え方を述べる時に使われる点が「コンセプト」との違いとなります。

例文

・憲法の理念の実現を目指す。

・地域社会の発展に貢献するという基本理念に基づいて、我が社は行動しています。

正しく「コンセプト」を使おう

近年、ビジネスシーンで見聞きする機会が増えている「コンセプト」という言葉。似たような類語が多く、使い方に悩む人は多いでしょう。

しかし、「コンセプト」の意味や類語との使い分けを一度理解してしまえば、会議や取引先との商談などでもしっかりと自分の考えを述べられます。

「コンセプト」の重要性や例文なども併せて確認しておき、自信を持って言葉を使えるようになりましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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