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夫婦とは何か~仲のいい夫婦が絶対にしないこと~

安東徳子

いつまで経っても仲のいい夫婦を見ると、うらやましい気持ちになりますよね。どうしたら夫婦円満でいられるのでしょうか。

今回は、夫婦の定義や仲のいい夫婦でいるコツを解説してきます。

入籍=夫婦ではない! 結婚式=夫婦でもない!

友だち夫婦、歳の差夫婦、週末夫婦、夫婦には数えきれない形がありますが、そもそも夫婦とはなんでしょう?

夫婦って何?

キリスト教の教えに、『地上の天使』という物語があります。

空を飛ぶ天使は2枚の羽根をもっているが、地上の天使、つまり私たち人間は生まれたときに羽を1枚しかもっていない。しかし、結婚して夫婦になると2人の羽根を合わせて2枚の羽根を持ち、空を自由に飛べるようになるのだ、という話です。

これは、私たち人間は、夫婦になってはじめて完成された存在になるのだという比喩です。確かに、夫婦だとより豊かな人生を送れそうなイメージがあります。

現在、未婚率が上昇していますが、一方で再婚率も上昇しています。つまり、結婚の経験がない人はなかなか結婚しないけれど、一度結婚生活を経験した人は、その価値がわかるので、再び結婚を望むことが多いということです。夫婦生活には、ごきげんな魅力がたくさんあることを、誰もが直観的に理解しているということなのでしょう。

仲のいい夫婦とは

「○○さんご夫婦は仲がよくてうらやましいね」
「○○ちゃんのパパとママはとっても仲がいいんだって!」

大人でも子どもでも、「仲のいい夫婦」という言葉を耳にしただけで、うらやましい気持ちになりますし、何よりも夫婦にとっての最高のほめ言葉ですよね。

それでは、仲がいい夫婦とは、どんな夫婦なのでしょう?

仲がいい夫婦=喧嘩しない夫婦では決してなさそうです。というのも、一度も喧嘩したことがなくても冷めきった夫婦もたくさんいるからです。

仲がいい夫婦とは、「ごきげんでいる努力をする夫婦」ではないでしょうか? 妻がいつもイライラしていては、次第に夫は家に帰るのが憂鬱になります。夫が感情をむき出しにしていると、妻は夫の帰宅が憂鬱になります。逆に、顔を見れば仕事の悩みも消えてなくなるような存在の妻だったら、夫は毎日一緒にいたいと思うでしょうし、夫の優しい笑顔を見るだけで安心できれば、妻は夫といつも一緒にいたいと思うでしょう。

仲のいい夫婦とは、「いつも会いたい存在」であること。

つまり、会えばいつもごきげんになれる存在であること。これば仲のいい夫婦なのでしょう。

仲のいい夫婦でいることで、人生がより“ごきげん”に満ちたものになります。ごきげんでいると学習能力や記憶力、代謝率、免疫率が上がることは証明されており、“ごきげん”は、幸せな人生の大切なサプリメントであるといえます。

既婚者のほうが独身者より健康で長寿である、という統計もあるように、仲のいい夫婦生活を過ごすことは、精神的な面だけでなく、身体的なメリットもたくさんあるんですね。

仲のいい夫婦までの道のり

入籍すれば、法律上は夫婦になります。しかし、それだけでは本当の夫婦になれません。大学を卒業したばかりの新入社員は、入社すれば社会人ですが、すぐに社会人になるかというと、そんなことはありませんね。入社したての社員には、まだ社会人の経験がなく、研修を受け、失敗を重ね、少しずつ立派な社会人になっていくものです。夫婦もまったく同じです。入籍したからといって、すぐに仲よし夫婦になれるわけではありません。仲よし夫婦になるには、腹を立てたり、言い争いをしたり、仲直りしたり、励まし合ったりと、夫婦の失敗や成功を重ねて少しずつ仲のいい夫婦になっていくものなのです。

つまり、「夫婦は1日してならず。仲のいい夫婦は努力の賜物」というわけです。仲のいい夫婦になりたかったら、毎日毎日努力を重ねていくこと。これが唯一の仲のいい夫婦になる道です。

そこで、「仲のいい夫婦でいるコツ」と「仲のいい夫婦が絶対にしないこと」を具体的にご紹介します。

いつまでも仲のいい夫婦でいるコツ

1.ごきげんでいること

ひとつめの努力は「ごきげんをキープすること」です。前述したように、ごきげんな妻(夫)には、夫(妻)はいつでも会いたいと思います。ごきげんでいることこそ、お互いに一番居心地のよい状態です。そのためには、ポジティブシンキングの習慣をつけることですね。お給料が少ない、ではなくて、家計簿つけるのがうまくなった。家が狭い、ではなくて、整理収納アドバイザーの資格をとってみようかな、など。考え方をごきげんにする努力が仲のいい夫婦を育んでいきます。

2.食事の時間を大切にする

夫婦の一番のコミュニケーションの舞台は食事の時間です。毎晩一緒に食事ができないとしても、一緒に食事ができる時間を大切にしましょう。「今度の週末には何を食べる?」「すき焼きにするなら、たまにはデパートで高級なお肉を買う?」「お豆腐は焼き豆腐と木綿豆腐、どっちがいい?」「すき焼きにするから、日本酒を選んでね」など、一度の食事の計画を楽しむだけでも、2人の絆は強くなります。共に食事ができない日があっても、相手が何を食べたのか気にかけるなど、興味を示す姿勢も仲よしを育むコツです。

また、食事中はできるだけネガティブな話題は避けましょう。せっかくのごきげん効果が台なしになります。難しい話は食後のコーヒータイムに持ち越して!

3.「おはよう」と「おやすみ」を必ず言う

結婚生活の素晴らしいところは、朝最初に会う人と夜最後に会う人が夫(妻)であるところです。お互いにちがう仕事をして、ちがう時間を過ごしても、1日の最後には相手に会える。そして翌朝も、一番最初に相手に会える。これこそが夫婦でいる最高の魅力です。ですから、その瞬間を大切にすることです。

毎朝、毎晩の「おはよう」と「おやすみ」をごきげんな気持ちで伝えることができれば、2人の仲が悪くなるはずがありません。夫婦である幸せを毎日実感することで、慣れきってしまう夫婦関係をいつまでも新鮮に保つことができるのです。

4.「大好き?」「愛してる?」を必ず口にする

仲のいい夫婦は、愛情表現の努力も欠かしません。離婚する夫婦は「そんなことわかってると思ってた」と、愛情表現の大切さに気づいていなかったと口をそろえて言います。「愛情表現には賞味期限がある」と、私はいつも相談者に伝えていますが、愛情表現は毎日しないと、忘却という賞味期限切れにすぐに陥るのです。夫婦のどちらかが愛情表現を毎日欠かさなければ、相手も当然口にすることになります。なので、相手が愛情表現をしてくれないと嘆くより、自分から進んで愛情表現をしてしまいましょう。そうすれば、相手もつられて愛情を示す言葉を口にするようになり、ごきげんな夫婦の習慣が生まれます。

5.尊敬する

愛情と尊敬は相乗効果を生みます。長く深く育まれていく愛情は、尊敬の念と共にあります。もともと尊敬の念をもっている場合はそれを維持していきましょう。もっていない場合は、どんなに小さなことでもいいので、相手を尊敬するポイントを見つけてください。平凡な仕事をしている相手であっても、手を抜かない真面目さがある。お酒の量は多いけど、決して感情的にならない。人の悪口を言わない。笑いのセンスがある、などです。「○○はいつも△△だよね。それって本当に尊敬する。すごいことだよ」と、尊敬の念を言葉にしましょう。仲のいい夫婦がやっている当たり前の習慣です。

仲のいい夫婦が絶対にしないこと

1.不機嫌でいること

不機嫌な人のまわりからは、夫(妻)だけでなく、多くの人が逃げていきます。不機嫌な人と仲よくなりたいと思う人はいません。夫婦になったら、ごきげんの努力をすることです。

2.不摂生を続けること

できれば夫婦生活は長く続けていきたい。それが仲のいい夫婦生活であればなおさらです。相手を思いやる気持ちがあるのなら、できるだけ長生きをする努力をするべきです。

暴飲暴食、働きすぎなど、不摂生を続けることは仲のいい夫婦生活に支障をきたします。相手ために健康でいる努力をすることが大事。仲のいい夫婦でいるために不摂生は厳禁です。

3.夫婦を脅かす嘘や隠しごと

隠しごとはまちがいなくいつかバレます。仲のいい夫婦でも、隠しごとのひとつや2つはあるでしょう。問題なのは、隠しごとがバレたときの状況です。

たとえば、妻にだまってゴルフクラブを買ったり、夫にだまって新しいバッグを買ったりしたくらいの隠しごとなら、バレても関係が悪化するまではいかないでしょう。

しかし、妻にだまって消費者金融から3,000万円借りていたり、夫にだまって200万円の時計をローン組んで買っていたりなどの隠しごとは、明るみになったときに夫婦関係に亀裂が入るかもしれません。

嘘や隠しごとは、程度次第ということですね。

4.浮気

浮気は夫婦関係を根本から揺るがします。特に仲のいい夫婦は、愛情でつながっているわけですから、浮気はその一番大切な部分を崩壊させます。仲のいい夫婦と浮気は別世界のものといえます。

夫婦は1日してならず。仲のいい夫婦は努力の賜物

仲のいい夫婦とは、まさに努力の賜物。

どれだけ相手について考えるか?
どれだけ相手のために考える時間を使っているか?
どれだけ相手と一緒の時間を作ろうとしているか?

毎日、毎日の努力の積み重ねが、仲のいい夫婦関係を築いていきます。だからこそ、仲のいい夫婦は誰もがうらやむ存在なのです。

結婚してから時間が経って、仲よし夫婦になることを諦めかけている人も、実はすべて「毎日の努力の積み重ね」ということを意識して、明日から新たな気持ちで仲よし夫婦を目指してみませんか?

仲のいい夫婦生活を送ることは、最終的には健康で長生きする自分のごきげんな人生につながるのですから。

(安東徳子)

※画像はイメージです

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