塩対応ってどういう意味? 塩対応をする人の心理や対処法
「塩対応」とは、そっけない・愛想のない対応のことを指す言い方です。好きな人に塩対応をされるとショックですよね。今回は心理カウンセラーの高見綾さんに、塩対応をする人の心理や、好きな人から塩対応をされた時の対処法について教えてもらいました。
そっけないという意味で使われる「塩対応」という言葉ですが、最近になって耳にするようになった人も多いかもしれません。
そもそも「塩対応」とはどういう意味なのか、語源を含めて詳しく紹介します。
また、塩対応をする人はどういった心理があるのでしょうか。好きな人から塩対応された場合の対処法についても詳しく解説します。
「塩対応」の意味とは?
まずは「塩対応」の意味や語源を紹介していきます。
塩対応とは「そっけない・愛想のない対応のこと」
塩対応とは、「そっけない、愛想のない、冷淡な接し方を指す言い方」(出典:『実用日本語表現辞典』)をいいます。
例えば会話の中で、「ねえねえ、今日良いことがあったんだよ!」に対して、抑揚のない声で「へー」「あっそう」といった、そっけない返事をするなど、思いやりが感じられない対応をしたような場合に「あの人は塩対応だ」というように使われます。
語源はアイドルの握手会対応
もともとは、味を表現する「しょっぱい」が、大相撲やプロレスで「弱い」「つまらない」といった意味を表す隠語として使われていました。
近年になって、アイドルの握手会でのファンに対する冷たい対応が、「しょっぱい」をたとえて「塩対応」と呼ばれるようになったことで、この言葉が世間一般に広まるようになりました。
「塩対応」は、想像よりそっけない対応で残念に思ったファンがやゆしたことがきっかけで生まれた言葉なので、もともとはネガティブなニュアンスでした。
日常でも冷たい対応を取られると「私のこと嫌いなのかな? 話したくないのかな?」と感じることがほとんどだと思います。ですが最近では、誰にでも愛想が良いような人よりも、素直でうそがつけない塩対応の人の方が良いと感じる人もいるようです。
塩対応をする人の心理とは?
続いては、塩対応をする人の心理について解説していきます。
人見知りで警戒している
人見知りで警戒心の強いタイプの人は、なかなか心を開こうとしないため、対応もそっけなくなりがちです。
本人としては塩対応をしているつもりはないのですが、怖がりのため、結果的にそうなってしまっています。
そもそも人付き合いが苦手だったりするので、気の利いたことが言えないからと黙ってしまったり、口数が少なくなったりしてしまいます。
また、自分に自信がないので、なるべく素を見られたくないと思っています。そのため相手との間に心理的に壁を作っており、信頼関係を構築するのに時間がかかるタイプともいえるでしょう。
恋愛に対しても慎重で、自分からアプローチすることは少ないです。恥ずかしがり屋の人も多く、自分の気持ちを隠そうとして愛想の無いぶっきらぼうな態度を取ってしまうことも多いです。
自分は自分、他人は他人と思っている
精神的に自立していて、さっぱりあっさりとした性格をしている人は、面倒事は嫌いで穏やかに過ごしたいと思っています。
そのため、他人に必要以上に干渉することもないですし、自分のことも干渉されたくないと思っています。
他人が何かに悩んでいても、それは他人の問題だと捉えているので、相手から話を聞いてほしいとお願いされない限りは、自分から積極的に関わったり必要以上にベタベタしたりしません。
適度な距離感のある人間関係を築くタイプなので、一人行動も好きです。本人にしてみたら普通に振る舞っているつもりが、周囲からは塩対応だと思われてしまうのです。
相手に興味がない
自分の気持ちに素直でうそがつけないタイプの人は、興味のない相手に対してそっけない態度を取りがちです。
興味のあるもの、ないもの、好きなもの、嫌いなものが比較的はっきりとしており、性格に表裏がありません。
ちなみに、仲良くなった後であっても、気を許したことで塩対応をしてしまうケースもあります。
その場合は、「これくらいは大丈夫だよね」という甘えの気持ちからやっているので、本人としては信頼関係があると思っていたりします。
あなたや周りの人の塩対応度はどのくらい? 10の質問で診断します。
塩対応された時の対処法
ここでは、好きな人から塩対応をされた時の対処法を紹介します。
そういう人だと受け入れる
冷たい対応をされてしまうと、「ひどい」「私のこと嫌いなの?」とショックを受けてしまうことがあると思います。
ですが、塩対応する人の中にはもともと人見知りであったり、あっさりした性格であったりして、本人に悪気があるわけじゃないことも多いです。
恥ずかしさを隠すために、そっけなく振舞ってしまうタイプの人であれば、気にせず普通に接してもらえた方がうれしいはずです。
こちらが警戒してしまうと余計に距離が開いてしまうので、「こういう人なんだ」と受け入れていつも通り接しましょう。
なるべく本人を変えようとせず、ありのままを受け入れてあげるようなつもりでいると良いですね。
特に、会っている時は普通なのにメールやLINEだと塩対応という場合には、メールやLINEが苦手なだけという可能性が大。
他の人に対しても同じようにそっけない対応をしているのであれば、個性だと思って受け入れてあげた方が関係もうまくいきやすいです。
ゆっくりと時間をかけて関係を構築する
塩対応する人は恋愛には慎重な傾向があります。
ぐいぐいアプローチをすると、引かれてしまう可能性がありますので、ゆっくり時間をかけて距離を縮めていきましょう。グループで仲良くしていく方法も良いかもしれません。
また、塩対応をする人は裏表が無い性格をしていることが多いので、まずは人としての信頼関係を築いていくところから始めたいものです。「この人は信頼できるな」と思ってもらえれば、少しずつ話してくれるようになってくるでしょう。
もし、冷たい対応の理由が自分にあまり興味を持たれていないということであれば残念に思ってしまいますが、その場合はまず接触回数を増やして感じ良くあいさつをするところから始めてみましょう。
接する頻度が上がれば、その分興味を持ってもらえるようになるかもしれません。
さりげなく好意を伝える
塩対応する人は、不器用なタイプの人が多いです。
なので、あまり回りくどい方法を取っても気付いてもらえなかったりするので、できるだけストレートに好意を伝えていくのが良いでしょう。
「私は○○くんのそういうところ、正直で良いと思うけどな~」「○○さんと話してると楽しい」と素直な気持ちを表現しましょう。
そうやって褒めてもらえると嫌な気はしないものなので、いずれ心を許してくれるようになるかもしれません。ただ、ぐいぐいアプローチしすぎると相手が引いてしまう可能性があるので、加減も調整しましょう。
また、知り合いに、「○○さんって良いよね~」と間接的に褒めておくと、いずれ本人の耳に届きます。
間接的に言われることで、それまで興味がなかった相手であっても意識してしまうことも十分ありますので、めげずに様子を見ましょう。
すぐに結論を出さずに相手の様子をよく見極めること
好きな人に塩対応をされたらショックですよね。
でも、冷たい対応をされたとしても、本人には悪気が無い場合もあります。もともとあっさりした性格だということもありますし、人付き合いが苦手なだけという可能性もあります。
もちろん興味を持たれていないから愛想がないという可能性もありますが、すぐに結論を出すのは早いかもしれません。
相手の様子をよく見極めながら、それぞれの心理に合った対応を心掛けたいですね。
(高見綾)
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