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「媚を売る女」はなぜ嫌われる?

ぱぷりこ(恋愛コラムニスト)

「媚びる女って苦手……」「あの子、媚びてて嫌い」「実力がないくせに媚びるだけで気に入られてずるい」

「媚びる」という単語はネガティブ意味で使われることが多く、媚びる女性を苦手と感じる女性、嫌う女性が少なくないようです。「媚びる女」とは具体的にどのような言動をし、どういった特徴があるのか、分析妖怪ぱぷりこが解説します。

「媚びる女」はどんな印象?

「媚びる」とは、「相手に気に入られようとして機嫌をとる」ことです。

・「気に入られたい相手」が存在する
・相手に対して、気に入られる言動・ご機嫌取りの言動をする

以上の2点に該当する場合、「媚びる」といえるでしょう。

参考記事はこちら▼

自分にとって都合の良い人にだけ態度を変えて、媚びる人。あなたは周りからどう思われているのでしょう? 「媚びる人度」を診断します。

媚びる女の特徴【一般女性アンケート】

一般女性の回答から「媚びる女」と女性が判断するポイントについて探ってみましょう。

声のトーンを変える

・「声のトーンが上がったり、語尾を伸ばしたりする」(23歳/食品・飲料/事務系専門職)

・「声がワントーン高くてあからさま」(25歳/機械・精密機器/事務系専門職)

声のトーンを上げると、「明るい」「若々しい」といった印象を与えられます。声のトーンを上げることにより、相手の好感度を上げようとしていることがわかります。いつも声のトーンが高いわけではなく、あくまで「ある特定の人の前でだけ声のトーンを変える」ことが「媚びている」という印象につながっていると思われます。

差し入れを配る

・「お菓子とかを配って、媚を売っている」(28歳/アパレル・繊維/秘書・アシスタント職)

・「お土産などをよく買って来て渡す」(26歳/医療・福祉/専門職)

「差し入れ」は、挨拶と並ぶぐらい、手っ取り早く好感度を上げるのにコスパがいい方法です。「差し入れ」などの手軽なやり方で、周囲の好感度を上げようとしていることにイラつくのだと思われます。

表と裏の顔がある

・「裏では散々悪口を言ってるのに、バレンタインのチョコは欠かさず贈っている人」(30歳/機械・精密機器/事務系専門職)

・「裏では悪口を言っているのに、上司の前ではかいがいしくいろいろやってるアピールをする女」(33歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

「声のトーンを上げる」と同様に、「ある対象者に対していつもとちがう言動をしている」パターンです。「裏で悪口を言っている」というネガティブな言動が、批判の的となっています。

リアクションが大げさ

・「どんなくだらない話にでも大げさに相づちを打っている」(28歳/情報・IT/営業職)

・「どんなくだらない冗談にも笑顔で対応している」(29歳/学校・教育関連/事務系専門職)

人は、自分に共感してくれる人、認めてくれる人に好意を抱く生き物です。「共感」もまた、相手の好感度を上げるために手っ取り早い手段のひとつです。「差し入れ」と同様に、「好感度を上げようとする目的が見え透いている」ことにイラつく人がいるようですね。

ボディタッチが得意

・「上司と飲みに行った際には必ずその上司の隣をキープし、お酒を注いだり料理を盛ったり。お酒が入ってくるとさりげないボディタッチも出てくる。すごく媚を売っていると同性から見ては思うが、当の上司は上機嫌……」(27歳/医薬品・化粧品/技術職)

・「上司にボディタッチをしている」(23歳/学校・教育関連/事務系専門職)

人は、自分に好意を抱く人に好意を抱く生き物ですから、ボディタッチをすることで「あなたに好意がありますよ」というメッセージを発信し、相手の好感度を上げる効果があります。よって、こちらも好感度を上げようとする言動の一種です。

以上のアンケート結果をまとめると、「媚びている」と思われる言動は、いくつかのパターンに分けられます。

1「相手の好感度を上げる言動」をしているだけ(相手を限定していない)
・差し入れを配る
・リアクションが大げさ

2特定の人に対してだけ、好感度を上げる言動をしている
・声のトーンを変える
・ボディタッチが得意

3特定の人に対してだけ、好感度を上げる言動をしている(しかし、裏では嫌っていて、表裏がある)
・表と裏の顔がある

この中で、1は「媚びる」というには弱いです。たんに「好感度を上げる行動をしている」だけにすぎません。2と3は「媚びる言動」といえるでしょう。

媚を売ると嫌われる?

媚を売ることは、それぞれメリットとデメリットがあります。

メリット

1 実力以上の評価を得られやすい
2 仕事のチャンスが多くなりやすい
3 年収やポジションが上がりやすい
4 人脈が広がりやすい

メリットはなんといっても評価や仕事のチャンスが得やすくなることです。「実力主義」という単語が定着して久しいですが、実際のところ社会は「実力+好感度(人間性・コミュニケーション力などとも言われる)」で評価が決まる「実力+非実力主義」です。これまで見てきたとおり、媚びる言動は相手の好感度を上げる効果があります。だからこそ、全世界で同じような言動を取る人が多いのです。

好感度が高いと、ハロー効果(あるものが高いとほかも高く見える心理的効果)により、人は「ほかの能力も高いだろう」と推測したり、「この人ならやってくれるかもしれない」と期待したりします。そのため、いろいろなチャンスを得ることが増え、人とのつながりも増えることで、実際に実力や成果を出していく、という好スパイラルになる可能性が高いです。よって、社会的成功を得たいなら、媚びる言動によりチャンスを得ることは立派なひとつの「戦略」です。

媚びることにより、仕事での評価が上がり、年収が上がり、生活水準が上がり、人脈が広がる可能性が高まります。

デメリット

1 媚びることを嫌う人から嫌われる
2 同じ立場の女性から反感を買いやすい
3 信用を失いやすい
4 媚びる相手がいなくなると、孤立しやすい

一方で、媚びるデメリットとしては「媚びる」ことを嫌う人からは嫌われやすくなり、狙いとは逆に評価が低くなるリスクがあることです。たとえば、媚びて気に入られようとした上司が生粋の実力主義信望者の場合、自分の主義と真逆な媚びる人を嫌悪しがちです。また、同じ立場の女性や同僚をないがしろにして、影響力がある人にだけ露骨に態度を変えていると、反感を買いやすくなります。特に表裏がある言動をしている場合、「信用できない人間」として評価される可能性が高いです。

それでも媚びる対象相手が実力を持っているうちはいいですが、媚びていた人が失脚したり、いなくなったりするなどしてパワーバランスが崩れると、媚びてポジションをキープしていた人の立場は一緒に下落しやすいです。特に、周囲からの反感を買っていたり、信用できない人間と見なされていると、誰も助けてくれる人がいなくなり、立場が弱くなったり逆転したりします。

メリットとデメリットを比較すると、全体的には媚びる言動をしたほうが、コミュニティ内や仕事で成果を得たい場合は得になる可能性が高いです。しかし、メリットを享受できるのは、下記の条件に当てはまる場合です。

・媚びる言動が効く相手かどうか、きちんと見極める
・周囲にもきちんと気配りをして、言動の落差をつけすぎず、反感を持たれないようにする
・表裏がある言動はしない(悪口は言わない)

同じ立場の人を蔑ろにしていたり、表裏がある言動をしていると、デメリット沼にはまる可能性が高まります。

「媚を売る女」に苦手意識を感じたら

媚びる女に苦手意識を感じたり、嫌悪感を抱く人は、「媚びる女」が自分とちがいすぎてわからないからだと思われます。媚びる女の心理を知り、自分がなぜ苦手意識を抱くのかを知ることが大事です。

媚びる女性の心理とは?

媚びようとする女性の心理は、いくつかのパターンがあります。

燃え盛る野心がある☆

手っ取り早く評価をガンガン上げ、より高いポジションと年収を得ようとして戦略的に媚びるタイプです。媚びることで影響力を持つ人の印象を強め、覚えてもらうことで、チャンスや評価を得ることが目的です。戦略的に媚びることを意識しているため、周囲の反感を買うタイプもいれば、周囲の反感を買わないように目配りをしながら上手に媚びるタイプもいます。非常に戦略性が高いため、すぐに台頭してくるので、見分けがつきやすいです。嫉妬したり反感を覚えたりする人はもちろんいますが、評価や成果を出すうちにだんだん皆の評価もプラスに変わっていきやすいです。

選民意識・階級意識が強い

「自分にメリットがある人間の好感度は上げるけど、メリットがない人間は無視する」という、選民意識が強いタイプです。このタイプはだいたいコンプレックスがあり、いま自分がいるグループを見下しています。グループや階級移動をしたいがために、露骨に相手によって態度を変えます。媚びる対象以外の人を見下しているため、非常に反感を買いやすく、媚びていた人がいなくなると立場を失いやすいタイプです。

かわいがられて女としての自信を得たい

「男性に女性としてかわいがられることで、女性としての自信を得たい」タイプです。媚びる相手は、年上の男性や上司など「男性」に相手を限定しています。野心というよりは、自分の存在価値に重点を置いており、「年上の男性に目をかけられること」が自身の価値を高めると信じています。女性や同世代の男性と態度を変えるため、反感を買いやすいです。しかし、「年上の男性に好かれる」ことにのみ価値を見出しているので、「なんか嫉妬されてる」「同世代はつまんない」で済ませます。「私よくかわいがられるから」「すぐその気にさせてしまうんだよね」など自慢するので、わりと見分けやすいです。

人類全般に好かれたい・人に嫌われるのが怖い

「人に好かれること」そのものを目的にしているタイプです。「かわいがられたい女」が「年上の男性」限定なのに対して、こちらは「人類全般」が対象です。人に好かれるメリットを享受したい人もいれば、人に好かれることが自信の源になっている人、自信がないゆえに「人に好かれないと生き延びられない」と考えている人、「人から嫌われること」がとても怖い人、さまざまいます。好感度を上げる言動を全方位にしていることが多いため、ほかのタイプに比べると、反感を買いにくい傾向があります。

いくつかタイプはあるものの、それぞれに「目指す目的」があり、その目標を達成するため「他者の好感度」を必要としている点は同じです。「媚びる」ことはあくまで手段です。

媚びる女にイライラしたらすること

媚を売る女性にイライラすることがあった場合、どう対処すればいいのでしょうか。

まず念頭に置いておいてほしいのが、「他人は変えられない」という事実です。他人は他人のルールと目的をもって生きています。自分の信条とちがっていても、変えさせることはできません。もう一度言いますが、他人は変えられません。なので、イライラを軽減したいなら、他人ではなく、自分を変えたほうが手っ取り早いです。

まずやってほしいのが、イライラする相手がどのタイプかを観察することです。人間は、理解できないものに恐怖を抱き、不信感を抱きます。そのため、媚びる人が何を目的としているのか、観察して、「もしかしたらこういう人なのかもしれない」と仮説を立てましょう。仮説を立てるだけで、相手を冷静に見ることができ、「自分と相手はちがうんだ」と理解すれば、イライラは軽減されます。

次に、自分がなぜイライラするのかを考えます。イライラする背景には、さまざまな感情があります。たとえば、下記のようなものです。

・うらやましい。自分も好かれたい
・より自分を評価してほしい
・自分が狙っていた仕事やポジションを、先に越されて悔しい
・実力がないと見下していた人間が評価されて、予想と外れて腹が立つ
・まねしたいが、自分にはできないから腹が立つ
・実力主義だと信じてきたのに、そうでないことに腹が立つ

自分を見つめ、自分がどうしたいのかを考えたら、今度は自分の理想を実現するために行動しましょう。人に認められたいならもっとがんばる、あるいは人とのコミュニケーションを増やす、などの方法があります。特定の人に露骨に態度を変えるから「媚びる」と見なされるのであり、わけへだてなく好感度を上げる方法を取ればそこまで問題ではありません。

また「実力主義だと思っていたから腹が立つ」という場合、もっと社会の複雑さを知ることも大事です。上述したとおり、実力主義はテストの点数など評価方法が限定されている場合には有効ですが、就職や仕事では、実力以外のものも含めて評価されます。この事実を受け止めるかどうかは人によりますが、自分の価値観と現実に認知不協和が起きるなら、そのギャップを知ることで、今後どうしていきたいかを決めればいいでしょう。

「自分はなぜイライラするのか、自分はどういう理想を抱いているか」を考えるようになると、忙しいので、他人のことはだんだん気にならなくなってきます。

他人にイライラするより、自分の理想を考えたほうがハッピーになれる

人間は社会的な生き物であり、誰もが「相手に認められる」「好かれる」ことを求めています。媚びる人たちは彼らの目的と価値観によって「媚びることで自分は幸せになれる」と思っています。自分とちがう価値観で生きている人にイライラするより、「他人は他人」と割り切り、「自分はどうしたら幸せになれるか」を考えたほうが、今後ハッピーに過ごせる可能性が高まります。

実際、アンケート結果で出てきたような言動はどれも好感度を上げるのに有効な手段です。「特定の相手だけ態度を変える」「表裏がある」といったことをするから周囲の反感を買うのであり、そうでなく用法を守れば、自分を助ける手段になります。

(ぱぷりこ)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2016年9月23日~10月7日
調査人数:127人(22歳~34歳の働く女性)

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