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「共依存恋愛」とは? 共依存カップルの特徴と原因・抜け出す方法

小日向るり子

共依存とはどういうものでしょうか? また、恋愛関係に共依存することを「共依存恋愛」と言いますが、その実態とは? 心理カウンセラーの小日向るり子先生に共依存恋愛カップルの特徴と克服方法を教えてもらいました。

「共依存」とは、過剰に依存し合う人間関係のことを差します。ときにその関係性は恋人同士にも現れ、「共依存恋愛」に苦しんでいる人もいるようです。

そんなカップル、あなたのまわりにはいませんか? 愛し合うのはいいことですが、あまりにも共依存な関係は危険だとも言われています。具体的にどんな危険性を秘めていて、どのように克服すればいいのでしょうか?

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恋愛関係で起こる「共依存恋愛」とは? 共依存の原因と心理

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共依存恋愛について知る前に、まずは「共依存」がどういったものなのかを解説します。

共依存とは?

 

共依存とは、ある特定の相手と過剰に依存し合う人間関係のことを指します。その関係性に囚われているあまり、自分を見失った行動をしてしまうこともあります。

 元々はアルコール依存症者と、対象者を支える家族の関係性から生まれた概念だと言われています。

共依存恋愛について

 

共依存恋愛とは、自分をかえりみずに相手のために必死になっている人と、そうした相手に依存している人の恋愛関係を指します。男性が女性に依存する場合もあれば、女性が男性に依存する場合もありますし、同性愛の場合も共依存関係は成立します。

はたから見ると、相手に「ああしてほしい、こうしてほしい」「自分のそばから離れないで」など、自分にかまってほしくて必死になる人のほうだけが依存しているように思えますが、実はその人に対してかまう相手も依存しています。お互いに依存している恋愛関係が「共依存恋愛」なのです。

共依存関係になる原因

原因は、いずれも幼少期の母親との関係が大きく影響しているケースが多いです。

子どもは母親に「あるがまま」を抱きしめてもらうことで自分の絶対的存在価値を確認できるのですが、母親にこのようなことをしてもらうことなく大人になると、他者と関わることでしか自分の存在価値を見い出せなくなってしまうのです。

参考記事はこちら▼

無意識のうちに男性に依存してしまっていませんか?この診断では、あなたの「オトコ依存度」を診断します。

「共依存恋愛」が危険な理由

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共依存関係は、依存している相手がいなくなると、自分がこの世に存在している意味がわからなくなってしまいます。

さらにこじらせてしまうと、自分の死を考えるようになったり、2人の関係を邪魔する者を排除しようと暴挙に出ることも。

このような理由から、共依存関係は非常に危険な関係性だと言えます。

共依存恋愛カップルの特徴

自覚はなくても、あなたと恋人も、実は「共依存恋愛カップル」の可能性を秘めているかもしれません。その特徴を4つご紹介します。

(1)何があってもパートナーが優先

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人が社会で生きていく中では、常にパートナーが最優先であることはありえません。仕事や家族が優先になることもあり、それをお互いが認めて、折り合いをつけていくのが健全な関係です。

しかし、共依存恋愛では常にパートナーが一番。大事な仕事があっても、家族に不幸があっても、それは変わらないことが多いです。

(2)振り回す側も苦しい

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振り回される側が疲れを感じることは、共依存関係でなくてもありえますが、「振り回す側も疲れを感じること」が共依存恋愛カップルの特徴です。「こんな振り回してしまっている……」と自己嫌悪に陥りながらも、相手を振り回すことを止められないのです。

(3)相手がいないと不安で日常生活が困難になる

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何らかの原因で2人の関係性が崩れてくると、とたんに日常生活を送ることが困難になります。

女性の場合は、薬の大量服薬や食欲の大幅な増減による体調不良、男性の場合は大量飲酒や女性関係の乱れといった症状で表れることが多く、それが原因の心身不調で仕事を休むなど、日常生活が乱れてきます。

参考記事はこちら▼

彼氏がいるのに不安になるのはどんな時? 不安になった時の解消法とは?

(3)他人を傷つける・悲しませることが気にならない

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共依存恋愛に陥っている人は、平気で他人を傷つける・悲しませることもします。たとえば、友人と会う先約があってもパートナーとの約束が入るとそちらを優先したり、交際を親に反対されても気にならなかったりします。

それどころか、自分たちの関係性に意見する人とは平気で関係を断ち切ってしまうことも。自分たちの仲を裂こうとする者は全員敵、という心理になってしまいます。

参考記事はこちら▼

無神経な人の特徴と心理、その人への対処法を教えます。

(4)自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、相手を世話することで自分が人から求められていると認識する傾向にあります。

共依存恋愛のカップルはお互いに自己肯定感が低く、「助けてくれる人がいないと自分は何もできない」「必要としてくれる人がいないと自分に価値がない」と考えがちです。

参考記事はこちら▼

心理カウンセラーに、自己肯定感を低くしてしまう言動と自己肯定感を上げる方法について解説してもらいました。

あなたは大丈夫? 共依存恋愛カップル診断をチェック

あなたは相手と共依存関係になっていないでしょうか? 診断でチェックしてみましょう。

参考記事はこちら▼

10の質問であなたが相手に依存していないかをチェックします。

改善したい。共依存恋愛から抜け出す方法

「共依存恋愛」だと自覚したら、そこから抜け出さないと、どんどん危険な恋愛にはまっていく恐れがあります。どのようにして克服すればいいのでしょうか?

自分が心がけるべきこと

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自分ひとりの時間を楽しめるようになるのがベストですが、これは難易度が高いので、まずは「彼がいない時間を恐れない自分」を構築していきましょう。共依存の克服は自己分析からです。

最初は、彼に依存しそうになったらカウンセラーに相談したり、友人に話し相手になってもらったりして、自分の気持ちを第三者と一緒に整理していきましょう。

それがある程度進んだら、友人と遊んだり美容院などの予定を入れたりして、徐々に「彼以外と過ごす時間」を増やしてください。焦らずに、年単位で克服に挑む覚悟でいきましょう。

彼氏に心がけてもらうべきこと

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共依存恋愛をしている男性の特徴として、「DV」「パワハラ」「借金」「女性問題」「アルコール依存」が挙げられます。

これらのいずれか、あるいは複数に当てはまる彼との関係に悩み、別れたいのになかなか別れられない場合は、ひとりで悩まずに専門家に相談してください。

完全な共依存状態に陥ってしまうと、事故や傷害事件にならないと別れられない場合がありますし、別れたあともトラウマになってしまいます。

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DVとは「配偶者や恋人からの暴力」のことを指します。DV彼氏の特徴と別れられない彼女の心理、穏便に別れる方法を解説します。

2人の関係性・環境で工夫するべきこと

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共依存恋愛になってしまったら、気持ちだけで克服しようとしても難しいです。まずは環境を変えることが重要です。たとえば、同棲しているカップルなら、同棲を解消するくらい大きく環境を変えてください。

同棲をしていないカップルなら、「LINEは1日2回まで、用事があるとき以外は電話をしない」など、2人でルールを作って守っていくというやり方も有効です。

2人の関係性を見つめ直そう

共依存恋愛カップルの危険性と特徴、共依存から抜け出す方法をご紹介しました。恋愛は2人でするものですが、あまりにも危険度が過ぎると、まわりを巻き込んで不幸にしてしまうことも。

一度冷静になって、自分たちの関係性を見つめ直してみてくださいね。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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