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仕事で怒られた! 人前で泣かない方法3つ

秋カヲリ

中田ボンベ@dcp

仕事でミスをしてしまったとき、上司から思い切り怒られたことはありませんか? そんなときは、怒られたショックやミスをした悔しさから、つい泣きそうになることもあるでしょう。でも、大人たるもの人前では泣きたくないですよね。そこで今回は、怒られたときに泣きそうになる心理や、人前で泣なかないようにする方法を探ります。

涙が出るメカニズムって?

そもそも、なぜ怒られると涙が出そうになるのでしょうか? 泣きたくなる心理状態や涙が出る理由について、心理カウンセラーの萩原かおり先生に聞いてみました。

泣きたくなる心理状態とは

人が泣きたくなるのは「なんらかのストレスを感じて心が乱れたときに、それを落ち着かせようとしている」からです。泣くことはストレス解消になるので、ストレスを感じたときは泣いたほうが心の回復が早いのです。つまり、自分の心を守るために人は泣くのです。

涙腺は神経の興奮を抑える副交感神経によって刺激されるもので、この副交感神経は眠っているときやリラックスしているときに優位になります。副交感神経が揺れ動いた心をなだめて落ち着かせようと機能した結果、涙腺が刺激され涙がこぼれてくるのです。

なぜ涙が出るの?

うれしさと悲しさは正反対に思えますが、どちらも感情の起伏が生まれる一種のストレス状態です。そのため、上述のようにストレスを解消するために、涙が流れるのです。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つのバランスを保つことは精神の安定に不可欠です。感情が高ぶって興奮しているときは交感神経が優位になり、そのままだと緊張やストレスが蓄積されて負担になります。一刻も早くストレスを解消しなければなりません。そこで副交感神経が働いて涙が流れ、バランスを保とうとするのです。

人前で泣かない方法って?

もし会社で怒られてしまって泣きそうになった場合、どうすれば人前で泣かずに済むのでしょうか? 人前で泣かない方法を萩原先生に聞きました。

怒られたときに泣きたくなるのはなぜ?

怒られたときにはストレスを感じますから、そのストレスを解消するために人は泣きます。反対に言えば、怒られてもストレスを感じなければ泣きません。たとえば、怒られることに対して「怒られて当たり前だな」という納得感があったり、怒られても「まあいいか」と気にならなかったりすれば、涙は出てこないでしょう。

つまり、怒られて泣きたくなるのはなんらかの疑問や不満、悲しみや怒りなどを抱えて「どうしてうまくいかないのだろう」と感じているときです。涙の原因になっているストレス源を把握し、自分で正しく対処できれば自然と泣かなくなるでしょう。

仕事中、泣かない方法はある?

(1)今の状態を受け入れる

仕事で泣いてしまうときは、「もっと評価されたい」「もっとわかってほしい」「もっと仕事ができるようになりたい」といった欲があり、それが叶えられないときの落胆や悲しみ、悔しさがストレスになります。つまりこうした欲を抑えれば、涙の原因になっているストレスを軽減できます。

欲を止めるには、今の状態を受け入れる必要があります。「自分は今のままでも大丈夫」「今の職場環境でも十分満足」「今の人間関係も悪くない」というように、現状をよいものとしてとらえるのがもっとも効果的です。

成長意欲は大切ですが、それで自分の首を絞めてしまうのは悪影響。あまりに苦しいならば、いったん問題を棚上げして「これでも悪くない」と考える癖をつけましょう。しかし、自分の考えはそう変えられるものではありません。そこで、できない自分を否定するのをやめて、一度肯定してみましょう。そして、自分の精神状態に余裕が生まれたら改善を考えるなど、休みながら行動するのがオススメです。

(2)対応策を決めてしまう

仕事で泣くときは「どうしよう?」と不安を抱えていることも多くあります。たとえば上司に怒られたり、大きなミスをしてしまったり、人間関係でトラブルが起きたりしたときに不安を抱えてパニック状態になり、泣いてしまうこともあるでしょう。

こうしたときは、「どうしよう?」という不安を止める必要があります。不安を感じる課題があれば、「とりあえずこうしてみよう」と、仮の対応策を決めるといいでしょう。一度対応策を決めてしまえば、ポジティブにその課題に向き合うことができます。

たとえば上司に怒られたら、とりあえず「ご指摘ありがとうございます」と明るく答える、などです。「なんて答えたらいいんだろう」「どんな表情で聞けばいいんだろう」と悩むとそれがストレスになるので、悩む前に対応できるようにお決まりのパターンを作りましょう。

また、よく嫌味を言う上司には、相手が落ち込んだり動揺したりする様子を見て「反省しているな」と感じて満足するタイプが多くいます。そうした相手には、落ち込んだ様子を見せずにニコニコしながら話を聞き、「ご指摘ありがとうございます!」と元気に答えるのがオススメ。上司は肩透かしをくらったような気持ちになり、あまり嫌味を言わなくなるでしょう。

(3)ストレスはいいものだと考える

「ストレスそのものを肯定して受け入れる」のもいい方法です。ストレスは悪とされがちですが、ストレスを多く感じていると言われている日本人は、世界的に見ても寿命が長く、健康な人が多いです。

では、どういった場合にストレスが悪影響を及ぼすのかというと、「ストレスは体に悪い」と考えたときです。ストレスを自分の成長に生かすと考えるとプラスの効果をもたらしますが、「ストレスは悪いもの」ととらえている人は、寿命が縮むという研究結果が出ています。

そのため、なんらかのストレスを感じて泣きそうになったら、「このストレスがあるから成長できる」「このストレスはプラスになる」とストレスを肯定し、必要なものだと考えましょう。そうすればポジティブに受け入れることができ、涙が引っ込みます。

ただ、つらかったり苦しかったりするときに泣くのは自然なことです。無理に涙を我慢せず、ときには思い切り泣いてストレス解消することも必要。仕事場ではこれらの3つの方法を試してグッと堪え、家に帰ってから気が済むまで泣くのもいいでしょう。きっと気持ちが楽になるはずです。

ときには思い切り泣くことも大事

会社で怒られたときに泣かないようにするには、現状を受け入れる、あらかじめ対策を決めておく、ストレスを肯定する、といった方法がいいとのこと。怒られたときのショックやパニックで泣くこともあるそうですから、心の動揺を抑えるためにも、この3つの方法を常に心のとどめておきましょう。とはいえ、泣くのを我慢し続けるのもストレスになりますから、萩原先生も挙げているように、ときには思い切り泣いてみるのもいいかもしれませんね。

(文:萩原かおり、構成・中田ボンベ/dcp)

※画像はイメージです

 

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