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怒りっぽい性格の原因って? 怒りっぽい人の心理と上手な接し方

小日向るり子

ファナティック

気がつくとイライラしていたり、周囲への接し方が乱暴だったり……。あなたの周囲にも「怒りっぽい人」はいませんか? そんな態度を見て思わず避けてしまうこともありますが、できれば相手の心理を理解して、良好な関係を築く努力をしていきたいものです。でも、なぜ怒りっぽい性格になるの? そこで今回は「怒りっぽい人の対処法」について、心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説をしてもらいました。

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怒りっぽくなるのはなぜ?

怒りっぽい性格になってしまうのには、何か理由があるの? まずはその心理状態や原因について、解説を見ていきましょう。

怒りっぽい人の心理状態とは

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怒りっぽい人には3つの心理状態があります。

(1)「自己愛が強い」パターン

これは、簡単に言うと「自分が正義。相手が悪い」という心理ですね。したがって、その悪い相手に対して「怒り(加虐)」の感情を向けるのです。たとえば、電車の中で隣の人のバッグが当たってしまったとします。普通なら「少し隣の人と間隔をあけよう」と思って自身がずれるだけですが、自己愛が強すぎる人は「私は定位置に立っていただけなのになんでカバンをぶつけてくるんだよ!」といった怒りの感情がわいてしまうのです。

(2)「劣等感が強い」パターン

SNSなどで、他人が楽しそうに遊ぶ写真や素敵なレストランで食事をしている写真を見たとき、普通は「おいしそう!楽しそう!」と思うもの。しかし、劣等感がある人は「なぜあんたたちだけリア充なの! 私はひとりなのに……」といった気持ちになり、それが怒りに変わります。それなら、他人と関わらず、SNSを見なければいいのでは? と思うかもしれませんが、こうした怒りっぽい人は、他人と比較する中で少しでも自分が優位である点を見つけたいのです。そのために、他者との関わりをやめません。

(3)「感謝する気持ちが薄い」パターン

これも強すぎる自己愛と関連するのですが、すべてのことに対し「やってもらって当たり前」という意識が強くなっている状態です。そのせいで感謝する気持ちを忘れてしまい、周囲に対してイライラした態度を見せてしまうのです。

怒りっぽい性格になる原因って?

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怒りにつながる心理状態はさまざまですが、そもそもどうして怒りっぽい人になってしまうの? 次は、怒りっぽい性格になる原因について、探っていきましょう。

(1)ワガママに育てられたから

子供は体だけでなく脳も未発達なため、怒りをコントロールする術を知りません。怒りのコントロールは、大人が教育によって後天的に教えていくものなのです。しかし、そうした教育、つまり「我慢しなさい」ということを教えられずに育てられた場合は大人になっても怒りをそのまま放出する、という癖が残ったままなのです。

(2)存在を否定的に育てられたから

(1)のケースと真逆になりますが、存在を否定的に育てられても怒りっぽくなります。「あなたなんて産まなければ良かった」「お姉ちゃんのほうがいい子ね」「もっとがんばりなさい(→がんばれない子は認めない)」といったように、自分自身が生きている価値を卑下されたり否定されたりするような言葉を言われて育つのも原因のひとつ。「親からですら可愛がってもらえない存在の自分を、まわりが可愛がってくれるはずがない」といった思考の癖がつき、次第に自分のまわりの人々は“すべて敵”として映るようになります。

参考記事はこちら▼

あなたやあの人の「怒りっぽい人度」を診断で詳しくチェックしてみましょう。

怒りっぽい人の対処法

では、怒りっぽい性格を直すことはできるの? また、怒りっぽい人とはどのように向き合っていくのが正解なのでしょうか。ここでは、相手別・怒りっぽい人との関わり方について見ていきましょう。

怒りっぽい性格を直すことは可能?

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可能です。なぜなら、「怒りっぽい」という性質は、ホルモンバランスの乱れといった身体機能的な問題の場合を除けば、生まれつきのものではなく、後天的についた性質、つまり「思考の癖」だからです。

“後天的”ということは、環境やしつけなど、過去の体験で身についてしまった「怒りっぽい」癖を、後天的な努力や教育で修正していけばいいのです。「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことはないでしょうか? これは、怒りの感情を予防したり抑制したりする心理療法のひとつ。最近では「怒鳴りそうになったら6秒待つ」といったコツが書かれた書籍もたくさん出ていますし、ワークショップや講座を開催している団体もあります。自分に合うやり方で自身の「怒り」について学びを深め、修正していく努力をすると、怒りっぽい癖は修正していくことができます。

怒りっぽい上司に接するコツ

pexels-photo-29642誰もが基本的には、人に「怒る」ということをしたくはありません。なぜなら、怒られたほうはたとえ自分が悪くても、怒った相手に多少の不愉快さを感じるからです。「優しくていい人」と思われたいのはみんな同じ。上司だって例外ではありません。嫌われ役になんて誰もなりたくないですよね。しかし、その「嫌われ役」を上司はやっているのです。それはなぜか? あなたを教育しようとしてくれているからです。

ふてくされてしまいがちな上司からの叱責ですが、そこをグっと我慢してみましょう。上司の怒っている態度だけに目を向けるのではなく、その上司が「何」に対して怒っていて、「何」を努力したら認めてくれるのか、という本質をとらえる努力が重要です。

何が悪かったのか、そこで学習できたものは何か、それを自分で分析できたら、怒られた数日後でもよいので「こういう点を反省しました。今後は○○をするなどして改善していくよう努力します」など、メールを送ってみるのもおすすめです。部下は自分の注意をきちんと受け止め、反省して学習したのだ、ということがわかると、上司も報われた気持ちになります。

自分がいつかは上司になることもあるのです。まずは怒りたくない人に怒る側の気持ちを想像してみましょう。それに対して部下がどう対応したら可愛く思えるか、そんな想像力を持って業務に臨んでください。

怒りっぽい彼氏に接するコツ

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怒りっぽい彼氏の場合は、彼が「瞬時爆発タイプ」か「引きずりタイプ」か「ため込みタイプ」かによって、接し方にそれぞれコツがあります。それぞれのタイプの見分け方と上手な接し方は以下の通りです。

瞬時爆発タイプの場合

後ろの車にクラクションを鳴らされただけで相手に怒鳴ったり、肩がぶつかっただけで睨みつけたり、ふとした行動で瞬時にカっとなるタイプです。

このタイプの人は精神が未熟です。小学校低学年の子供と同じだと考えると接しやすいでしょう。したがって、母親が子供に言い聞かせるように「相手が怖い人だったら何されるかわからないよ」「怒る前に自分の行動もちょっと振り返ってみようね」など、教育者の目線で彼に言い聞かせていくことが大切です。

引きずりタイプの場合

これは、いつまでも怒りを引きずっているタイプです。このタイプの彼は、言い続けることでストレスを発散させる傾向にあり、「言いたいだけ言わせてあげる」というスタンスでいると、聞いている側が疲弊してしまう危険性があります。

「何が不満なのか」「それはどう考えたらスッキリするか」を一緒に考え、怒りを手放そうよ! といった態度で接しましょう。一緒になって怒りというネガティブな気持ちを引きずらせてはダメです。彼女のあなたはあくまでもポジティブに。

ため込みタイプの場合

怒りを悶々とため込んでいて、いきなり爆発するタイプです。このタイプの人はストレスの発散方法が上手ではありません。

運動をそれほど嫌がらない彼でしたら、一緒に運動することを習慣化するといいでしょう。運動は軽くするだけでも脳内からGABA(アミノ酸の一種)を出すことがわかっています。GABAは怒りの抑制や感情コントロールに有効な成分。ですので、怒りのコントロールにも効果的です。

外に出て、太陽の光を浴びるだけでもセロトニンというリラックス物質が出ます。運動が嫌いな場合は散歩などに出かけ、なるべく外でデートをするようにしてみてください。食べることが好きな彼氏なら、少し遠くまで食べ歩きをするのもいいですね。

怒りっぽい親に接するコツ

jon-flobrant-38755子供は幼いときからの癖で、いつまでも親のことを「目上の存在」「自分を見守ってくれる存在=頼れる存在」として見てしまいがちです。しかし、成人したら親に対してのそうした考えは捨てましょう。自分も親もひとつの人格を持った大人の人間同士。目上でもなく、頼れる人でもなく、対等な関係であるということを意識してください。そのスタンスをきちんと認識できれば、親だからといって接し方を友人や知人と変える必要性がないことに気づくはずです。

あなたは、怒りっぽい友人に対してどのように接していますか? 「そんなことで怒ってもいいことないよ」と忠告するか、そこまで関わりたくないと思えば距離を置きますよね。親もそれでいいのです。「怒りっぽい親とはもう付き合いたくない」と思えば距離を置けばいいですし、忠告してわかり合えると思えば話し合ってください。親の怒りに過剰に反応するのは“自身の精神も未熟である”ということです。自立を目指しましょう。

参考記事はこちら▼

誰しも思い通りにいかなかったら、つい感情的になってしまうもの。あなたの「感情的な人度」を10の質問で診断します。

結論:怒りっぽい人の心理を理解して対処しよう!

怒りっぽい状態になるのは、いくつかの心理が関係しているということ。また、相手との関係性によっても適切な対処法は変わってくるようです。まずは、目の前で怒っている人の気持ちを理解して、良好な関係を築くための接し方を実践できるといいですね。

(監修:小日向るり子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

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