お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

夫婦で会話がないのは離婚のシグナル!? 原因と対処法とは

高見綾(心理カウンセラー)

おぜきめぐみ

「夫婦間であまり会話がない!」それって実は離婚の危険信号かもしれません。会話のない夫婦の危険性、また対処法について、心理カウンセラーの高見綾さんにお聞きしました。会話を増やし、円満な夫婦生活を送るためのヒントが満載ですよ。

離婚しちゃう? 会話のない夫婦の危険性

会話の重要性

一般的に女性は会話をすることが好きで、日々の出来事や子どものこと、将来のこと、悩んでいることなどを話して、気持ちをわかち合いたいという欲求を持っています。男性も、女性ほどではないにしても会話はしたいもの。

しかし、結婚してしばらく経つと、会話がなくなってしまう夫婦は少なくありません。会話がないこと自体が問題というよりも、会話がないことに不満を抱いている妻にとっては、夫に注いだ愛情が受け取ってもらえないことに対する寂しさや、自分が大変だったときに夫が労わりの言葉をかけてくれなかったことに対する恨みつらみなどの不満が溜まってしまうことが問題です。夫の側からも同じことが言えます。

会話が減ることで、さまざまな問題へと広がってしまう

はじめは喧嘩をしたりして、なんとか関係を修正させようとがんばってきたけれど、うまくいかないことが積み重なると、諦めが入り、相手に伝える努力をしなくなります。相手への関心が薄れ、お互いに向き合おうという気持ちが起きなくなるのです。

「夫婦ってこんなものよね」という諦めを持ちながらも、心の中にはもやもやとしたものが消えずに残り、そのネガティブな感情は放っておくと大きく膨れあがることに……。そしてある日突然、どちらか一方から「離婚したい」と言い出したり、セックスレスの問題が起こったり、浮気・不倫の問題へとつながっていく危険性があるのです。

会話のない夫婦が子どもに与える影響

寂しさや諦めなど、マイナスな感情を持つようになる

子どもは親から愛してほしくて、全力で親を理解しようとする性質があります。親を理解したいと思ったとき、一番いい方法は親をそっくりコピーすること。そのため、子どもは親の考え方や物の見方、どう感じるかといった感情までをもコピーしていきます。会話のない夫婦に子どもがいた場合、夫婦が寂しさや孤独、諦めを感じていたとしたら、子どもも同じような感覚を持つようになります。

結婚に希望を持てなくなる

子どもにとっての「夫婦の見本」が親になりますので、子どもは自分も恋愛して結婚したら親のようになると感じます。あくまでも子どもから見た夫婦像になりますが、「こんなカップルにはなりたくない」と思えば、子どもは恋愛や結婚に対して希望が持てず、「恋愛しても仕方ない」「結婚はしたくない」と思うようになることもあるでしょう。親が「恋愛や結婚はいいものだよ」と言ったとしても、親自身がそれを体現していなければ説得力に欠けてしまうのです。

無視している? 会話のない夫婦の原因とは

時期別・会話がなくなる原因

新婚時代

一般的には新婚時代はラブラブだというイメージがありますが、実は人生の大きな転機のときには、夫婦の危機が訪れやすいタイミングでもあります。新婚時代は、ふたりでの生活を作り上げていく時期ですので、慣れないことも多く、お互いに気をつかいすぎてしまいます。

結婚したことで、女性なら「妻として家事をしっかりやらなければ」というプレッシャーがあり、男性なら家族を持った責任感から「仕事をしっかりやらなければ」と思うもの。そうしたプレッシャーから、相手のことを考える余裕がなくなり、自分の気持ちをうまく表現できなくなることもあるのです。

子どもが生まれたとき

子どもが生まれれば、どんな夫婦でも生活の中心は子どもになります。子どもの世話に必死になり、夫のことは二の次になるものです。新婚時代と同様に、妻は心の余裕がなくなりやすいタイミングです。また、女性は子どもの世話をしていると、どうしても「母」になりますので、気づけば男と女という意識が薄れて会話がなくなってしまいます。

状況別・会話がなくなる原因

子あり

夫は仕事で忙しいため家になかなか帰らなくなり、妻は仕事に家事に子育てにと大忙し。かろうじて子どもに関する会話はするけれども、夫婦の会話が減ってしまうことも。「子育てで大変なときに夫は助けてくれなかった」「休日に少しでも子どもと遊んでくれたらいいのに」などといった長年の不満があると、その後に会話すること自体を諦めてしまうことがあります。

子なし

子どもがいない夫婦でも、結婚してしばらく経つと新鮮さがなくなってきます。結婚したことで、「お互いのことを十分に知っている」という錯覚に陥りやすいのも、会話がなくなる要因のひとつ。特にお互いに自立したカップルの場合、干渉し合わないことで距離が開き、夫婦として共通の話題がなくなってしまうことがあります。

会話のない夫婦の対処法5つ

心の余裕を作る

家事や育児、仕事に必死なときは、心に余裕がありません。心に余裕がないと相手にもやさしくできませんし、会話を楽しむゆとりもなくなるもの。会話がうまくいかないのは、お互いが悪いわけではなく、ゆとりがないからかもしれません。まずは「よくがんばっているね」と、自分のがんばりを承認してあげましょう。

相手に関心を向ける

「いってらっしゃい」「おかえりなさい」などのいつもの挨拶の際に、相手の目をしっかり見ることは重要です。「顔色が悪くないかな?」「いつもとちがうところはないだろうか?」と気にかけてあげ、気がついたことがあれば、一言伝える。人は五感の生き物ですので、これをするだけでも相手は「気にかけてもらえている」という安心感が生まれ、自然と会話につながりやすくなります。

メールやメモなど、会話以外のコミュニケーションを増やす

いつもよりメールを増やしてみるのもいい方法です。忙しくて会話する時間がないときも、食事の横にメモを用意しておくなど、簡単に一言書いておくだけでも、相手は「自分を見てくれているな」と感じるものです。

デートをする

子どもがいても、たまには子どもを預けて2人だけの時間を作りましょう。子どもがいない夫婦であっても、デートする時間を持つことはとても大切。特に、恋人時代のようにおしゃれをして、現地で待ち合わせをするデートがおすすめです。

お互いの愛情表現について確認し合う

どんな方法で愛情を感じるかは、実は人によってちがいます。スキンシップで愛情を感じる人、プレゼントをもらったりお金をかけてもらったりすることで愛情を感じる人、言葉で愛情を感じる人とさまざま。人は自分が好む愛情表現をしますが、それが相手にとって愛情を感じる手段であるとは限らないのです。お互いにどんなことで愛情を感じるのか確認してみると、すれちがいを防ぐことができます。

夫婦間での会話を増やす工夫をしてみよう

会話は人と人との大切なコミュニケーション方法のひとつです。その会話が減ってしまう=様々な不満や問題が潜んでいる可能性があり、そのまま放っておくと最悪離婚なんてことにもなりかねません。そうならないためにも、会話を増やしていけるようにいろいろ試してみてくださいね。

(文:高見綾、構成:おぜきめぐみ)

※画像はイメージです

SHARE