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理不尽な上司の特徴と対応方法。ストレスなく付き合うには?

小日向るり子

上司から仕事と関係のないことや非のないことで怒られたり、指示通りにやっているのに途中でちがうことを言われたりするなど、理不尽な仕打ちを受けることはありませんか? この記事では、そんな上司に振り回されてストレスをためないため、理不尽な上司との上手な付き合い方や対処法について、心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。

言うことが気分によって変わる、えこひいきをする、仕事の手柄を独り占めする、仕事のミスを部下に責任転嫁する……、あなたのまわりにこんな理不尽な上司はいませんか?

「会社を辞めたい!」と思った経験は誰にでもあると思いますが、それが難易度の高い業務に向き合ったときであればがんばって成長につなげようと思えるものの、理不尽な上司が原因である場合は精神が疲弊して虚しくなっていくだけですよね。

今回はこんな理不尽な上司に対抗するためのコツをお伝えしていきたいと思います。

理不尽な上司の特徴とは

職場にいる理不尽な上司の特徴とはどういったものがあるのでしょうか? いくつか例をあげてみます。

(1)気分屋

理不尽な上司の特徴の1つとしてあげられるのは気分屋だということ。感情の起伏が激しく、態度にも出てしまうことが多いでしょう。気分によって八つ当たりをされる可能性もあります。

昨日は優しかったのに、今日は厳しい……。コロコロと変わる上司の気分に振り回されると疲れてしまいます。

(2)言うことがすぐに変わる

言うことがよく変わる人も理不尽であるといえるでしょう。指示された内容に従って行動したはずなのに「それは違う」と責めらたといった経験がある人もいるのではないでしょうか?

言うことがすぐに変わる人は自分の発言に一貫性がなく、相手に無理難題を押しつけていることに気づいていない場合もあります。

(3)人のせいにする

自分が起こしたミスでも他人に責任を押しつける人もいます。本来上司は部下のミスをカバーする役割を担うはずなのに、無理やり部下のせいにするのです。

そういった人は目上の人には従順な態度をとる傾向にあり、上から怒られないために他人に失敗を押しつけるという自己中心的な行動に走るのです。

理不尽な上司に振り回されない付き合い方

それではまず、理不尽な上司に振り回されないためにどう付き合っていけばいいのか。まずは、大切な心構えをあげていきます。

(1)変えられるのは、上司ではなく自分だと認識する

人が変われるときというのは、「自らが変わりたいと願い、変わるために努力する」こと以外にありません。

組織で上の立場の人間はただでさえ奢りがありますので、上司が自ら変わろうと努力するタイミングを待つことは確率が低い他力本願です。

そもそも人間の自我は18歳くらいまでに形成されますので、成人した人間の人格や基本的な性質を変えようとすることは非常に難しいことなのです。

したがって、まず『自分が変わるのだ』という決意を固めてください。

(2)将来を見据える

これは仕事としての目標というよりも、人生における目標のことを差します。

「自分はどう生きていくのか」という自分の中の理念を定めるということです。

自分の会社を作りたい、貯金が○円たまったら移住したいといった明確な目標でもよいですし、結婚してもひとりで生きていける経済力は持っておきたいといった生き方でも構いません。

自分の中に軸があると、上司の存在は人生の通過点にすぎないことに気づき、上司の言動に心が振り回されなくなります。

(3)相手もひとりの人間であることを理解する

日常でイライラしたことがあると言いやすい人にあたってしまったり、矛盾した行動をとってしまったりといったことは誰にでもありますよね。

上司も同じひとりの人間です。

組織上、上の立場にいるからといって道徳的に完璧であるということではないのだと理解しましょう。

また「相手もただの人間だ」と心得ておくと、上の立場の人であろうと言うべきことは進言する強さも自分の中に生まれます。

理不尽な上司に責められたときの対応

では、ここからは具体的に理不尽な上司に責められたときの対処法をあげていきたいと思います。

(1)記録に残す

最近は録音をとるというケースも増えましたが、そこまでしなくてもメモなどで上司の言動を記録に残しておくことは大切です。

特に言うことがコロコロ変わるような上司の場合は、「○日までに企画書の提出ですね」などと声でも確認しながらメモを取ったり、指示のあとで相互確認した内容をメールで送信したりすることも、相手にプレッシャーを与えることができるので有効です。

(2)上司と離れる方法を冷静に考えてみる

理不尽な上司に振り回されることが続くと、次第に冷静な判断ができなくなります。

ひたすら受け流して耐えることで日々をやり過ごしても、無意識にストレスは蓄積されていきます。

疲弊して思考が麻痺しないうちに「この人と離れるためにはどうしたらいいか」を考えてみましょう。

異動願を出す、退職する、トップに直訴するなど、具体的な方法が浮かんでくるはずです。

(3)働き続けることのメリットとデメリットを洗い出す

上司だけに焦点を当てるのではなく、現在の会社で働き続けることについてもメリットとデメリットを洗い出してみましょう。

たとえば、下記のような感じです。

<メリット>
・福利厚生がしっかりしている
・定期的に上司の異動がある
・自分が異動願いを出せる
・あと1年で仕事のノウハウがほぼ学べる

<デメリット>
・異動はほぼない
・自分が一生やりたい仕事ではない

視点を、上司というミクロからマクロに切り替えていくのです。

(4)NOをハッキリ言う

NOが言えたら苦労しないよ! と思われた方もいるかもしれません。

しかし、前述した心得の(3)であげたように相手も同じ人間だと心得て、さらに上司のもとで働き続けるメリット・デメリットを洗い出して方向性が整理できると、NOを言えるようになります。

上司の中には自分が理不尽なことを要求しているとわかってやっている人もいます。

一度ハッキリとNOを突きつけることは、そうした上司に気づきを与えるきっかけになり得ます。

またこれは、自分をいつも責任転嫁する相手として利用している上司に対して、非常に有効なやり方です。

(5)仲間同士で結束する

理不尽な上司って自分だけがそう思っているのではなく、まわりの同僚からもそう思われていることが多いですよね。

このような場合は「数の力」を利用することを考えましょう。

上司の理不尽はさらに上の立場の人に直訴することが有効ですが、これはひとりで言うより多数で言ったほうが確実に効果を出せます。

辞める前にこう考える「理不尽な上司との関わりは人生の通過点にすぎない!」

人はひとつの大きなストレッサー(ストレスを引き起こす外部からの刺激)に関わると、そこに意識が集中してしまいがちです。

しかし、理不尽な上司との関わりは自分の人生の通過点にすぎません。

正面から向き合うも、ストレッサーから逃げることもあなたの自由。

今回はさまざまな視点から対処法もお伝えしましたので、会社の構造や上司の性格からもっとも適した攻略法を見つけてください。

たとえ上司であろうと、人に振り回されない人生を生きるのだ! と腹をくくると、とるべき行動が明確になります。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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