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【心理学】職場の人間関係を改善する4つのコツ

熊谷佐知恵(心理カウンセラー)

職場の人間関係がうまくいかなくて悩んでいる女性もいると思います。気にしないようにしたり、深入りしないようにしていても、ストレスは感じるでしょう。そこで今回は、心理カウンセラーの熊谷佐知恵さんに、「職場の人間関係を改善するコツ」を教えてもらいました!

「上司や先輩、同僚とうまく付き合えない」「職場の人間関係がストレスで仕事に行くのがつらい」と感じている方は多くいます。

実際、カウンセリングの現場でいただく職場に関するご相談の多くは、仕事そのものではなく、人間関係の悩みです。悩み過ぎて自分を必要以上に責めたり、転職を考えたりする方もいます。

そこで今回は、職場の人間関係が悪化すると起こることや、改善するコツについてご紹介いたします。

職場の人間関係は特殊なもの

職場の人間関係は、家族や友人などと異なり、業務遂行のための役割や立場の違いを前提としたコミュニケーションを必要とする特殊な関係です。

それでも、無意識のうちに友人などとの関係を職場の人間関係に重ねてしまうことがあります。

このように「自分の思考パターンや心の状態を人や物に映し出す」ことを、心理学用語で「投影」といいます。

例えば上司には、お父さんやお母さんを。先輩には兄や姉を、同僚には友人や同級生を、後輩に対しては弟や妹を投影しやすいです。

もっというならば、自分が持っている「観念」「ルール」「思い込み」、そして「今の気分」なども投影してしまうことがあります。

投影が起こると、相手を家族や友人などと重ねてしまうことから、甘えや依存、期待などが生じ、それによって関係がこじれることがあるのです。

職場の人間関係が悪化すると起こること

実際に職場の人間関係が悪化すると、どのような影響があるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

(1)仕事に集中できなくなる

職場での人間関係が良くないと、肝心の仕事に集中できなくなる可能性があります。

人間関係が悪化して、感情が大きく揺さぶられると、私たちは正しい判断をすることが難しくなります。

特定の人とうまくいかない場合は、気にしないようにする、深入りしない、割り切る、距離を置く、関わらないようにするなどの対処法がありますが、これらはあくまで感情が揺れ動くのを避けるための方法でしょう。

それを試みることによって周囲から孤立してしまったりするかもしれず、別の問題が生まれることもあります。

(2)自分が疲れて体調を崩すことも

人間関係が悪化すると、ただ我慢をしたり、逆に関係を良くしようと積極的に関わろうとして、相手の顔色をうかがい過ぎることがあります。そうすると、自分が疲れてしまうでしょう。

近年は、職場におけるストレスがメンタルに悪影響を及ぼすケースも増加しています。

職場の人間関係が悪化し、ストレスをため込みすぎると、体調を崩したりすることもあるので注意が必要です。

(3)離職の可能性が生まれる

職場の人間関係は、大きくこじれると、離職の原因にもなり得ます。

たとえやりたかった仕事でも、人間関係が良くないと、そちらに意識を向けることに多くのエネルギーが奪われてしまいます。そのような環境では、本来やりたかった仕事を続けることさえも難しくなってしまうでしょう。

職場の人間関係を改善する4つのコツ

職場では、本来、業務を円滑に回すため、役割や立場の異なる相手と尊重し合いながら、コミュニケーションを取ることが重要です。

ここでは、そのような目的と客観的な視点を持ちながら、職場の人間関係を良くする4つのコツを紹介します。

(1)「投影」を意識する

先ほど「投影」について紹介しましたが、「職場では投影が起こりやすい」という事実に気付き、「上司はお父さんじゃない」「同僚は友人じゃない」と意識することで、これまで投影によって生じていた甘えや依存、期待などが少なくなり、人間関係が改善することがあります。

(2)気分良く過ごすことを心掛ける

自分が気分良く過ごすことを心掛けるのは、職場に限らず人間関係を良くする重要なコツです。

人は、嫌な気分を引きずっていたり、不機嫌そうな人には関わりにくいですが、気分の良さそうな穏やかな人には安心して話し掛けたくなったりするものです。

心に波風が立つような時こそ意識を切り替えることで、人間関係も変わってくるかもしれません。

(3)あいさつや返事をしっかり行う

「あいさつをしたのに無視される」「業務について話しても冷たい態度で返される」などの理由で、人間関係が悪化していると感じているケースもあるかもしれません。

確かに、こういった状況が続くと、自分から声を掛けるのがおっくうになるものです。

しかし、「あの人嫌だな~」といった感情を引きずっていると、それが態度に現れてしまうこともよくあります。その様子を見て、相手は嫌な気持ちになり、ますます関係が悪化してしまう可能性も。

逆に言えば、自分の態度を改善すれば、関係も良くなっていく可能性があるのです。

あなたがどのような態度や反応をするか、相手はよく見ているものです。たとえ相手が冷たく対応してくるとしても、ぜひあいさつや返事はしっかり行うことを心掛けてみてください。

(4)思いやりの心を持つ

組織で働くということは、自分の時間や労力を費やしてチームや会社に貢献する義務があります。その義務を積極的に果たそうとする姿勢を見せることで、周囲はあなたに信頼を寄せるものです。

例えば、誰がやってもいい雑務があったとして、それを見て見ぬ振りをしたり、誰かがやってくれるのを待つのではなく、「私がやります」と率先して手を挙げられるといいですね。

「みんなのために自分に何かできることはないか?」。そのような思いやりの気持ちで職場に関わることが、特定の誰かとの関係に執着するよりも、職場の人間関係の改善につながることもよくあります。

とはいえ、自分が果たすべき役割をおろそかにしたまま周囲に貢献しようと意気込んでも、それは本当の意味で職場への貢献にはなりません。自分の役割を果たさなかったら、どこかで別の人にシワ寄せがいきますからね。

大事なのは、自分のすべきことは遂行しているという前提で、気持ちにゆとりをもって「もう少し貢献できないか」ということを考えられる自分を目指すことです。

それでも改善が難しい時はどうする?

関係がこじれ過ぎてしまった場合は、自分の中だけで改善することは難しい時もあります。その場合の対処法について紹介しますね。

(1)上司や信頼できる人に相談する

まずは、本当に信頼できる上司や先輩、同僚などに相談してみましょう。第三者に相談することで、自分の心境を客観的に捉え直すことができ、改善方法や今まで気付かなかった自分の問題点が発見でき、会社としての適切な処置も講じてもらえるかもしれません。

その際、注意してほしいのは、感情的に愚痴や相手の悪口を言わないことです。

たとえ相手に非があるとしても、同じ職場や仕事を共有していることへの敬意が感じられなければ、相談相手との関係も悪化させてしまう可能性があります。

もし、社内に相談できる人がいないという状況であるのなら、社外の信頼できる人や機関に相談すると良いでしょう。1人で難しいときは、専門家を頼るのもおすすめです。

(2)どうにもならない場合は職場から離れる

職場の人間関係で心身ともに疲弊し、体調を崩すような場合には、思い切って職場から離れるという選択肢もあります。

物理的に距離を置くだけで心が軽くなるということもあります。テレワークやサテライトオフィスの利用など、仕事に支障をきたさない程度に離れることを検討してみるのもいいでしょう。

職場の人間関係を改善するには努力が必要

いったんこじれた人間関係の改善は容易ではなく、時間を要するケースも多いので、できるだけ早めに対策を講じることが重要です。

いくら相手の態度が悪いからといって、相手を変えようとしたり、変わるのを待っていても状況は変わらないでしょう。

改善への第一歩は、まず自分から相手への接し方や仕事への取り組み方を変えることです。

1人で抱え込まずに、周りの人にフォローしてもらいながら、誠意を持って仕事に取り組めば、関係は改善していくのではないでしょうか。

(熊谷佐知恵)

※画像はイメージです

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