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恋愛依存症の人の特徴は? 心理カウンセラー解説による診断・克服方法

熊谷佐知恵(心理カウンセラー)

「大好きな彼と一緒にいて幸せなはずなのに、常に怖れや不安がつきまとう」「SNSを監視してしまう」「友達より彼を優先することが多い」……。これらの行動に思い当たるふしがある人は、「恋愛依存症」の可能性があるかもしれません。恋愛依存症の人の特徴や恋愛依存症診断、恋愛依存症の克服方法を、心理カウンセラーが解説します。

大好きな彼と一緒にいて幸せなはずなのに、常に怖れや不安がつきまとう。

経済的にも精神的にも自立していたはずの女性が、恋愛をきっかけに相手に依存しすぎたり、自分を見失ってしまったりしたことがあるようです。

あなたも「もしかして、これって恋愛依存症?」と不安を抱えていませんか?

今回は、心理カウンセラー熊谷佐知恵が、恋愛依存度診断を通じて、原因や克服方法について紹介します。

「好き」と「依存」の違いとは?

「好き」は、自分に軸があり、相手のことも考えられること。

「依存」は、相手に軸があり、自分のことしか考えられないこと。

「好き」が、「隣にいてくれたらうれしい」だとしたら、「依存」は、「一緒にいてくれなきゃ無理!」。極端に言うとそんな感じでしょうか。

「好き」と「依存」の違いには、「好き」が主体的に湧き上がるポジティブな感覚であるのに対し、「依存」が強くある場合には、その「好き」にもいろんな意味や解釈をくっつけている人が多いな、と感じます。

たとえば、「こんなに一緒にいたいと(渇望感を)感じるのは、あの人を好きだから」とか。恋愛依存傾向の人には、その感じ方にもどこか余裕のなさや切迫感があります。

よく「嫉妬するのは好きだから」と考える人もいますが、嫉妬は独占欲から来るもので、どちらかというと「好きでいてほしい」という欲求です。

相手が忙しいときに「寂しい、会いたい」という気持ちを相手に伝えるか伝えないかということを例にあげるなら、素直に気持ちを伝えるのも「好き」だからといえますが、そこで拗ねたり怒ったり、相手を困らせてしまったら、それは「依存」です。

「好き」が愛情に育っていくときに、自分の身勝手な独占欲で相手のことを傷つけたくない、苦しめたくないと相手を思いやれるだけの自制心も芽生えるものです。

独占欲と愛情との間で葛藤しながら、自分と相手を思いやり、上手にバランスをとっていくことが、大人の恋愛なのかもしれませんね。

恋愛依存の原因

続いては、恋愛依存に陥る原因について解説していきます。

(1)過度な自立性がある

恋愛に依存してしまう人の中には、幼少期の家庭環境や状況になんらかのコンプレックスを抱いていたり、影響を受けていたりすることが挙げられます。

たとえば、「両親が共働きでいつも寂しい思いをしていた」「あまり褒めてもらえなかった」「ひとりっ子で遊び相手がいなかった」など、愛情不足が原因といえます。

逆説的ではありますが、幼少期から、そのようなニーズの抑圧があり、むしろ甘えることができない環境で育ってきた人は、早くに自立に向かいますが、その分、恋愛依存症になりやすいです。

自分のことを一番に考えてくれる彼ができたときに、その対象にしか依存できない自分がいるという場合、その自立性が強ければ強いほど、依存心は彼に強く向けられてしまうものです。

(2)過去の恋愛がトラウマになっている

過去の恋愛で失敗した女性や、昔の彼に浮気をされたなどのトラウマを持っている女性も、恋愛依存傾向になることも。

「こんなことを言ったら、恋人から嫌われてしまうかもしれない」「彼に捨てられたくない」といつも不安を感じて、その見捨てられる不安から相手に依存してしまうのです。

さらに過去のつらい経験が自分のせいだったと思い込んでいる場合、「次はうまくやろう」と必死になるあまり、男性に合わせようとする傾向があります。その結果、恋愛依存になってしまう女性も少なくありません。

(3)自分に自信がないため、相手に尽くしすぎてしまう

何かにつけ、相手に判断を仰ぐことが習慣になっていませんか?

このタイプの女性は自分に自信がないので、彼に委ねすぎてしまう傾向があります。

また、尽くすことで恋人が喜んだり、感謝してくれたり。それがうれしくて、どんどん尽くしてしまうタイプの女性は、依存度も上がっていきます。

恋愛という特別な関係の中で、自分の存在意義や価値を見出そうとしてしまうため、この関係なくして生きていけないような気がしてしまうのです。

「彼のことが大好きで夢中」と「恋愛に依存している」は違います。

もともと自分に自信がなく、無価値感があり、「こんな私と付き合ってくれた彼の理想の女性になりたい」という思いが執着となり、恋愛依存のきっかけになっていることも多いのです。

この場合、自分が彼の人間性に惹かれて好きになったというより、彼からのアプローチではじまる関係であることも多いようです。

自分の感情を感じ、自分の気持ちを尊重することができないので、表面的な関係性に固執してしまい問題の本質になかなか気づけないということもありそうです。

恋愛依存を克服する第一歩「恋愛依存度診断」

恋愛やパートナーシップは本来、楽しくて、自分を成長させてくれるステージです。

でも、それとは裏腹に悲しみや不安や寂しさも常につきまとうのもまた事実。そんなネガティブな感情は「依存的な心」が原因となって生まれることが多くあります。

依存があるというのは、あなたは人間だ、というくらい当たり前のことなのですが、そればかりでは自分も苦しいし、また彼を苦しめてしまいますよね。

大人同士の成熟した関係を持つためには、この依存心と上手に付き合っていくのがコツです。どんな結果が出ても、あなたの選択次第で変えていくことができます

そのためにも、まずは今現在のあなたを知りましょう。次の設問を、「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

(1)誰かを好きになるとほかのことが手につかなくなる
(2)友だちより彼を優先することが多い
(3)離れているときに彼が何をしているか、すごく気になる
(4)恋人のSNSを監視してしまう
(5)メールへの返信が遅いと嫌われたのかも? とすぐ不安になる
(6)自分の劣等感を相手といることで忘れられる
(7)さみしさのあまり好きでもない人と付き合ってしまったことがある
(8)別れる・別れないで、3カ月くらい揉めたことがある
(9)相手を束縛する、あるいは束縛されるような恋愛が多い
(10)多くの友人から「別れたほうがいいよ」と言われたことがある

・「はい」が0~2個の場合……恋愛依存度30% 正常

・「はい」が3〜5個の場合……恋愛依存度50% やや恋愛依存症の傾向あり

・「はい」が6〜8個の場合……恋愛依存度70% 恋愛依存症の傾向あり

・「はい」が9個以上の場合……恋愛依存度90% 恋愛依存症の可能性大!

▶次のページでは、恋愛依存を治す方法や、恋愛に依存しがちな人が幸せな恋愛をするためのポイントを紹介します。

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