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心の壁を壊すには? 人間関係をうまく構築するためのポイント

秋カヲリ

誰に対しても「心の壁」を作ってしまうことから、対人関係に悩みを抱えていませんか? 今回は、心の壁を作ってしまう人の特徴や壁を壊す方法を、心理カウンセラーの秋カヲリさんに教えてもらいます。

「心の壁」が分厚い人は、なかなか本心を見せられず、他者とのコミュニケーションが不器用になりがちです。人間関係がうまく構築できず、悩みを抱えることも多いでしょう。

では、心の壁を取り払い、ありのままの自分でコミュニケーションするにはどうしたらいいのでしょうか? 心の壁を作ってしまう人の特徴や心理、心の壁を取り除く方法を解説します。

心の壁が分厚い人の特徴

始めに、「心の壁」を作ってしまう人や分厚い人に見られる言動と性格の特徴を紹介します。あなたにも、当てはまる部分があるのではないでしょうか?

言動の特徴

(1)「自由」という言葉をよく使う

心の壁が分厚い人は「自由」という言葉をよく使い、束縛を過剰に嫌がります。誰しも束縛されるのは嫌ですが、自由の欲求が過剰で、束縛を極端に恐れるのです。

「自由じゃなくなったら自分じゃなくなる」くらいの強迫観念があり、時には他者との関係や連絡を突然絶ってしまいます。

(2)単独行動を好む

単独行動を好むのも特徴です。他人との間に心の距離があるため「一人になりたい」という気持ちが強く、親密な人間関係を避けがちです。

広く浅い交友関係なら問題ありませんが、あまり狭く深い人間関係を作ろうとはしません。

(3)プライベートな話をあまりしない

心の壁がある人は自己開示をあまりしません。

自己開示とは、自分の本心を他人に見せること。プライベートな話は自分の本心(ありのままの自分)を見せることにつながるので、相手に弱みを見せるような感覚になるのです。

(4)深刻な話になると話題を変える、その場を離れる

自己防衛の一種で、他者から自分を守ろうとするのです。相談事や深刻な話を打ち明けられることによって、他者が心の距離を詰めてくると感じ、強い恐怖を抱きます。

こうした話になると、話題をすぐ変えたりその場をすっと離れたりする人には心の壁があります。

(5)感情をあまり表に出さない

心の壁があるということは、自分をさらけ出さないということ。特に、感情を顔や態度にあまり出さず、喜怒哀楽が分かりにくいです。

何をしていても冷静で、淡々と話をしたり聞いたりしているような人は、心の壁が分厚い状態にあるといえるでしょう。

(6)よく目をそらす

目をそらすのは、他者と心の距離を取るのに使われるボディーランゲージの一種。

心の壁が厚い人は、他者から自分を守りたいという気持ちが強く、心の距離を取るためにあえて横を向いたり背を向けたりして目をそらすことが多いです。

向かい合って話しているのにあまりこちらを見ず、目が合わない……なんてことがよくあります。

性格の特徴

(1)ドライ

ドライな性格の持ち主は、心の壁を作りがちです。他人のことに深くまで立ち入ろうとせず、常に割り切った関係をキープします。

感情移入したり共感したりすることも比較的少なく、冷たい印象を与えることも多いでしょう。

(2)疑り深い

心の壁を作る人は、過去に裏切られた経験があるなどトラウマを抱えているケースも多いです。それらの経験から、自分が傷つかないように人を疑って信用しないことがよくあります。

たとえ知人・友人であったとしても、自分が安全な環境にいるとは思えず、常に細心の注意を払って周りを観察しているのです。

(3)被害者意識が強い

心の壁が厚いということは、自分を守ろうとする意識が強いということ。そして、自分を正当化するために被害者意識も強くなりがちです。

理由は、本来自分が悪いことであっても被害者側になれば正当化できますし、「悪くない」と主張すれば周りからの共感を集められるからです。

(4)プライドが高い

プライドが高い人も、自分のプライドを守るために心の壁を厚くする傾向があります。他者と距離を保っていれば、自分のプライドが傷つけられるリスクを下げられるからです。

特に、ストレートにものを言う人とは距離を取りがちです。

(5)借りを作るのを嫌がり、貸しを作る

自分を守りたくて壁を作っている人は、なるべく自分が優位に立ちたいと考えています。自分が下になってしまうと、相手から自分を守れないからです。

そのため他者に借りを作るのを嫌い、借りを作るくらいなら貸しを作って優位に立とうする傾向があります。

心の壁を作ってしまう人の心理

どうして、心の壁を作ってしまうのでしょうか? その心理もお伝えします。

(1)自分が他者に飲み込まれるのが怖い

人は親密になればなるほど、距離が縮まり相手への理解が深まっていきます。

それでもお互いの間に境界線がある(違う人間である)ことを分かっていれば問題ないのですが、この境界線が曖昧な人は、仲良くなるほど自分が相手に飲み込まれるような恐怖を感じます。

そこで相手が自分に歩み寄ってくると拒絶したり、攻撃的な態度に出たり、心の壁を作ったりするのです。

(2)他者が自分の自由を奪うと思っている

「今度一緒に飲みに行こう」といった誘いはうれしいものですが、心の壁が分厚い人は関係が深まるにつれ自分の自由が奪われるように感じます。

中には予定を聞かれるなどのささいな質問も、他者に自分のパーソナルスペースを犯されるようで恐怖を感じる人もいます。

(3)他者を信用していない

こうした極端な恐怖は、他者を信用していないから生まれるものです。

過去に起こった何らかの経験がきっかけで、他者を信用できなくなった人は少なくありません。こうした人は他者と親密になりたいという欲求があまりないので、心の壁を作ります。

(4)傷つきたくない

自分を守るのは、傷つきたくないからです。

とにかく自分以外の人から危害を加えられるのを避けるために、心の壁を作って他者が自分に近づかないようにしています。

自分の心の壁を壊す方法

分厚い心の壁を作ってしまうと、普段の生活でも生きづらさを感じることがあるでしょう。最後に、心の壁を壊す方法を4つ紹介します。

(1)自分の感情を知る

心の壁を作る人は、他者だけでなく自分にも壁を作り、自分の感情に鈍感になります。しかし、心の壁を取り除いて人間関係を築く際に、自分の感情を知るのはとても大切です。

自分の体の感覚、頭で考えていること、胸に感じる衝動などをじっくり捉えてみてください。自分でいずれかを抑圧していませんか? 怒りや不安などの感情を自認して受け入れることで、本来の自分を少しずつ開放できるようになり、心の壁を取り除いていけます。

(2)思っていることを吐き出す

自分の感情や本心を感じ取れたら、次にそれを吐き出します。

できればセラピストなどの専門家がベストですが、信頼できる友人やパートナーがいればそうした人に打ち明けてください。話す相手は安心できる人や、否定せず受け入れてくれる人にしましょう。

誰にも打ち明けられない場合は、自分で紙に書き出してもOKです。これで心の壁を作らずに自己開示する練習ができます。

(3)他人の目を気にしない

心の壁を作っている人は、他人の目を気にして「良い自分」「強い自分」「正しい自分」などを見せようと気負っています。こうやって他人の目を気にしているうちは、リラックスできず心の壁を壊せないでしょう。

いきなり気にしないようにするのは難しいかもしれませんが、あなたが思うほど他人は自分を見ていないものです。「自分は自分」と考え、他人の目はいったん忘れましょう。

(4)欲望に素直になる

心の壁が分厚い人は、自分の欲望を抑えて感情にふたをしています。

しかし、こうした欲望に対して素直になり受け入れることで、ありのままの自分を肯定でき、他者との間にある心の壁もだんだんと取り除けます。

最低限の節度は必要ですが、自分の本心に眠る欲望を抑圧しすぎないようにしましょう。

心の壁を取り除くと生きやすくなる

心の壁を作って自分を守ってきた人からすると、心の壁を壊すのはとても勇気のいることです。しかし、心の壁がなくなることで良質な人間関係を築きやすくなり、自分自身も生きやすくなります。

まずは自分を抑圧してコントロールするのをやめ、少しずつ他者との距離を縮めていきましょう。本音で話せる相手が生まれると、心地良い安心感に包まれますよ。

(秋カヲリ)

※画像はイメージです

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