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1年記念日に手紙。2人の仲がさらに深まる、愛が伝わる手書きの魅力と秘策

内藤みか(作家・イケメン評論家)

つき合って1年。ふたりの最初の周年記念に、彼に心をこめたメッセージを贈りたい。そんなときは、たっぷりの愛を込めて、自筆の手紙で気持ちを綴ってみてはいかがでしょう。なぜ今、あえて“手紙”がいいの? 作家の内藤みかさんに、スマホのテキストメッセージとは異なる手紙の魅力と威力を語っていただきましょう。

普段のコミュニケーションはLINE一色だけれど、大切なときには、大切な人に、手書きの手紙を贈ってみたい。そう思っている人もいると思います。たとえば交際1年の記念日に、手紙を書いてみるのはいかがでしょう。

なぜLINEではなく手紙なのか

一年記念日 手紙
最近、メールを利用する人が減っています。理由は、LINEやメッセンジャーなど、メールよりもさらに簡易なメッセージアプリを使っているからです。

メールだと、件名に始まり、「◯◯様」と冒頭の宛名、次は「暑くなってきたね」などとあいさつをつけたりと、あれこれ前置きが長いことが面倒なのでしょう。

そんなメール以上に手間や時間のかかる“手書きの手紙”は、いまやすっかり見かけないものになってしまいました。でもだからこそ手紙は、カードや封筒を選ぶ手間もあわせて、心をこめて特別なときに贈るものとしての価値が出ているのです。

愛情ではなく、感謝を伝えるものとして

一年記念日 手紙
2人がおつきあいして1年という大切な節目に、手紙を書いて渡すというのは、とても素敵なサプライズになるでしょう。

けれど、いざ手紙を書くとなると、かしこまった敬語を使ったり、はりきって大げさな表現を使ってしまったりと、普段とは違う自分になってしまうことがあります。でもそれではとてももったいないので、素直な自分を出していきたいところ。

また、多くの女性は、ついつい手紙が長くなりがちです。それは「私はこんなにあなたが大好き!」というような、“好き好きアピール”を書きすぎてしまうため。

でも、1周年の記念の手紙では、情熱ではなく、感謝を伝えるために書いたほうがいいでしょう。「いつもありがとう」「これからもよろしくね」という純粋な気持ちを手紙にこめることに重点を置けば、手紙が長くなるリスクも避けられます。

想いは伝えすぎないことがコツ

一年記念日 手紙
以前、とある男性に相談されたことがあります。

まだ交際前の女性から、ものすごい長文の手紙を受け取ったけど、どう返事をしたらいいのかわからないというものでした。彼女は自分の生い立ちから今日までのことを、小学校時代、中学時代……と、まるで結婚式のメモリーアルバムであるかのように、歴史を長々と綴ってきたのです。

その手紙には「こんな私でもよければつきあってください」という意味があったらしいのですが、男性はかなり重く感じてしまい、結局、返事を出せませんでした。

一般的に、女性は自分の気持ちや状況を、相手にすべて伝えたがる傾向があり、伝え終わると、「あー、すっきり!」と自己満足してしまいがちです。でも、それを受け取る男性からすると、彼女の人生を自分が背負うような感じがして、かなりヘビーに感じるそうです。

行数が短ければ短いほどいい


手紙は長く書けば書くほど想いの深さが伝わるもの、というのは大きな誤解です。

受け取った男性にとっては、「これ……全部読み終わるまでに何分かかるだろう」と、重荷になってしまうことも。1周年記念だからと、「あんなこともあったね、こんなこともあったね」と2人の歴史をあれこれ綴りたくなるかもしれませんが、長すぎるものはおすすめできません。

“長すぎる”というのは、読むのに3分以上費やすようなタイプのものです。妥当な長さは、文字数でいえば、1000字程度。理想は、200字以内だと思います。

また、熱烈な言葉を並べたてるラブレターよりは、シンプルで、さりげないかたちで愛情を伝えるものがおすすめです。私がいい手紙だなと感心したものは「この1年で2人が一緒に食べたもの」を並べたものでした。

心を打つ、ほっこりエピソードで綴る手紙

初めてのデートで食べたイチゴケーキ、とてもおいしかったね。
一緒に出かけた海で食べたお刺身、すごく新鮮だったよね。
クリスマスにがんばって作ったチキン料理を、ほめてくれてありがとう。
この1年、おいしいものを一緒にたくさん食べたね。
これからも、いろいろ食べようね。

短いけれど、彼はとても喜んでくれたそうです。

2人にしかわからない共通の思い出がたくさんできたということに気づかされる、それでいて気持ちを押しつけすぎていない、こういう手紙が相手を感動させるのだと思います。

そして、これからも一緒にいたいという気持ちも伝わってきますね。

気持ちを伝える意外な手段、それは……

一年記念日 手紙

その昔、日本が貴族社会だった頃は、意中の姫の気持ちをつかむために、男性たちは恋文を贈りました。そこには和歌が書かれていたのです。ロマンティックな時代ですが、実は、現代の日本でも、それと同じようなことが行われているんです。

なんだと思いますか? 実は……カラオケです。

男性は、女性とふたりでカラオケに行った際に、自分の今の気持ちと近い曲を選ぶことが多々あります。「好きだよ」「愛してる」など、普段は照れくさくて言えない言葉も、歌としてならさらりと伝えられますよね。

彼がどんな選曲をするのか、さりげなくチェックしておくと、彼の気持ちを探るいろいろなヒントになると思います。

どうしても文章が思いつかないときの秘策

一年記念日 手紙

ある女性は、1周年の記念日に、恋人にカードを贈りました。そこにはただ、QRコードがついているだけ。恋人がそれを読み取ると、歌詞情報サイトに飛びました。そこにはとある歌の歌詞が表示されていたのです。

“いつもそばにいてくれてありがとう”というような、彼への想いがたくさんつまった曲で、彼はかなり感激したそうです。

どうしてもうまい文章が思いつかないひとは、こんな感じで歌詞に助けを求めるのもいいのではないでしょうか。「この歌、彼と私のことを歌っているみたい」と感じられる曲があるのなら、こうしたサプライズも楽しそうです。

そういえば、歌詞も、それほど長い文章ではありませんよね。

手紙を出してはいけないシチュエーションとは

一年記念日 手紙

ただ、自筆の手紙を渡すべきではないシチュエーションというものもあります。

たとえば相手が既婚者である場合は、やめておいたほうがいいでしょう。手紙が見つかってトラブルになる可能性がある場合は、書かないこともまた、ひとつの愛情表現なのです。

彼がシェアハウスや一時的な住まいに暮らしている場合も、手紙の置き場所に困るかもしれないので、配慮が必要かもしれません。

個人的におすすめなのは、折りたたみタイプのメッセージガードに手紙をしたためることです。カードなら、文字を入れるスペースは多くないので、必然的に短い文章しか入りません。また「好き」とか「愛してる」以外の言葉で、気持ちを表現する工夫をしてみることも大切です。

奥ゆかしさこそが、手紙の魅力

先ほどの2人で食べた思い出を並べた手紙からは、1年間、彼との時間を大切に過ごしてきたことが伝わってきますよね。

どうでもいい男性とのデートだったら、食べたもののことは、記憶にそれほど残りません。共に楽しんだ食べ物を並べることで、いかに彼を想ってきたのかが自然と相手に伝わります。

こういう奥ゆかしさこそが、手紙の魅力なのです。

(内藤みか)
※画像はイメージです。

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