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合コン相手を恋に落とす「魔法のワード」 #合コン幹事の上野さん【経営者編・第2章】

【連載】合コン幹事の上野さん

ラブホの上野さん

大人気恋愛コラムニスト・ラブホの上野さんが「合コン幹事」となり、毎回異なる職業の男性2名:女性2名の合コンに同席! 主に女性メンバーの言動を観察しながら「OKポイント」と「NGポイント」を解説します。

最近ではマッチングアプリの台頭などもあり、めっきりその数を減らした合コン。

しかし、合コンでの会話術やテクニックは合コン以外の恋愛でも応用可能なのは間違いありません。

というわけで今回はマイナビウーマン編集部のたかはしさん&あーりんさんの合コンに幹事として同席し、そのあとに私が働くラブホのスタッフルームで反省会。ダメなポイントとよかったポイントを分析させていただきました。

前回はお2人のダメだったところを中心に解説していただきましたが、今回は逆に「よかった点」を中心に解説させていただきます。
よかったです……心が折れかけていましたから……。
それでは今回もよろしくお願いします!

今回の戦場

Koru Takanawa Gateway Hostel, Café&Bar
東京都港区高輪2-6-7

1階はCafé&Bar、2・3階はドミトリールームと個室を用意した宿泊施設。泉岳寺駅から徒歩8分、3月に開業する「高輪ゲートウェイ駅」から徒歩5分。

今回の合コンメンバー

小柳津林太郎
38歳。言わずと知れた『バチェラー・ジャパン』シーズン2に出演した2代目バチェラー。新卒で入社したサイバーエージェントで幹部を務め、アメリカ子会社の立ち上げを牽引。2019年に独立し、株式会社GHOSTを起業した。

熊田勇太
25歳。2010年代にネットで話題になった、中学生4人組のプリクラ「チャリで来た」右上の人物。現在はイケメンシェフとしてテレビなどに出演し、今年から株式会社GHOSTの子会社Fuego代表取締役として飲食事業を経営。

たかはし/マイナビウーマン編集部
29歳。コスメオタク。今気になっているジャニーズグループはSnowMan。好きなタイプは円周率100桁言える人。

あーりん/マイナビウーマン編集部
27歳。群馬の秘境から上京。今気になっているジャニーズグループはSixTONES。好きなタイプはとにかく高学歴。

本心を見せると安心する

今回の合コンを見ていて、個人的に一番ナイスだと思ったのはこの場面です。

小柳津「そういえばお2人はお酒を飲まないんですか?」

あーりん「実はお酒を飲むとはっちゃけすぎてしまうので……」

小柳津「いいじゃんいいじゃん(笑)。はっちゃけすぎるくらいがいいって」

あーりん「ほんとに!?」

この場面の何がよかったんですか?
本心が見えたんですよ。
本心?
小柳津さんはあーりんさんよりもひと回り以上年齢が離れています。ですので、あーりんさんは小柳津さんに対して常に敬語を使って話をしていました。でも、それは悪いことではありません。かなり年齢の離れている小柳津さんに終始タメ口で話していたら、人間性を疑われますからね。
そりゃそうですよ……。
ですが、あーりんさんはこの合コンで初めてタメ口を使いました。本来であれば「本当ですか!?」と言う場面で「ほんとに!?」と言ったのです。
その……あまりにも意外だったので思わずタメ口が出てしまったんです……申し訳ありません……。
いえ、むしろそれがよかったんです。
???
あーりんさんはずっと敬語だったせいで、本心がなかなか見えてこなかったんです。第三者の私目線で見ても「気を使ってるのかな?」「あんまり楽しんでいないのかな?」と感じていましたからね。実際に参加している小柳津さんや熊田さんの目線では、かなりそう見えたと思います。
たしかに……正直私から見ても「気を使ってるな」って思いましたもん。
(そりゃ気も使いますって……)
しかし、あーりんさんの「ほんとに!?」というひと言はその印象を打ち壊しました。あの場面だけは、あーりんさんが気を使わずに喋っているように見えたんですよ。
でも、お酒を飲むか飲まないかみたいな話ですよ?
話の内容はどうでもいいんです。重要なのは「あーりんさんが男性の前で素を見せた」ということ。男性は、女性に素を出されると好きになるんです。
そんなにちょろいんですか!?
ちょろいです。もちろんこれだけで勝負が決まるような話ではありませんが、小柳津さんと熊田さんの中で、あーりんさんへの好意が爆上がりしたのは間違いないでしょう。
でも、どうして素を見せるとそんなに好意が爆上がりするんですか?
人間は「自分のことを好きな人」を好きになる傾向があります。特に男性はその傾向が顕著です。そして男性にとって「女性が見せる素」というのは親愛の証なんですよ。
そうだったんですね……。
そのため「素に見える発言」は非常に重要です。これは通常、雰囲気でそれを伝えるしかできないのですが、あーりんさんのように「思わず出たタメ口」は「素っぽさ」を演出するためには非常に有効だったといえるでしょう。素晴らしい作戦でしたね。
いや……狙ってやったわけではないのですが……。

簡単にウケるワードテクニック

それでは次に、会話が盛り上がる簡単なテクニックについて解説しましょう。今回そのテクニックが登場したのは、合コンの最中のこの会話です。

たかはし「この前、沖縄に行ったんですよ。それで居酒屋で飲んでいたら、えーっと、原住民の方と……

小柳津「原住民!?(笑)」

熊田「“現地の人”でしょ?(笑)」

たかはし「すいません間違えました……」

小柳津&熊田「(笑)」

たかはし「で、居酒屋で飲んでるときに話しかけてくださった現地の方が、泡盛の『久米仙』を作っていた人だったんですよ」

(中略)

小柳津「そういえば俺も、この前沖縄で会った……」

たかはし「原住民の人?」

小柳津「そそ、って違うわ!!(笑)」

たかはしさんは「現地の人」と言おうとして、間違えて「原住民」と言ってしまいました。
お恥ずかしい限りです……。
まぁ、言い間違えは大した問題ではありません。むしろ言い間違えて照れている姿は魅力的に見えたと思いますよ。
ありがとうございます……?
重要なのは「原住民」と「久米仙」という2つのワードです。
ここまで原住民ネタを引っ張られると思ってなかったので、恥ずかしすぎます。
まずは「原住民」というワードですが、このようにウケたワードを別の場面で使うのは、簡単に笑いが取れるのでおすすめです。実際に小柳津さんが言い淀んだときに、たかはしさんは「原住民」というワードを刺していますが、ウケを取るという意味では素晴らしいツッコミでした。
なるほど……。
そしてもうひとつ重要なのが「久米仙」です。お恥ずかしながら私はお酒を飲まないので「久米仙」という単語を知らなかったのですが、小柳津さんと熊田さんはお2人とも飲食関係の仕事をしていることもあり、ご存知でした。
まぁ、有名な泡盛ですからね。
そうなんですね。
それで、「久米仙」がなんで重要なんですか?
昔、接待をしているときにこんなことがありました。

おじさんA「俺はみゆきが好きなんだよ(※みゆき=中島みゆき)」

上野「あ、私も好きです」

おじさんA「そうか。なら何か歌ってみ」

上野「はい」

~『地上の星』を歌う~

上野「よく聴いていたんです!」

おじさんA「うん、まぁええんちゃう?」

接待のカラオケでよく見る光景ですね。
はい。でもこれ今にして思えば、結構ダメな対応だったんです。
え、どうして?
もちろん『地上の星』も名曲ですよ? ですが『地上の星』はプロジェクトXのテーマ曲なので、一般知名度が非常に高いんです。
私もよく知っている曲です。
だけど「俺はみゆきが好きだ」なんて言うおじさんは、そういう曲はあんまり好きじゃないんですよ。本当に中島みゆきが好きな人しか知らないような曲を好きということに、ステータスのようなものを感じているといえるでしょう。
めんどくさい……。
気持ちはわかりますが、そういうものだからしかたない。
ちなみに今の上野さんなら同じ状況で何を歌うんですか?
『悪女』とかかなぁ……。本当にファンしか知らないようなマイナーな曲を選ぶと、おじさんが知らなくて逆に気まずくなるので難しいんですよ。なお「俺はユーミンが好き」と言っているおじさんの場合、苗字が「松任谷」になってからのユーミンの曲は基本的に危険です。
旧芸名「荒井」時代のユーミンの曲を歌わないといけないんですね……。
話が脱線しましたね。戻しましょう。つまり何が言いたいかというと「マニアックな話」は盛り上がるということです。
なんかわかります。
それがいったい何に関係するんですか?
「久米仙」というワードがどの程度マニアックかはわかりませんが、少なくとも「泡盛」と言うよりは間違いなくマニアックでしょう。そして小柳津さんと熊田さんはお2人とも飲食関係の事業に携わっているので、そのワードを知っていた。つまりマニアックな話題で盛り上がれたんです。
ああ、なるほど。
会話の中で「相手が知っている範囲で、できる限りマニアックなワード」を出すのは、関係を親密にする上で非常に重要です。ですので、ここで「久米仙の~」と言ったのは非常に素晴らしかったです。
(やっと褒められた!)
ただ、にわか知識でこれをすると非常に危険なので注意してください。さっきの「中島みゆき」の話だって、ガチのみゆきファンは今頃「わかってねえくせに語るんじゃねえ!」って怒っているはずです。

「アクティブな女性が好き」の罠

ところで、この合コンで熊田さんと小柳津さんが「アクティブな女性が好き」と言っていたのを覚えていますか?
あ、はい……覚えてます。

たかはし「お2人はどんな女性がタイプなんですか?」

熊田「俺はアクティブな子かなあ。自分もアクティブだから」

小柳津「わかる! アクティブな子っていいよね。2人はアクティブなほうですか?」

あーりん「私は家で過ごすのが好きだし、あんまりアクティブじゃないかなあ……」

たかはし「私は旅行することが多いので、結構アクティブかもしれないです!」

私は正直あんまりアクティブじゃないので、それをそのまま言ったんですけど、やっぱりまずかったですか?
いえ、それは問題ではありません。もちろんアクティブならそれに越したことはありませんが、嘘をつくよりはマシです。それに「アクティブな女性が好き」と言っている2人に対して、「私はあまりアクティブではない」と言うのは完全に本心に見えますからね。素を見せるという意味でもいいと思います。
よかった……。
あ、私はアクティブって言いましたよ。
うーん……。
また何か問題が?
問題……とまでは言いませんし、たかはしさんに悪いところがあるとも思わないんですが、結構危険だった気がするんですよね……。
なんでですか?
男性、特に今回の2人が言う「アクティブ」というのは、たかはしさんの考える「アクティブ」とはちがう可能性が高いんです。
というと?
そもそもたかはしさんはどうしてご自身を「アクティブ」だと思うんですか?
そりゃ……休みの日は出かけることも多いですし、長い休みがあれば大体旅行してますから。
その旅行先は?
今年は沖縄に行きました! あと海外も好きなので、韓国とかタイとか台湾とか。
やっぱり……。
何か問題でも!?
いえ、たかはしさんに問題はありません。ただ小柳津さんと熊田さんの考える「アクティブ」と、たかはしさんの考える「アクティブ」がかなりちがう可能性が高いというだけです。
というと?
前回も少し触れましたが、この2人はこの合コンの直前にアルゼンチンに行ってるんですよ。しかも治安の悪い地域で夜まで飲み歩いたりもしています。
ふむふむ。
一方で、たかはしさんの海外旅行先はメジャーなところばかり。それが悪いとは言いませんが、彼らから見ると「普通の枠からはみ出さない、アクティブではない人」に見えると思います。
そういうこと!?
彼らの考えるアクティブというのは、少なからず「常識の枠をはみ出す」という側面と「新しいことに果敢に挑戦する」という側面があるんです。旅行をしたからアクティブとかそういう話ではありません。むしろ家に引きこもりがちでも、いろんな趣味に挑戦していたり、わけのわからない趣味に傾倒していたりするほうが、彼らはアクティブな人と感じることでしょう。
あー……なるほど……。
特に彼らのような起業家はこの傾向が強いと感じます。
じゃあ彼らと同じようにそういうことをすればいいんですか?
彼らと同じことができる女性なんてそうそういませんよ。おそらく彼らは、金曜の20時くらいに「明日9時に羽田集合で!」とか言い出すタイプです。ぶっちゃけ女性でそれに対応できる人はほぼいません。
無理ゲーすぎる……。
ですので「アクティブな女性が好き」と言う男性の「アクティブ」を鵜呑みにするのは危険です。
じゃあ「アクティブな女性が好き」と言っている男性にはどう対応すればいいんですか?
そもそも論なのですが、男女問わず「好きなタイプ」なんて大して重要ではありません。まぁわかりやすく言えば、男性の言う「好きなタイプ」は「AVを買うときの基準」みたいなもんですよ。実際の恋愛とはそんなに関係ありません。
わかりやすいような、わかりにくいような……。
ですので、相手に合わせるために意見を曲げる必要もありませんし、過度に落ち込んだりする必要もありません。ありのままの自分で接すればいいのです。

最終回は「起業家男性の攻略法」

というわけで今回は、よかったところの解説でした。
(褒められたはずなのに、あんまり褒められた気がしない……)
次回の第3章(最終回)は「起業家男性の攻略法」編です。起業家として有名な小柳津さん・熊田さんの2人を分析し、彼らのような起業家の男性を好きになったときの攻略法を解説させていただきます。
よろしくお願いします!

(文:ラブホの上野さん、写真:masaco)

>【経営者編・第3章】(最終回)は3月下旬公開予定!

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