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アロエは危険!? 正しい日焼け後のケアを皮膚科医が解説

三輪菜つ美

ガラクティ

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プール、海、バーベキューや野外フェス。夏はおでかけの機会もたくさんありますよね。でもその分、日焼けの危険性も増えます。もし肌が焼けてしまったとき、日焼け後のケアはどのようにしたらよいのでしょうか。皮膚科医の三輪菜つ美先生に教えていただきました。

日焼けってどんな状態?

そもそも日焼けとはどんな状態なのでしょうか。日焼けの原因と症状について、三輪先生に聞いてみました。

三輪:日焼けとは、皮膚が紫外線を浴びることで、肌が炎症を起こして赤くなる急性症状である「サンバーン」と、メラニン色素が皮膚表面に沈着して引き起こす「サンタン」の2種類があります。

サンバーン

サンバーンの場合、紫外線を浴びてから2~6時間程度経過すると皮膚が赤くなり、その後痛みが生じます。メラニン色素が防衛できる量よりも多く紫外線を浴びると、細胞組織が損傷し、発熱、水ほう、痛みなどの症状が現れるのです。

サンタン

サンタンは、紫外線を浴びてから3~8日後に皮膚が浅黒く変色し、その後皮膚がはがれる症状のことです。サンバーンのように、痛みを伴うことはほとんどありません。

正しい日焼け後のケア

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日焼けを放置していると、シミになってしまうこともありますよね。日焼けをしたあとは、どのようなケアをすればよいのでしょうか。直後にできるケアと、時間がたってしまったあとに最適なケアについて、三輪先生に教えていただきました。

日焼けした直後にすべきケア

三輪:日焼けは初期対応やアフターケアで、その後の症状が異なります。日焼けをした直後は「サンバーン」に対してケアをします。肌がヒリヒリしたり、かゆくなったりするのが「サンバーン」の症状です。まず、冷水や冷たいタオル、保冷剤などで肌をやさしく冷やしてください。肌が敏感になっているため、ゴシゴシと強く擦ったり、熱いシャワーを浴びたりするのはやめましょう。

日焼けして時間がたったときのケア

三輪:日焼けしてから時間がたっている場合は、「サンタン」に対してケアをします。「サンバーン」の状態が落ち着き、皮膚の火照りがある程度取れたあとは、刺激の少ないアルコールフリーのローションや日焼け後専用のローションで、しっかり保湿をしましょう

日焼けによって水分が奪われた状態の肌は、乾燥するとかゆくなります。かゆい場合は、ローションのあとに、ワセリンなどの油分を含んだクリームを塗って保湿してください。皮膚が剥がれ始めた場合は、無理に剥がさずに、自然に剥がれるのを待ちましょう。

日焼けにアロエって効果的?

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日焼け後のケアには「アロエ」がいいという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。アロエが効果的なのは本当なのか、また、直接身体に使っても大丈夫なのか、三輪先生に聞いてみました。

三輪:アロエには、アロエシン、アロインなどのアントラキノン類の成分が含まれ、これらには抗炎症作用があるため、日焼け後の肌の炎症を鎮める効果があります。ほかにも、アロエに含まれるムコ多糖類、アミノ酸、酵素などの成分が複合的に作用し、紫外線によるダメージを修復する働きがあります。

ただし、アロエの生葉を使用する場合は、葉に付着した雑菌による感染症に注意が必要です。患部に塗る時は、アロエを熱湯消毒または煮沸消毒して冷ましてから使用しましょう。また、アロエを肌に塗ると、人によってはかぶれることもあります。一度二の腕などの目立たない場所にアロエを塗布し、24時間様子を見て、赤み、かゆみが出ないか確認してから使用すると安心です。

日焼けの予防方法

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そもそも日焼けをして痛い思いをしないために、あらかじめどんな対策をしておけばいいのでしょうか。日焼けの予防方法について、三輪先生に教えていただきました。

三輪:日焼け対策グッズとして、日傘、サングラス、アームカバー、ストール、カーディガンなどをうまく使いましょう。日焼け止めをこまめに塗ることも効果的です。

また、意識してビタミンCを摂取することもおすすめです。ビタミンCには、メラニンの生成を抑制する効果があります。ビタミンCの一日の推奨摂取量は成人で100mg。ビタミンCが豊富に含まれるピーマン、ブロッコリーなどを積極的に摂取するとともに、サプリメントなども併用して効率的に摂取しましょう。

まとめ

日焼けには「サンバーン」と「サンタン」の2種類があり、症状によって対処法が異なります。日焼けした肌の状態を見極めて、適切な対処を行いましょう。また、感染症を予防するためにも、アロエを使用する際は熱湯消毒を行い、必ず殺菌するようにしてください。「日焼けしたくない!」という人は、普段から日傘やアームカバーなどを活用したり、ビタミンCを摂取したりして、しっかりと対策を行うようにしましょう。

(取材協力:三輪菜つ美、文:前田郁)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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