「好きな男性のタイプは?」と聞かれたときの模範解答
“いつか友だちと語り合った理想の人とまるでかけ離れてるのに
Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ
私って少し変わり者なのね”
西野カナ『Darling』より
女心を歌詞にする天才である西野カナさんは『Darling』でこのように語りました。
西野カナさんは「私って少し変わり者」と表現をしましたが、この曲に多くの女性が感銘を受けたということは、理想の人とまるでかけ離れた人を好きになることが決して珍しいことではないということにほかなりません。
「好きな男性のタイプは?」と聞かれて困るのは当然
そう、女性に限らず、人は誰しも自分の理想とまるでかけ離れた人を好きになることが往々にしてあるのです。
それは何もみなさまが変わり者だからなのでは御座いません。
そうではなく「理想の人」の定義に問題があるので御座います。
世界に自動車革命を起こした「自動車王」ことフォードはこう言いました。
“もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬がほしい」と答えていただろう”
理想の人というのは「馬」のようなものなのです。
顧客は自分の望みを「速い馬」と思い込んでしまっているのですが、顧客が本当に求めていたものは「速い馬」ではなく「速い移動手段」であったといえるでしょう。
だからこそ顧客は馬とは似ても似つかない「自動車」を購入したのです。
しかし人間は実際に自動車を目の前にするまで「自分は速い馬をほしがっている」と思い込み続けてしまうものでしょう。
多くの人は「好きな人のタイプ」を自分でもわかっていない
ですので「好きな人のタイプ」を聞かれても我々は明確に答えることができません。
それは「好きな人のタイプ」が存在しないのではなく、自分でも何がタイプかよく理解していないから。
好きな人のタイプが答えられないのは、ある意味とても当然のことであるといえるでしょう。
男性が「好きなタイプは?」と聞く理由
受験勉強をするときに、みなさまは「傾向と対策」を行なったでしょうか?
たとえば東京大学の入試問題は単純な記憶力はそこまで必要とされず、論理的に物事を考える能力が問われる問題が多く出題されることで知られています。
ですので東京大学を志望する学生は丸暗記型の勉強ではなく、体系的に物事を理解し論理的に回答できるような勉強を中心に行います。
これこそが傾向と対策。
つまり東京大学の「論理力を問う問題が多い」という「傾向」に対して「論理力を鍛える能力を鍛える」という「対策」を行うのです。
好きなタイプを聞くのは「恋愛の傾向と対策」
男性が女性に「好きなタイプ」を質問するのも、これと仕組みは変わりません。
つまり女性の傾向を分析して、その分析によって対策を練っているのです。
たとえばもしも女性が「お金持ち大好き」と回答をしたら、彼はその女性を落とすために自分がいかにお金を稼いでいるかということを誇示することでしょう。
これは「お金が好き」という女性の「傾向」に合わせて、お金を持っているアピールという「対策」を行なったのです。
このように傾向と対策をすることで、より効果的に恋愛を進めることができるのは間違いありません。
男性が「好きなタイプは?」と女性に質問するのは極めて合理的な判断からくるものであるといえるでしょう。
好きなタイプに「芸能人の名前」をあげるのはNG
「どんな男性がタイプなの?」
この質問に明確に回答できる女性は決して多くありません。
仮に答えたとしても、その多くは「速い馬がほしい」程度のものであり、必ずしも正確なものであるとはいえないでしょう。
しかし、合コンや街コン、果ては普通の飲み会でも「どんな男性がタイプなの?」という質問は鉄板の質問。
それでは、そのような質問をされてしまったときに一体どのように回答すればよいか考えてみましょう。
まず絶対にNGなのが「芸能人の名前をあげる」という方法で御座います。
この理由は大きく2つ。
「理想が高い女」だと思われる
ひとつ目は「理想が高い女」と思われてしまうという点。
たとえば「好きなタイプは本郷奏多さんみたいな人です」と回答したとしましょう。
この回答を聞いて「お、それなら俺もいけるかも!?」と思う男性は、一部の超絶ナルシストを除き存在いたしません。
芸能人は一般人と比較して圧倒的に外見で優れている傾向が御座いますので、男性は「この女は理想がめちゃくちゃ高い」と判断してしまうのです。
逆に言えば、この回答は「男避け」としては非常に効果的ともいえるでしょう。
もしもその場に狙っている男性が一切存在しないのであれば、このような回答で男性を牽制するのもよい手段かと思います。
前提として男は芸能人に興味がない
2つ目は「会話が広がらない」という点。
女性が好きな男性のタイプとして芸能人の名前をあげる場合、当然ですが男性芸能人の名前をあげることになるでしょう。
そもそも男性は女性と比較して芸能人への関心が低いですし、わずかな関心もどちらかといえば女性芸能人に向けられるもの。当然ですが、男性芸能人に関しての知識は極めて希薄であることが多いのです。
『モニタリング』という視聴者参加型実験番組では「芸能人が街中に登場!」的なドッキリを行うことがあるのですが、あのドッキリのターゲットになっているのが概ね女性なのも、このことが理由のひとつでしょう。
極端な話、男性の前にいきなり芸能人が登場しても、男性は「あなた誰?」となってしまう可能性が非常に高いのです。
つまり男性に「生田斗真さんみたいな人がタイプです」と言ったとしても、あまりイメージがつきません。
もちろん男性だって「生田斗真」という名前くらいは知っているでしょうが、彼の出演作も知らなければ顔もイマイチ思い出せない。当然、そこから広がる会話など持ち合わせてはいないのです。
やや極端な例にはなりますが「どんな女性がタイプですか?」と聞かれた男性が「上原亜衣!」「明日花キララ!」「紗倉まな!」「麻美ゆま!」「湊莉久!」「つぼみ!」と答えるのと構造的には近いといえるでしょう。
今の6名は男性ならみんな「おおー」と思う名前ですが、女性はあまりピンとこない方が多いのではないでしょうか?
相手に伝わらない表現を使うのは、タイプどうこう以前の問題。
そのため男性芸能人の名前を挙げるのはコミュニケーションの問題としてあまりいい回答とはいえません。
「好きな男性のタイプは?」と聞かれた時の模範回答
それでは最後に「好きな男性のタイプは?」と質問されたときの模範回答について考えてみましょう。
重要なポイントは2点。
自分の傾向がわかるようにする、ということ。
そして相手に伝わる表現を使う、ということで御座います。
回答例1「うーん……。やさしい人がタイプ」
まずは無難中の無難「やさしい人がタイプ」で御座います。
まさに無難な回答であり、困ったときはこれを使っておけば問題ありません。
「やさしい」というのは極めて抽象的な表現なので、全員が全員「俺も可能性がある」と思い込めるのが最大の魅力でしょう。
ただしこの回答は無難すぎるというデメリットが御座います。
特に合コンや街コンなど、複数の女性がいる場合では「回答かぶり」に注意をしなければなりません。
たとえば女性が3人いる状況で、ひとり目が「やさしい人」と回答してしまったら、2人目以降で「やさしい人」と回答するのはかなり難易度が高いでしょう。
ですので「やさしい人」という無難な回答で逃げようと考えている場合は、最初に回答することをオススメします。
男性から「みんなはどんな人がタイプなの?」と話題を振られたら、速攻で「私はやさしい人かなぁ」と答えてしまうのです。
回答例2「これまで付き合った人は年上の人が多かったなぁ」
「年上」の部分は「年下」や「知的」や「背が高い」などなんでも構いません。
この方法のいいところは「オブラートに包める」というところでしょう。
たとえば仮にみなさまが「身長180cm以上がタイプ」だったとします。
この場合「身長が高い人がタイプです」と言ってしまうと、男性からの評価はあまりよくありません。特に身長が低いことに悩んでいる男性からは「嫌な女」と思われてしまうことでしょう。
しかし「付き合った人はそういう人が多かった」という表現にすることで「私が高身長好きなのではなく、たまたま偶然そうだった」感を出すことができるのです。
ただしこの方法を使う場合、「この子、彼氏何人いたんだ?」といういらぬ疑惑を男性に抱かせてしまわないよう注意しましょう。
現実問題として、元彼の人数がめちゃくちゃ多い女性のことを男性はあまり好みません。
ですので、この方法を使う場合は「元彼2人はどっちも背が高かった」というように、そこまで彼氏が多くないということを匂わせるのも重要です。
回答例3「年下が好きだけど、実際に付き合う人は全然そんなことないんだよね(笑)」
タイプではなく攻略法を回答する方法で御座います。
男性に「自分を攻略するための傾向」を伝えることができるという点においては最高の方法のひとつでしょう。
大学受験で言えば「過去問」のような回答なので御座います。
なお「年下」の部分は何と入れ替えても問題ありません。
回答例4「今日の3人なら、正直Aさんが一番タイプです。BさんCさん、ごめんなさい!」
かなり踏み込んだ回答方法で御座いますが「今日の3人のなかなら」とつけることでかなりガツガツ感が抑えられる方法です。
もちろん残りの2人の脈は途絶えるので、タイプが複数人いた場合はこの方法を使わないように注意しましょう。
この方法はその後会話が広がりやすいですし、あくまでも「3人の中なら」という制限がついているので、男性に過度な期待感を持たせないのも魅力です。
回答例4「私、〇〇っていうアーティストが好きなんだけど、そのライブへ一緒に行ってくれる人なら見た目とか年収とかはあまり気にならないかなぁ」
男性に好きなタイプを聞いたとき「性格が重要。顔は全然重要じゃない」と回答されたら、みなさまはどう思うでしょうか?
まず間違いなく「またまた綺麗ごとを言いやがって」と思うことでしょう。
それと同じで男性の見た目や年収にあまり興味がないと言っても絶対に信じてもらうことはできません。
そこでポイントになるのが前半部分。
前半部分はなんでもいいのですが「誰でも達成可能だけど、少々マニアックなもの」にするといいでしょう。
この部分がマニアックであると、男性は「なんでそんなマニアックな基準を……」という部分に関心が向き、後半の「顔や年収はあまり気にならない」という部分への警戒心が薄れるのです。
おそらくこのような回答をすると、その後話題はそのアーティストのほうに向かうことでしょう。
すると後々男性がその女性のタイプを思い出したときに「顔や年収はあまり気にしない」という部分が素直に入ってくるのです。
1問1答Q&Aを用意しておこう!
「好きなお酒は?」
→「ビールも好きですが、バーではジントニックを飲むことが多いですね。正直、あまりお酒の味はわからないのですが、ジントニックはバーテンダーさんのスキルがもっとも出るカクテルだと聞いたので、必ず頼むようにしています。」
「休日何してるの?」
→「シフト制なので友人と休みがあまり合わないんです……。なので最近はブログを書いたり、本を読んだりしていることが多いです」
初対面の人との会話で行われるテーマは決して多くありません。
「好きなお酒」「休日の過ごし方」「どんなテレビを見るか」
そういったテーマは頻繁に 話題になりますので、回答に困ってしまうようなものがあれば予め回答を考えておくとよいでしょう。
これこそが傾向と対策でございます。
「好きな男性のタイプは?」という質問もまた「傾向と対策」に入れるべき、非常にベタなテーマであるといえるでしょう。
「好きな男性のタイプは?」と聞かれた際に「どう回答しよう!?」と悩むのではなく「はいはいそれですね、回答は用意しています」という態度で望めるよう、みなさまの最高のアンサーをご用意いただければ幸いです。
(ラブホの上野さん)
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