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会話下手を克服するための方法3つ

小日向るり子

篠崎夏美

彼氏や会社の人たちとうまく話せない……。もしかして自分は会話下手なのかも? と思っていませんか? 今回は心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞いた、会話下手な人の特徴と会話下手を克服する方法を紹介します。また、会話下手な人との付き合い方も教えてもらいました。

会話下手な人の特徴3つ

会話下手な人にはどんな特徴があるのでしょうか? 会話下手な人に共通する心理的な特徴を小日向さんに聞きました。

他人からどう思われるかを気にしすぎる

会話する際に「自分が何を言いたいか」ではなく「相手がどう思うか」ばかりを気にしてしまうと、思っていることを素直に言えなかったり、気持ちと反対のことに同意してしまったりします。自己分析をした際に「自分に自信がない」と答える人にこのタイプが多いようです。さらに、自分の本心と異なることを言ってしまった場合は当然返ってきた反応に対してもどう返してよいかわからなくなりますよね。相手のことを考えて話すことは大切ですが、そこを意識しすぎると自分の感情を見失ってしまい、会話が弾まない結果になってしまいます。

独りよがり

上記の「他人からどう思われるか気にする人」とは真逆のタイプです。自分だけが楽しければよいというタイプの人は、相手が話しているときでも、自分が話したくなったら平気で話の腰を折ります。また、自分の話したいことだけを延々と続けることも……。結果として沈黙の時間はありませんが、会話の相手は自分の気持ちをほとんど言えなかったことで、消化不良の気持ちが残ります。お互いが相手と過ごした時間に満足しなければ、会話が上手とは言えませんよね。

飽きっぽい

何ごとに対しても飽きっぽい人は、会話下手な人が多いです。会話というのは言葉のキャッチボール。相手が話していることをきちんと受け止めて、考えて、自分の気持ちを返さなければ会話は弾みません。会話を弾ませるためには根気が必要なのです。しかし、相手の話をじっくり聞くことができない人は、この過程に飽きてしまうのです。こうしたタイプの人は、話の途中で携帯をチラチラ見たり、まわりの人の動作に気を取られていたり、相槌が適当だったりします。こうした行動は会話が弾まないだけでなく、相手を不快にさせてしまうことがあります。

会話下手を克服する方法3つ

では、どうすれば会話下手を克服することができるのでしょうか? 小日向さんによると、会話下手を克服するには以下の3つの方法が有効だそうです。

方法1:まずは相手の話に同調する

自分のことを会話下手だと自覚している人の多くは、そもそも話すことに苦手意識を持っています。このタイプの人は、まず自分が話そうとせずに、相手の言葉に同調することを意識してみましょう。

「同調」とは、自分が異なる考えのときでも相手に合わせるということではありません。相手の話を否定しないで、いったん受け止めるということです。例えば相手が「私は○○だと思う」と言ったら、どんな考えが浮かんでも、まずは「そうなんだ、○○さんはそう思うんだね」というふうに相手の言葉にうなずくだけでいいのです。自分の気持ちを受け止めてもらえたということで相手は安心します。そのため、その後で反論や異なる意見を言ったとしても、不快な感情にはならず、結果として言葉のキャッチボールが成立し、会話が弾んでいくのです。こうした会話を続けていくと、相手との間に信頼関係が醸成されやすくなります。

方法2:自分の会話について振り返る時間を持つ

あることについて上手になりたいと思ったら、「実践し、振り返り、反省して学習する」ことが基本ですが、会話も同じです。

実践

誰かと会話をする。

振り返り

会話の中で、相手の話をいい加減に聞いていたことはなかったか? あったとしたらどのような気持ちから、いい加減になってしまったのか? 自分の会話について反省すべきところがあるか? などを振り返ります。

反省と学習

上記で反省点があったら、次はどのように返したらよりよくなると思うかを考えます。そして、もし今からでも相手に伝えたほうがよかったと思うことがあるならば、メールやLINEを送ってもいいのです。ここまでできて学習したと言えます。

会話の上手下手は生まれつきの素質だけではありません。会話が上手な人は努力しています。「どうせあの人は会話がうまいから」と拗ねるのではなく、自分も上手になるようにぜひ学習をしてください。

方法3:興味の幅を広くする

自分の好きなテーマなら饒舌になるし、同じ趣味の人であれば話が弾む、という人は多いと思いますが、これは当たり前。誰でも自分が興味のある話ならば、一生懸命聞いて、考えて、自分の考えを聞いてほしくなるものなのです。つまり、自分自身が興味のアンテナをたくさん持ち、そのアンテナを高くしていれば、興味や趣味が合う人は必然的に増え、結果として会話が弾む人がまわりにたくさんいるという環境になります。「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、会話についても同じです。まずは会話そのものを好きになること。そして、その要素を自分の中に蓄積させていくことが大切です。

会話が下手な人との付き合い方

自分は会話下手ではないけれど、まわりに会話下手な人がいるということもあります。そんなとき、どのように付き合えばうまくコミュニケーションが取れるのでしょうか?

「オープンクエスチョン」で言葉を返す

「オープンクエスチョンとは、イエス、ノーで返すことができない質問のことです。(反対に、イエス、ノーで返すことができる質問は「クローズドクエスチョン」と言います)。会話が苦手な人とコミュニケーションをとる際は、できるだけオープンクエスチョンで言葉を返すようにしてみましょう。

例えば「今日の朝は早起きでしたか?」と聞くと、相手からの返事は「はい」もしくは「いいえ」で終わってしまいます。そこで「今日の朝は何時ごろ起きましたか?」と聞いてみましょう。そうすれば相手が答える時間によって「そんなに早く起きたんですか?」、「いつも同じ時間に起きるんですか?」というように会話が広がります。会話下手な人は無口になりがちで、そんな自分にコンプレックスを持っている場合が多いもの。「オープンクエスチョン」をうまく使って、相手の言葉数が多くなる質問をしてあげましょう。

リアクションは多少オーバーに

会話下手な人は、自分の話すことが相手にどう思われるかを過剰に気にしている人が多いです。リアクションが薄いと、相手は自分の話がつまらないからリアクションが薄いのだと気にしてしまい、ますます会話に自信をなくしてしまいます。そうなると、コミュニケーションが取りにくくなってしまいますよね。こちらのリアクションを多少オーバーにするということで、「あなたの話に興味がありますよ」という意志を伝えてあげましょう。ただし、会話下手な人の中で「しゃべりすぎるタイプ」の場合は、この方法は逆効果になりますので注意してください。

沈黙を恐れない

会話下手な人=何も考えていない、ということではありません。むしろ会話下手な人は、自分が言いたいこと、相手のリアクションなどを考えすぎてしまい、言葉がすぐに出てこない場合が多いのです。会話が上手な人はすぐに言葉が出てくるので、沈黙になるとつい自分が話してしまいがちですが、そこはいったん待ちましょう。沈黙を恐れるのではなく「今、相手は考えているんだな」と認識してあげると、沈黙の時間が怖くなくなりますよ。

相手のことを考えて会話のキャッチボールを

会話下手な人の特徴、会話下手を克服する方法、会話下手な人との付き合い方をご紹介しました。大切なことは会話の“うまい”、“下手”ではなく、相手のことを思いやることです。相手を気づかうことが会話下手を克服するための第一歩と言えますね。

(監修:小日向るり子、文:篠崎夏美)

※画像はイメージです

 

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