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絶対こだわりたい! 結婚式に使う曲の選び方

岡村奈奈(フリーランス・ウェディングプランナー)

結婚式において、音楽は花や料理と同じくらい大事なもの。雰囲気のひとつのパートとして届きますが、実は空間や満足度を印象づけるのにも大きく貢献しているのが音楽なのです。なんとなく「普通っぽく」見えたり、なんとなく急がされたような印象があったりするのも、音楽の効果によって変化させることもできます。
結婚式の音楽の定番曲や人気曲、こだわると素敵になるポイントなどを紹介していきたいと思います。

結婚式で流れる曲。どう選ぶ?

基本的に選曲は自由で「好み」によるものとなります。自由というと難しいですし、準備の手が回らない場合にも、式場の音楽係に「おまかせ」することも珍しいことではありません。それでも、花の色や料理の種類を選ぶように、軸となる雰囲気は指定したほうがよいでしょう。大まかに「はじまり」から「締め」までの盛り上がりや主な演出プログラムを表にして、どんな雰囲気に展開、転換させていきたいか考えます。

結婚式(披露宴)の曲の重要性

音楽がない結婚式(披露宴)は有り得ないものと言ってよいでしょう。楽しくするとかオシャレにするというプラスの効果だけではなく、雑音を消すとか、場をリズミカルに運ぶという、マイナスを補う効果を期待するところも大きいです。

平均的な曲数

挙式から披露宴まで、無意識で聴くBGMも含めれば40〜50曲くらい。ゲストが式場に到着して、控え室に入ってから、披露宴で新郎新婦に見送られるまで3時間半程度だとして、その間「無音」であるのは、スピーチなど畏まった雰囲気でお祝いの言葉が述べられるときだけです。それ以外は指定するかどうかによらず、音楽はかかっている状態を保ちます。

定番曲

よく使われる「結婚式といえば」な定番曲を紹介します。

「Butterfly」/木村カエラ

まさに「結婚式といえば」という定番曲。教会のオルガンを思わせるキラキラした音色や、リアルで柔らかな描写など、それ以前にはあまりなかったようなタイプの曲で、各世代に受け入れられ新定番となりました。

「家族になろうよ」/福山雅治

どの立場の人にも共感されやすく、アーティストのイメージのよさ、安定感などから広く厚い支持を集める曲。定番といわれる中では新しいほうですが、ギターのイントロですぐにリアクションが得られるほど周知されていると思います。

「愛をこめて花束を」/Superfly

結婚する当人だけでなく、親子や親友などさまざまな関係に置き換えても共感できると言われています。ピアノから始まるゴージャスなサウンドもウエディングシーンによく合います。

選曲の傾向

全体的な選曲としての傾向はあまり無いように思います。地域や学校、グループの単位でお決まりの曲があるのは珍しくありませんが、それも1曲か数曲程度。憧れや音楽自体の興味が関連する度合いが多く、個々の志向だと思います。
若いカップルほど親世代の影響が濃いような印象があり、ビートルズやディスコサウンドなど懐かしい感じのものを選ばれることが目立つのはひとつの傾向と言えるかもしれません。

ウェディングプランナーオススメの選曲方法

たとえば「乾杯」はこの中から、「花束贈呈」はこの中から、というように「シーン」ごとに選ぶアラカルト方式が一般的ですが、実際イメージしにくかったり、統一感がなかったりと、音楽の効果を生かしているとは言い難いのが現状です。

オススメの選び方

オススメの選曲方法は、全体のイメージから逆算していくストーリー方式。「好きな曲」とか、「後半はしんみりしたくない」というようなキーワードを多く出してプランニングすると、曲の選択肢がどんどん浮かび上がってきますよ。

選曲の相談を受けていて一番感じるのは、多くのカップルが「結婚式とは」という先入観がとても強いこと。好きな曲や好きなアーティストがいても「結婚式には合わない」と決めつけていることが多いのです。もちろん、ふたりがイメージする結婚式と音楽の好みが合っていない場合にはちがうものを選んだほうがいいですが、実際、半分くらいは「それなら!」ともともと好きな曲やアーティストを採用しています。あえてインパクトのある演出に合わせたり、司会者からアナウンスを入れたりと、いわゆる定番のものでなくても好きな曲がかけられることを知っておくだけでもアイディアのもとになるのではないでしょうか。

プランナーオススメの曲3つ

「バンザイ〜好きでよかった〜」/ウルフルズ

結婚式では女性目線の曲や女性シンガーの曲が多めになりがちなので、迷ったら男性目線、男性シンガーの曲がオススメです。タイムレスな定番曲ですし、わかりやすくて世代もシーンも問わず受け入れられています。

「SUN」/星野源

同じく男性シンガーの曲ですが、いわゆる結婚式っぽいラブソングとちがって、その場にいるすべての人に優しいタイプの曲。速すぎず派手すぎず、明るく受け入れられやすい曲です。

「幸せをフォーエバー」/MISIA

ゼクシィのCMで起用された曲はどの曲もオススメですが、中でも珍しいタイプで、ゴージャスなコーラスワークが結婚式ならではという雰囲気がつくり出せます。J-POPを多く使うならメリハリも効くのでオススメです。

ウェディングプランナーが感激! 忘れられない結婚式の選曲

曲を聴いて思い出す結婚式はたくさんあります。きっと出席されたゲストにとっても、花や景色と同じように、音楽による記憶は深く刻まれるのではないかと思います。
歌詞だけでなくテンポ感や雰囲気まで、好きな音楽や音楽を選ぶということを通じて、喜びや感謝を表現すると、意外としっかりと思いが伝わっているものだと思います。

音楽が忘れられない結婚式

まるごとヤザワ

私がウエディングプランナーになってまだ間もない頃、矢沢永吉さんの大ファンというカップル(主に新郎)が披露宴の全編を矢沢永吉さんの音楽でコーディネートしました。好きなもの一色というようなウエディングがまだ一般的でなかった頃でしたが、ふたりが熱烈なヤザワファンということはゲストにも広く知られていることでしたし、好きなものの共有はインパクトもあって、会場の一体感に繋がりました。

メッセージを歌にのせて

普段あまり音楽を聴かないというカップルと一緒に考えたのが、本当に言いたいメッセージを選曲で表現することでした。クラシックやジャズなど歌のないものを中心に選び、特別なシーンだけ、ふたりの気持ちや伝えたい思いに合った歌詞の曲を選びました。普段から流行りの歌が街に溢れていて、つい聴き流してしまいがちですが、ふたりに合った曲(歌詞)を探す過程は結婚や結婚式の準備のためにもとても実り多いものであったようです。

結婚式での音楽はとても大きな効果を持っている

結婚式における音楽の選曲は、披露宴のプログラムが決まってから出される「宿題」で、準備後期の忙しくなった頃に考えられるのが一般的です。そのため、あまり時間をかけずに決めてしまうことが多いのですが、軽視するにはもったいないほど音楽は大きな効果を持っています。
装飾や演出をイメージするのと同様に「こんなふうになったらいいな」「そういえばあの曲好きだったな」「両親が好きな曲はこれ」など、箇条書きにしておくだけでも理想に近づく手立てになります。
「音楽に詳しくない」という壁に隠れていないで、素敵な結婚式の実現のため、アプリなどを活用しつつ、いろいろな音楽に触れてみてはいかがでしょうか。

(岡村奈奈)
※画像はイメージです

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