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パーソナルスペースの意味は? 人付き合いを円滑にする方法を解説

moeka

人間関係を良好にする上で「パーソナルスペース」について考えたことはありますか? 好意のある異性や仕事仲間などと上手く付き合うために重要となるパーソナルスペースの取り方をライターのmoekaさんがわかりやすく解説します。

人付き合いが苦手だと感じたことはありませんか? 好意を寄せる相手や仕事で関わりを持つ人などといい関係を保ちたい気持ちはあるけれど、うまくいかないという経験も少なくはないはずです。

人付き合いを円滑にする上で大切である人との距離感は、パーソナルスペースが関係しています。

近すぎたり遠すぎたりせず、正しい距離感を見つけることは難しいですが、まずは「パーソナルスペース」の意味や種類をチェックして理解していきましょう。

「パーソナルスペース」とは?


「パーソナルスペース」とはR・ソマ-という心理学者が提唱したもので、他者が自分に近づくことを許せる限界の範囲、すなわち心理的な縄張りのことを指します。身近でない人物がこの限界の範囲に近づくほど不快感を覚えます。

例えば、満員電車を思い出してみてください。「向こうにスペースがあるのに、なぜこんなに近くに来るのかな」や「相手のにおいや行動が気になるな」など普段気にならないような物事に対しても自分からより近い距離にいる人に対して、敏感に反応してしまう経験はありませんか。

人によって限界の範囲は異なるため、適度な距離を保って安心したコミュニケーションを取るためには自分や相手の「パーソナルスペース」を理解することが重要です。

「パーソナルスペース」の種類

私たちは、接している相手との関係性や心理的な親密度によってパーソナルスペースの距離を調整しています。身近でない人物が自身の限界の範囲へ近づくと不快感を覚えると上述しましたが、逆に親しい相手や好意のある相手であれば、安らぎを感じることもあります。

アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールは「人間は4つの距離を対人関係の中で使い分けている」と提唱しました。つまり、パーソナルスペースを4種類に分類したということです。

その分類したパーソナルスペースはそれぞれに名称があり、公衆距離、社会距離、個体距離、密接距離と呼ばれています。

公衆距離:およそ3.5m以上

公の場で話す側と聞く側との間に必要とされる距離です。つまり、自分と相手の関係が個人的な関係ではなく公的な関係である時に用いられます。

自身と相手とのコミュニケーションに適した距離はおよそ3.5m以上。例えば、自身より目上の地位にある人の講演会をはじめとしたイベントで面会をする場合の距離がこれに挙げられます。

社会距離:およそ1.2~3.5mが適切

改まった場や目上の人と話す際の距離です。声は直接届きますが、自身は安心でき、相手に失礼のない程よい距離と言えるでしょう。自身と相手との適した距離はおよそ1.2~3.5m。例えば、大きな机越しの商談や面談などがこの距離感でしょう。

個体距離:45cm~1.2mが適切

友人や会社の同僚など親しい人と接する時の距離です。お互いの表情を読み取ることができ、手を伸ばせば相手に届く広さです。自身と相手との距離は45cm~1.2mが適しています。例えば、飲食店でテーブル越しに話す場合の距離が個体距離といえるでしょう。

密接距離:0~45cm程度

家族や恋人など取り分け親しい人と接する時の距離です。手を伸ばさなくとも相手に触れることができる広さです。自身と相手との距離は0~45cm。キスやハグをする場合の距離感だと思えば分かりやすいですね。

「パーソナルスペース」の広さの違い

人によってパーソナルスペースの広さは異なります。性別や性格、年齢など各々が持つアイデンティティによって変化していくのです。

男女での違い

パーソナルスペースの形は男女によって異なります。男性は縦長で前方が長く、横幅が狭い細長い楕円型です。これは、視界に入る正面の範囲が広いことを指します。

対して女性は上下左右均等のほぼ完全円形です。男性と女性を重ね合わせて考えた場合、男性のパーソナルスペース範囲が女性に比べて広いため、女性からは「近づいてもいい範囲」と認識していても、男性からは密接な距離であると感じられることがあります。

それにより、男性側が相手と親密になったと勘違いしてしまうことも。

性格の違い

個人の性格の違いによってもパーソナルスペースの広さが変化します。パーソナルスペースの広い人、狭い人に分けてそれぞれの特徴を確認しましょう。

参考記事はこちら▼

あなたのパーソナルスペースはどうなっている? 10の質問から、自分では気づいていない他人との距離感を探ってみましょう。

パーソナルスペースが狭い人の特徴

パーソナルスペースが狭い人、つまり、人が近づいてくることへあまり抵抗感のない人の特徴を見ていきましょう。主に社交的な人や自分に自信を持っている人、客観的な視点を持っている人が挙げられます。

人と触れ合うことが好きで大勢の中心にいる人物は知り合いや友人が増えるため、密接な関係に慣れて、人と抵抗なく歩み寄ることができます。また、自身の軸がしっかりとしていて、周りに流されにくいため、相手との距離を広く取らなくても安心することができるのです。

他にも他者への依存度が高く相手とべったりするのを好む人が挙げられます。常に人といることを望むため、自然と相手に尽くしている場合があります。自身で物事の判断をすることが苦手で相手に委ねることが多い点や自身のことを何でもかんでも話してしまう点が特徴です。

このように、積極的に相手と関り、密接な関係を築こうとするため、自然とパーソナルスペースが狭くなります。

加えて、スキンシップの多い仕事をしている人は他者と接触することへの抵抗が低くなるため、パーソナルスペースが狭いことが多いです。

パーソナルスペースが広い人の特徴

パーソナルスペースが広い。つまり、相手とは距離をとりたいと思う人の特徴を見ていきましょう。主に人見知りで消極的な人や慎重な人が挙げられます。

また、よく緊張をしたり、警戒心が強かったりします。相手が自身にとって有益な存在であるか見極めたいという思いもあります。

他にも単独行動が好きな人が挙げられます。孤独を苦痛に感じず、1人で集中して打ち込める物事がある人はパーソナルスペースが広いことが多いでしょう。

年齢による違い

18歳以下では、年齢の低い子どもほどパーソナルスペースが狭い傾向にあります。幼い子どもが相手と短い時間ですぐに仲良くなり、遊び始める光景を目にしたこともあるはずです。

それはまだ成長途中であるからです。相手が何を考えていて何を求めているか、相手との距離感はどれぐらいがいいのか理解できておらず、心の動くまま自身のやりたいこと、興味のあることへ近づいていくのです。

人と正しい距離を保つ2つの方法

これまで述べてきたように、人によってパーソナルスペースは異なり、相手と良好な関係を築くために正しい距離感で接することは難しいと感じた方もいることでしょう。そんな時は以下のことを思い出してみてください。

(1)相手の気持ちを理解する

初対面では相手について知らない情報が多いですが、関わる時間が長ければ長いほど相手について知れるでしょう。自身から理解しようとする姿勢がなければ何も知ることができません。

最初の1歩を踏み出すことで、徐々に相手のパーソナルスペースの範囲が分かっていくはずです。

(2)相手が違和感を抱いていたら一歩後ろに下がる

理解しようとして相手に近づきすぎてしまうのは仕方ないことですが、もし相手が違和感を抱いているようであれば、素早く下がることも必要です。物理的にも心理的にも1度離れてみましょう。

近づきすぎたかどうかは、相手の行動に出ます。受け入れるならその距離を保つはずですが、そうでないなら相手から距離をとります。

「相手の気持ちを理解しようとする姿勢」と「相手に応じた行動」をすることで正しい距離を見つけることができるでしょう。

好意のある人と距離を縮める方法

前提として、自然体での対応を相手にすることが求められます。

つまり、大前提として相手に近づきたいという気持ちを前面に出すのではなく、自身と相手との間に何かワンクッション置くなどお互いのパーソナルスペースを守りながらの言動をすることを意識しましょう。

性別関係なく、自身の横が相手と一番距離が近くても不快に感じない場所です。つまり、隣に行くと自分と相手が心地良くいられる範囲を守りながら距離を縮めることができるでしょう。

例えば、携帯を相手に見せる際に横から相手に近づくと、自然に相手のパーソナルスペースに入ることができます。

また、物の貸し借りも距離を縮める方法です。物にも個人的な空間があるため、自身の近くに相手の物があると自然と意識するようになります。借りた物を返す際にも会話が生まれ、関わる機会が増えることが予想できます。

ありのままの自分が大切

これまで相手のパーソナルスペースを主に述べてきましたが、自身のパーソナルスペースを守ることも大切です。よい関係を保ちたいがために自分の気持ちを抑え込むことは幸せにつながりません。

自身と相手のパーソナルスペースをうまく重ね合わせ、程よい距離感をつかみましょう。ありのままの自分でいられて、相手も心地良いと感じてくれるなら、2人の相性は良いといえるのではないでしょうか。

(moeka)

※画像はイメージです

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