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【心理学】仕事が苦痛な理由は? 耐え続けるリスクと7つの対処法

浅野寿和(心理カウンセラー)

「精神的にしんどい」「人間関係がうまくいかない」「業務がつまらない」など、さまざまな理由から仕事を苦痛に感じている人は少なくないはず。できれば対処して、毎日楽しく過ごしたいですよね。そこで今回は、心理カウンセラーの浅野寿和さんに「仕事が苦痛な時の対処法」を教えてもらいました。

仕事をしていると、苦痛に感じる瞬間がある人もいると思います。

仕事が苦痛だと感じる理由は1つではありません。だからこそ、その対処法も変わってきます。

今回は、仕事が苦痛だと思う時に考えられる理由から、そのまま耐え続けることによるリスク、対処法まで解説します。

仕事が苦痛だと思う理由

仕事で苦痛を感じる理由はさまざま。なぜつらいのか気付けないことも多いです。まずは代表的なものを挙げていきますね。

(1)対人関係のトラブルを抱えている

最も多い事例が、対人関係のトラブルです。同僚や上司、部下、顧客などと対立していたり、理解が得られず意見の相違ばかり続く、理不尽な批判や評価ばかり受けるなどの状況にあると、やはり大きな苦痛を感じます。

(2)会社で孤立している

会社の中で誰とも話さない、相談できないという状況が続いている場合もあります。人と関わらないことで分離感を抱き、次第に苦痛に思い始めることがあります。

(3)義務感だけで仕事をしている

「仕事はやるべきもの」など、義務感だけで仕事と向き合っている場合も苦痛を感じます。

そもそも「やるべき」だと感じている事柄は、面白く感じられないことが多いです。義務感を持ち出さないと仕事ができない場合、それが苦痛の原因になるでしょう。

(4)自分の能力・適性が合っていない

人は「充実感や達成感のない自分」に価値を感じにくくなるものです。自分の能力や適性などを十分に生かせないと、仕事をしていても満たされた気持ちを感じられません。自分のことをちっぽけに感じることが、次第に苦痛に変わっていくケースです。

(5)自分の性格に合っていない

マイペースな人が毎日数字やノルマに追われている、活動的な人が単調で孤独な仕事に就くなど、自分の性格に合わない仕事を続けていると、やはり苦痛を感じやすくなります。

(6)人の目を気にし過ぎている

自信がなく、周りの人の目や評価ばかり気にしていると、仕事の内容とは関係なく苦痛を感じやすくなります。何事も自分で決めるのが苦手で、周囲と比較して自分を否定してしまうところがある人に多いパターンです。

(7)疲労がたまっている

疲労がたまった状態で仕事を続ければ、苦痛を感じます。特に心の疲れは気付きにくいものです。今まで苦痛を感じなかったシーンでもつらいと感じるなら、かなり疲れがたまっていると考えていいでしょう。

(8)プライベートで問題を抱えている

恋愛や結婚生活でのトラブル、友人関係の悪化など、プライベートで問題を抱えていると、仕事が負担に感じ、つらくなることもあります。仕事中も気分がめいり、頑張ろうと思えば思うほど苦しくなるのです。

(9)不安で転職できずにいる

例えば、経済的な不安や年齢的な不安などから、転職したいけどできないと思っている状況だと、現在の仕事に苦痛を感じやすくなります。

仕事が苦痛のまま過ごすと起こること

仕事が苦痛のまま過ごすことには、さまざまなリスクがあります。最も大きなリスクは、自分の幸せを後回しに考え始めることです。

(1)気分が落ち込みやすくなる

苦痛を我慢ばかりしていると、心が疲れてしまいます。そうすると、次第に不安が強まり、それと共に気分の落ち込みも強くなっていきます。ささいなことで傷つきやすくなったり、頑張る意欲も湧かず、ドンヨリとした気分が続く場合もあります。

(2)自分にも他人にも攻撃的になる可能性がある

人は苦痛を感じている時ほど寛容になれず、何事にも攻撃的になりやすいです。ささいなことでも他者を攻撃したいという気持ちに駆られてしまうこともあります。もちろん自分のことも好きになれないので、自身を責めやすくもなります。

(3)自分の幸せを後回しに考え始める

つらい時ほど、何も考えたくないと思いませんか? 苦痛を我慢していると、本当は興味のあること(おしゃれ、恋愛、未来のことなど)に関心を持つ余裕を失い始め、自分の幸せを後回しにしてしまうようになる傾向があります。

仕事が苦痛な時の対処法

苦痛を感じたままにしておくと、リスクがあることが分かりました。最後に対処法を紹介するので、自分に合った方法を見つけて取り入れてみてください。

(1)仕事から遠ざかる時間をつくる

苦痛なものに触れ続けると、その思いが増します。一時的でも仕事から離れる時間をつくることは、心の休息になりますし、冷静に今後について考えるいい機会にもなるでしょう。プライベートな問題を抱えている場合は、その解決を優先することも有効です。

(2)対人関係の問題に対処する

対人関係の問題で悩んでいて苦痛に感じている場合は、上司や会社などに相談する方法も有効です。あまりにトラブルが多いなら、環境を変えることも視野に入れてみるといいでしょう。

(3)我慢する癖があれば見直す

我慢はストレスに耐える方法の1つですが、続けると不安や気分の落ち込みを強めてしまいます。

あまりに我慢することが多いなら、癖になっている可能性もあるため、なぜ我慢ばかりしてしまうのかを根本的に見つめて、考え方や物の見方を変えるように心掛けていきましょう。そうすることで今までと感じ方が異なってくるかもしれません。

(4)自分に合った気分転換をする

休暇を取る、好きな人と会う、相談できる人に話す、好きなことをする、泣きたい時はちゃんと泣くなど、自分に合った気分転換を意識して行うこともストレスが発散できるので取り入れてみてください。

(5)思い切って転職する

自分の能力が十分に発揮できなくて苦痛を感じている場合は、仕事を変えることも有効です。自分に合った洋服を自由に選んでいるように、仕事も自分で選んでいいのです。

(6)物事の優先順位を見直す

仕事で苦痛を感じている人ほど、仕事を最優先に考える傾向があります。

確かに仕事もお金も大切なものですが、自分以上に大切なものはありません。自分にとって大切なものは何かを見つめ直して、一番大切なことについて考える時間を増やすと、気持ちが楽になるでしょう。

(7)自分の価値や魅力を認めて受け入れる

つらい時に自分の課題や短所ばかり着目していても、気分は滅入る一方です。勇気を持って自分の価値や魅力を認めて受け入れる意識を持ってみると、心が楽になるはずです。

苦痛を感じる自分が悪いわけではありません。今の自分を否定せず、認める意識を持つことがポイントです。

無理せず自分のペースで進もう

仕事で苦痛を感じることは、誰にでも起こり得ることです。その時、ただ苦痛に耐えようとしてもうまくはいかず、そのまま過ごすと気分の落ち込みが強まり、自分を見失いやすくなります。

仕事で苦痛を感じるなら、まずは休養すること。少し冷静になって、自分に合った対処法を取り入れてみてください。

(浅野寿和)

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※画像はイメージです

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